最終更新日(update) 2024.10.01 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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令和6年2月号掲載 句会報 |
令和五年度静岡白魚火忘年俳句大会 |
相澤よし子 |
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十二月とは思えぬ暖かな日和に恵まれた令和五年十二月十日、静岡白魚火忘年俳句大会が開催されました。 遠方より、顧問であり副主宰の檜林弘一氏に御参加いただき、参加者二十四名(不在投句者三名)で、担当の勝間田句会の皆さんの準備、進行のもとに行われました。当季雑詠三句(不在投句二句)出句で、選句は檜林弘一副主宰特選五句入選十句、鳥雲同人特選三句入選五句、白魚火同人五句選で行われ、披講後、檜林弘一副主宰より丁寧な選評をいただきました。また、副主宰の特選句には御染筆の短冊が授与されました。 三都夫先生亡きあとも、先生の教えを引き継ぎ、素晴らしい作品が投句され、和やかな中にも活気ある句会となりました。 檜林弘一副主宰 特選 冬紅葉ちりちり色を燃やしけり 柴田まさ江 夕映えや金鈴子とは名にし負ふ 小村 絹子 おしやべりの聞こえてきさう紅葉山 柴田まさ江 ころがれば拾ひたくなる木の実かな 横田じゅんこ 浮寝鳥夕日は山に帰りけり 坂下 昇子 鳥雲同人 選 本杉郁代 特選 茶室へと誘ふ石蕗の花明り 辻 すみよ ころがれば拾ひたくなる木の実かな 横田じゅんこ 参道の日差しの澄みぬ冬紅葉 檜林 弘一 小村絹子 特選 ころがれば拾ひたくなる木の実かな 横田じゅんこ 鴨百羽浮かべて湖の楽しさう 辻 すみよ 取り替へてもらつても負け木の実独楽 坂下 昇子 坂下昇子 特選 やり直し出来ぬ悔いあり木の葉髪 大塚 澄江 茶室へと誘ふ石蕗の花明り 辻 すみよ 道連れは落葉踏む音風の音 横田美佐子 辻 すみよ 特選 目玉まで新巻鮭の塩まみれ 檜林 弘一 ブティックにアロマの香り冬うらら 藤田 光代 ころがれば拾ひたくなる木の実かな 横田じゅんこ 横田じゅんこ 特選 銀杏散る真つ只中にゐてひとり 相澤よし子 留まるも舞ふも枯葉にある力 大石 益江 茶の花や約しく暮らし恙無く 大石 益江 大塚澄江 特選 目玉まで新巻鮭の塩まみれ 檜林 弘一 虎落笛空にらくがきして居りぬ 山西 悦子 朴落葉空筒抜けになりにけり 橋本 快枝 田部井いつ子 特選 虎落笛空にらくがきして居りぬ 山西 悦子 蟷螂の身構ふるまま枯れにけり 大塚 澄江 朴落葉空筒抜けになりにけり 橋本 快枝 句会終了後には席を移し、檜林弘一副主宰を囲んでの懇親会を行い、美味しいお料理を頂きながらの歓談の場となりました。
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令和6年2月号掲載 句会報 |
令和五年度栃木県白魚火忘年俳句大会・忘年会報告 |
杉山 和美 |
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栃木県白魚火忘年俳句大会が十二月三日(日)、宇都宮市中央生涯学習センターに於いて開催されました。当日は小春日和に恵まれ、二十三名の参加のもと開催となりました。俳句大会の前に、星田一草顧問の「瑞宝小綬章」受章と栃木県俳句作家協会「七木賞」受賞のお祝いとして、記念品贈呈と写真撮影、その後柴山要作会長から祝辞、星田一草顧問から謝辞がありました。 俳句大会は五句投句、七句選、うち特選一句で行われました。 終了後、上位入賞者に賞品の授与、全員に参加賞が配られました。その後、特選句の選評を各自が行い、曙、鳥雲同人による作品鑑賞が行われ、終了となりました。 その後、会場を移し、八名の参加により忘年会を行ない、俳句談義、吟行のこと、これまでの出来事など大いに語り合い懇親を深めました。 曙、鳥雲同人の特選句及び参加者全員の当日の一句は、次のとおりです。 曙、鳥雲同人特選句 星田 一草 特選 冬菊のもたれ合ふ身の軽さかな 奈良部美幸 柴山 要作 特選 小春日や跳ねて引きたる人力車 星 揚子 中村 國司 特選 霜の畑パンタグラフの影走る 佐藤 淑子 加茂都紀女 特選 つちふまずほぐす勤労感謝の日 松本 光子 齋藤 都 特選 白壁を逃ぐる日脚や暮早し 秋葉 咲女 星 揚子 特選 乗り継ぎの小さき駅や山眠る 加茂都紀女 松本 光子 特選 冬菊のもたれ合ふ身の軽さかな 奈良部美幸 参加者の当日の一句(氏名五十音順〉 掌に数多のメモや十二月 秋葉 咲女 走り蕎麦七味の蓋をかけ直す 阿部 晴江 野紺菊赤錆厚き廃線路 石岡ヒロ子 黄落に空襲の陰大銀杏 五十嵐藤重 病棟を照らす一灯冬の星 江連 江女 無惨なる殺生石に風凍る 加茂都紀女 歌垣の山むらさきに冬うらら 菊池 まゆ 山眠るAIの読むニュースかな 熊倉 一彦 神宮の千木の輝く初時雨 齋藤 英子 ゆるゆると今日の一日を日向ぼこ 齋藤 都 霜の畑パンタグラフの影走る 佐藤 淑子 枯蟷螂眼は未だ枯れ切れず 柴山 要作 冬帽子寝ぐせ直して被りけり 杉山 和美 縁の物乾きて爆ずる小六月 鷹羽 克子 鴨の飛ぶ水面を蹴つてけり抜いて 中村 國司 輪王寺の燃え尽きさうな冬紅葉 中村 早苗 冬菊のもたれ合ふ身の軽さかな 奈良部美幸 小春日や跳ねて引きたる人力車 星 揚子 人は人を遺して逝けり冬の月 星田 一草 ぬひぐるみのせて小春の三輪車 松本 光子 咳一つ腰据へて読む『養生訓』 本倉 裕子 冬桜トロッコ列車の無人駅 谷田部シツイ 男体山のよく見ゆる日や大根干す 渡辺 加代 |
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令和6年2月号掲載 句会報 |
秋の吟行俳句会~今高野山~ |
東広島市 真野 麻紀 |
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私達東広島土曜俳句会は、十一月十八日(土)広島県世羅郡世羅町にある今高野山を訪れ、吟行句会を行いました。前日の天気予報では、「今シーズン一番の寒波」「雪が降ります」との事。寒がりな私は、防寒具や暖かい飲み物など万全の状態で臨みました。当日は、予報通り雪の舞う天気。バスが駐車場に着いた時には風も強く、「えっ。今日は吹雪ですか?」と思ったほどです。駐車場から総門(仁王門)に皆で移動し、その後約一時間半それぞれ自由に散策をしました。 当日の一句抄 重文の結界石や冷えまさる 奥田 積 初雪の降り込む袂大師像 溝西 澄恵 野面積に銀杏黄葉の降り積もる 久保 徹郎 小雪舞ふ昔の里今高野 有川 幸子 行く秋や昔を偲ぶ今高野 有川 光法 君と来し山の紅葉をひとり踏む 乙重 潤子 木洩れ日の坂道にゐて寒鴉 加藤三惠子 風さわぐ錦秋の山しならせて 佐々木智枝子 古寺の色重なりて冬紅葉 佐々木美穂 掌にコーヒー包み見る紅葉 仲島 伸枝 朱の橋の向かうは紅葉明かりかな 原田 妙子 北風や観光チラシめくりをり 松村 幸子 六花緋色にふれて消えにけり 真野 麻紀 引き水の池に重なる落葉かな 山口 和恵 |
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令和6年2月号掲載 句会報 |
坑道句会十一月例会報 |
杉原 栄子 |
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十一月二十七日(月)、今年最後の坑道句会の吟行句会が宍道湖の西岸にある宍道湖グリーンパーク周辺で行われました。残念ながらJA北浜句会の人達は、特産の十六島海苔の摘み取りが始まっており、忙しく出席がありませんで、この日は十一名の会員による句会となりました。 私にとって、この公園に来るのは久々で、一、六ヘクタールあるという樹木林の中の道を通り抜け、グリーンパークの端にある野鳥観察舎に着きました。湖岸に立ち、それぞれにしばらく湖をながめていると、説明をお願いしていた職員の方が望遠鏡二台と参加者分の双眼鏡を持ってやって来られ、使い方を聞いた後、湖や近くの田んぼにいる野鳥を観察し、鳥の名前や見分け方、飛び方、鳴き声、餌などについて詳しく教えていただきました。今年初めて会えた白鳥、真雁や菱食、数多くの種類のある鴨類、眼光鋭い鶚、飛び方が優雅で、冠羽と背中の羽が美しく、田の貴婦人と言われる田鳧などを双眼鏡の丸い輪の中にくっきりととらえ、歓声を上げました。今年も簸川平野を忘れずにようこそ訪れてくれたと、出会えた鳥たちに心より嬉しく感じました。この他にも上げきれないほど多種の鳥が飛来していました。 宍道湖のしじみ舟は、すでに操業の時刻が過ぎていたらしく、二艘ほどが舟着場に戻ってくるのが見えたほかは、見ることができませんでした。冠雪の伯耆富士は、湖の対岸遠くにうすく霞んで見えました。干拓地の広々とした田でくつろぐ白鳥は、とても優美で魅力的です。穏やかに打ち寄せる波と岸辺の葦のそよぎ等々、しばらく作句を忘れて湖をながめました。 こうして午前中の吟行を終え、借りてあるグリーンパークのレクチャールームで作った句を推敲し、午後零時半締切りの投句を済ませました。各自持参の昼食・休憩の後、午後一時から句会が開催され、皆様の力作が発表されました。 旅伏山へと夕日が傾く頃になると、宍道湖を囲む田のあちらこちらから、白鳥が連れ立って宍道湖岸の塒へと向かいます。空を見上げてこの様子を見ることのできる幸せを感じます。こうしてこの日の楽しい一日が終わりました。 当日の句会の結果は、以下のとおりです。 渡部美知子 特選(順不同。以下同じ。) 冬の雁胸を汚して田を漁る 三原 白鴉 静けさや水鳥水の音たてず 荒木千都江 みづうみにざつと数ふる鴨の数 荒木千都江 三原 白鴉 特選 万の穂に万の風あり芒原 荒木千都江 群れながら向きそれぞれに浮寝鳥 荒木千都江 静けさや水鳥水の音たてず 荒木千都江 荒木千都江 特選 水鳥の日矢差す湖にゆつたりと 井原 栄子 白鳥のすらりと伸ぶる首美しく 生馬 明子 あざやかに湖面に映る番鴨 山本 絹子 久家 希世 特選 白鳥のすらりと伸ぶる首美しく 生馬 明子 双眼鏡の中に逆立つ鳰 山本 絹子 かりがねの声に見上ぐる斐伊の空 井原 栄子 生馬 明子 特選 冬の雁胸を汚して田を漁る 三原 白鴉 遠めがね丸き世界に遊ぶ鴨 渡部美知子 かりがねの声に見上ぐる斐伊の空 井原 栄子 当日の高得点句 七点 静けさや水鳥水の音たてず 荒木千都江 六点 寒林を抜けて宍道湖波もなく 生馬 明子 白鳥のすらりと伸ぶる首美しく 生馬 明子 かりがねの声に見上ぐる斐伊の空 井原 栄子 五点 冬の雁胸を汚して田を漁る 三原 白鴉 双眼鏡の中に逆立つ鳰 山本 絹子 遠めがね丸き世界に遊ぶ鴨 渡部美知子 当日の一句抄 (氏名五十音順) 静けさや水鳥水の音たてず 荒木千都江 ちよこちよこと歩む田鳧に見とれけり 生馬 明子 かりがねの声に見上ぐる斐伊の空 井原 栄子 水鳥や湖岸の森の覗き窓 大菅たか子 八雲立つの句碑の辺石蕗の花あかり 久家 希世 にほどりの潜る水輪と浮く水輪 杉原 栄子 打ち寄する波音やさし冬日和 原 和子 戯れて落葉踏み行くスキップで 松村れい子 風渡る水面窄めて鳰潜く 三原 白鴉 双眼鏡の中に逆立つ鳰 山本 絹子 置物のごとき鶚のふと動く 渡部美知子 |
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令和6年3月号掲載 句会報 |
旭川白魚火新年句会 |
旭川 吉川 紀子 |
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去る一月十三日(土)、雪晴れの中、旭川白魚火新年句会が市内の「扇松園」にて行われました。 今回は、北見から金田野歩女先生が泊りがけで参加して下さり、会場までの送迎バスは、嬉しい歓迎の声と共に会場の扇松園へ着きました。 お部屋は去年と同じ舞台のある部屋です。淺井夫妻の長男文人君は、二歳になり持参のおもちゃで舞台の上で楽しそうに遊んでくれ、パパ、ママ、皆さんの声掛けの中、なごやかに句会が始まりました。 今回の得点方法は、出句五句の合計点で決める方法をとり、それぞれに賞品が渡されました。 句会後の宴の冒頭では、野歩女先生よりご挨拶があり、昨年の札幌大会について、温かいねぎらいのお言葉をいただき、感謝感激の嬉しい乾杯となりました。 文人君はぐずることもなく、みんなの席を回り、一人ひとりにハイタッチをしてくれて、お話も上手にできるようになり、目を見張る成長ぶりに、皆さん、感心しきり! 楽しい美味しい賑やかな新年句会となりました。 結果は、以下の通りです。(一句のみ紹介) 一位 小林さつき 家長より威厳のありぬ睨み鯛 二位 沼澤 敏美 片頰のほてりどんどを離れても 三位 萩原 峯子 衣食住足りて息災千代の春 当日の一句(五十音順) 煮こごりの中や古代の魚の影 淺井ゆう子 初飛行能登半島の方を見る 淺井 誠 元朝の真澄の空の青々と 今泉 早知 目隠しの耳にくすくす福笑 金田野歩女 正月や遠きふるさと御殿まり 中村 公春 どんどの火龍登るごと御空へと 平間 純一 火の番は氏子総代どんど焼 三浦香都子 小さき目の竜の箸置きごまめ食ぶ 吉川 紀子
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令和6年3月号掲載 句会報 |
令和六年栃木県白魚火会新春俳句大会 |
中村 早苗 |
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一月七日(日)、寒に入ったとは思えない程暖かく穏やかな日となった午後、宇都宮市西生涯学習センターに於いて新春俳句大会が開催されました。 参加者二十二名、五句出句、十句選、内特選二句で行なわれました。 成績上位八名と飛び賞として十七位一名、役員の特選一位の句に賞品が授与されました。 役員の特選句と参加者の当日の一句は次の通りです。 役員特選句 柴山要作 選 鳥のこゑ満ちて古墳の三日かな 五十嵐藤重 毛糸編む針の動きを追ふひかり 江連 江女 星田一草 選 書初や小筆を洗ふ水の音 齋藤 都 冬蝶の黄をやはらかく日に返す 阿部 晴江 中村國司 選 文具屋を閉づる赤札寒夕焼 五十嵐藤重 胸の稚両手で初日摑みをり 江連 江女 加茂都紀女 選 胸の稚両手で初日摑みをり 江連 江女 霊峰や微光を放つ初御空 渡辺 加代 齋藤 都 選 背比べしつつ立ちたる初鏡 本倉 裕子 日の当たるところざわめく寒雀 阿部 晴江 星 揚子 選 初春や光る背表紙「膝抱いて」 中村 國司 冬蝶の黄をやはらかく日に返す 阿部 晴江 松本光子 選 冬蝶の黄をやはらかく日に返す 阿部 晴江 日の当たるところざわめく寒雀 阿部 晴江 熊倉一彦 選 冬蝶の黄をやはらかく日に返す 阿部 晴江 鍵盤に十指の乱舞初稽古 中村 早苗 本倉裕子 選 スキップの子ら銀行へ四日かな 齋藤 英子 一日をひらひら過ごす四日かな 中田 敏子 阿部晴江 選 初春や光る背表紙「膝抱いて」 中村 國司 除夜の鐘心に染むる余韻かな 中村 早苗 江連江女 選 幼児に七草粥を吹き冷す 菊池 まゆ 鍵盤に十指の乱舞初稽古 中村 早苗 渡辺加代 選 胸の稚両手で初日摑みをり 江連 江女 八十歳は眉伸びざかり千代の春 中村 國司 当日の一句(五十音順) 冬蝶の黄をやはらかく日に返す 阿部 晴江 眉目のよき巫女を選びて福箕受く 五十嵐藤重 老婆心磨きかかりて去年今年 石岡ヒロ子 柏手の白息散らす朝の杜 江連 江女 屠蘇祝ふ八十余歳またたく間 加茂都紀女 初景色畏み仰ぐ那須五峰 菊池 まゆ 読初の兜太龍太を範として 熊倉 一彦 年酒酌む生家をまもる三代目 齋藤 英子 書初や小筆を洗ふ水の音 齋藤 都 難のがれ朝茶頂く四日かな 佐藤 淑子 願はくば一日一笑老の春 柴山 要作 両側の媼はほとけ初参 杉山 和美 一日をひらひら過ごす四日かな 中田 敏子 初春や光る背表紙「膝抱いて」 中村 國司 お疲れと交はす言の葉晦日蕎麦 中村 早苗 そそり立つ日光連山年新た 奈良部美幸 人日の紅茶明るく注がるる 星 揚子 人はみな美しく老い屠蘇祝ふ 星田 一草 あらたまの水渾々と神の池 松本 光子 登りきて無口となりぬ初景色 本倉 裕子 地震地より帰省の子へのお年玉 谷田部シツイ 霊峰や微光を放つ初御空 渡辺 加代
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令和6年3月号掲載 句会報 |
名古屋白魚火句会五周年記念感謝の会と句会 |
伊藤 妙子 |
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令和6年3月号へ |
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寒波襲来の十二月十七日、浜松より村上尚子先生、渥美絹代先生、渥美尚作さんをお招きし、これまでご尽力いただいたお礼の式典と句会を行いました。 式典では、牧野さんのハーモニカ演奏の中、お三方をお迎えしました。村上先生、渥美先生、尚作さんそれぞれへ感謝状と花束等を贈呈いたしました。感謝状の内容は、非常にウイットに富んだ内容であり、また尚作さんにはサンタ帽を被って授与に臨んでいただいたこともあり、会場は爆笑の渦に包まれました。 また、月一回の句会のご指導と雑務を厭わず行っていただいております檜垣会長と野田さんには、以前に結社の表彰を受けられる等ご功績もあり、遅ればせながら、お祝いの花束をお送りしました。 その後、和やかな雰囲気の中、茶話会を行いました。会員全員の一言もあり、笑いの中で茶話会はお開きとなり、引き続きお招きの三名と名古屋句会十四名、計十七名(内一名は欠席投句)が参加した句会をいたしました。 先生方からは、「名古屋句会の皆さんはとても良い出来です」の一言をいただき全員の気持ちが和みました。それぞれ特選句、秀句、入選句として採っていただき、該当の参加者は大変嬉しそうな表情をしておられました。 和気藹々のうちに午後四時過ぎにすべての予定を終了し、記念の集合写真撮影をして閉会となりました。 参加者の当日の一句 年忘大きな猪口を手渡さる 村上 尚子 糸かけしままのミシンや雪催 渥美 絹代 楽の音に踊る絡繰返り花 渥美 尚作 白鳥や倭建命の化身なる 檜垣 扁理 雪吊の天辺星を指してをり 吉村 道子 冬ぬくし鯉のあひだに雑魚光る 野田 美子 病室に鼾の聞こえ冬ぬくし 伊藤 達雄 神明社の落葉焚く煙町包む 伊藤 妙子 石臼も杵も並ぶや年の市 後藤 春子 教へ子の作りし蜜柑贈りけり 牧野 敏信 落葉ふむ音にせかされ逝きにけり 前野 砥水 灯の点る夜の公園に落葉舞ふ 白井 幸雄 冬日さす城を貫く心柱 大塚 知子 突風に落葉渦巻く交差点 三宅 玲子 小春日や乳母車の子手を振りて 森 節子 校庭のグランドゴルフ落葉舞ふ 遠山 都 木の下の雑草おほふ落葉かな 井上 彰
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令和6年4月号掲載 句会報 |
森淳子代表ご苦労様会 |
函館白魚火会 内山 実知世 |
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令和6年4月号へ |
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一月十三日「おいしいお料理と楽しい集い」を開催しました。今井星女先生ご退任後、函館白魚火会の代表を勤められた(ご高齢ということで引退される)森淳子さんへの感謝を表したいとの案内に、十三名が集まりました。 一言メッセージでは、お礼の言葉や懐かしいお話もありました。 「勿忘草をあなたに」を赤城節子さんが歌われると、フットワークの良い淳子さんがデュエットされるシーンもあり、楽しくてお元気な様子が嬉しかったです。句作のポイントについては、淳子さんから、印象に残った事をメモしておくと良いとアドバイスも。 新代表の広瀬むつきさんが、「私達も淳子さんのように元気で良い俳句を作りましょう」と話されました。吟行会も準備中です。 十二年余り句会報を担当された𠮷田智子さんがお礼のお花を贈呈し、根川文子さんのリードで「今日の日はさようなら」を唱いました。淳子さんに感謝しながら良い一日を過ごしました。 (会場手配等は西川さん、写真担当は富田さん) (イベント担当内山)
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令和6年5月号掲載 句会報 |
島根地区白魚火俳句大会開催 |
雲南 森脇 あき |
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令和6年5月号へ |
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令和六年二月二十四日(土)、白岩敏秀主宰をお迎えして、島根地区白魚火俳句大会が出雲市ラピタ本店三階天雅の間に於いて開催されました。この大会は、もともと令和元年五月開催を計画中、突如発生したコロナウィルス急拡大によりやむなく中止になっていただけに皆さんの期待が大きく、当日は遠く津和野町、隠岐島なども含め、計五十九名の参加を得て賑やかに句会大会が開かれました。
午後一時、開会にあたり準備に当たった三原白鴉氏より、「今年は白魚火創刊七十年目である記念の年でもあり、白魚火創刊の地である松江市に於いて開催される白魚火全国俳句大会が盛大なものとなるよう、島根地区の白魚火会員が一致協力して取り組みましょう」と開催の趣旨が述べられました。
句会は、参加申込者六十三名が事前投句した当季雑詠三句、計一八九句が印刷配付された選句表中から、白岩主宰には特選五句、入選句数任意、曙・鳥雲同人は、各特選三句、入選十句、そして一般選七句の互選の方式で始まりました。選句終了後、渡部美知子、原みさ、妹尾福子の三氏による披講、原和子、牧野邦子、山本絹子三氏による代返により、円滑に進められ、最後に主宰の特選五句、曙同人の特選三句、鳥雲同人の特選第一位の句にはそれぞれ短冊が授与され、会場は大いに盛り上がりました。
また、主宰は、作句について、良い句とは「リズムが良い句」「読み手に伝わる句」「景色が見え、感じる句」「言葉の発見のある句」「明るく楽しい安らげる句」であり、そして、「何よりも俳句は楽しみながら作る事が大事である」とのご指導をいただきました。
途中、各句会ごとに句会や参加者の紹介、テーブルごとの記念撮影などがあり、終始和やかな雰囲気の続く中、石川寿樹氏の締めにより懇親会がお開きとなりました。
白岩敏秀主宰 特選第一位~第五位
安食彰彦副主宰 特選第一位~第三位
渡部美知子 特選第一位~第三位
三原白鴉 特選第一位~第三位
生馬明子 特選第一位~第三位
石川寿樹 特選第一位~第三位
小村絹代 特選第一位~第三位
久家希世 特選第一位~第三位
田口耕 特選第一位~第三位
永島のりお 特選第一位~第三位
西村松子 特選第一位~第三位
原和子 特選第一位~第三位
原みさ 特選第一位~第三位
牧野邦子 特選第一位~第三位
高得点句 |
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令和6年5月号掲載 句会報 |
雛流し吟行句会記 |
東広島 仲島 伸枝 |
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三月十六日(土)広島白魚火土曜句会は、総勢十七名で東広島市西条町にある黒瀬川で雛流しを行いました。雛を海や川に流すことによって、災厄を払うといわれています。
予め作っていた紙雛にこんな顔あんな顔と様々に楽しみながら目、口を入れ、美男美女の出来上がり。和紙に男雛女雛を乗せ花と手作りのあられを手向けて、いろいろな思いを託しゆっくりと川へ流しました。
河原で昼食をとり句作に悩みながらも和気藹々で句会場に移動しました。今回の吟行は川、河原に集い、わいわいのんびりと楽しみました。ほとんどの人が雛流しは初めてで、感動を胸にまるで遠足の様でした。以前にもまして親睦も深まったように思います。
当日の一句抄 |
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令和6年6月号掲載 句会報 |
栃木県白魚火総会及び俳句会 |
奈良部 美幸 |
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令和6年6月号へ |
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令和六年度の栃木県白魚火総会、俳句会が四月七日(日)宇都宮市中央生涯学習センターにおいて二十三名出席のもと開催されました。柴山要作会長の挨拶に続き、役員より昨年度の行事報告、決算報告、監査報告、令和六年度行事予定案、予算案、役員・支部構成案等の審議承認があり、俳句会に移りました。 柴山要作 選 当日の一句(五十音順)
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令和6年6月号掲載 句会報 |
坑道句会三月例会報 ― 出西織、鵠神社吟行 ― |
山本 絹子 |
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令和6年6月号へ |
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三月二十五日(月)、斐川町の出西織、鵠神社への吟行句会を行いました。
この工房は、昌子さんの義母桂子さんが倉敷民藝館工藝研究所で修業された藍の本染手織の仕事を昭和三十年以来三代にわたり受け継いでおられるものです。畑で栽培された棉がテーブルクロスやマフラーなどの製品になるまでには、いくつもの工程があります。まず、収穫した綿を繰って種を取り除き、糸繰機(糸車)に掛けて糸を繰り、湯に通して汚れや油を取って染める前の糸にします。多々納工房では、現在使用する糸の多くは購入しておられるそうですが、家の畑で種から育てた自家製の糸も使用されていました。糸作りと並行して、藍の発酵建てをします。糸を繰り返し藍甕に浸し、絞っては糸を染め、乾かします。「小管」と呼ぶ篠竹の棒に模様を出すのに必要な濃さの異なる糸を何本も巻き、横糸の準備をします。一方で、織機に縦糸をセットします。真ん中に穴の開いた綜絖(そうこう)と呼ばれる長い針金の穴に一本一本糸を通すのですが、綜絖は布の幅により、百本程度から千本を超えるものまであり、四枚ある綜絖枠の綜絖に通す順番を間違えると織り柄が狂ってしまうのでとても神経を使うとのことです。これが終わると、いよいよ組織図通りに手と足を使って織っていきます。ここでも踏む順番を間違えると柄が狂ってしまうので、気を緩めることのできないとても根気のいるものだと思いました。
機織について説明を聞いた後、糸染めの工程を見学させていただきました。染場には、土間に四つの藍甕が埋けてあり、藍が建てられていました。蓋を取って見せていただいた甕の中には「藍の華」が浮かんでいました。初めて見る藍の華に感動し、確かに藍は生きていると感じました。ここでの作業も大変で糸を藍に浸しては絞るという作業を望みの色が出るまで繰り返し行います。水分を含んだ糸の束は重く、中腰で体力のいる作業です。そして、最後に工房に引き入れた斐伊川の伏流水で洗い上げられます。伏流水は糸に優しいということでした。こうして染め上げられた糸が機に掛けられるということになります。
以上で、予定の吟行を終え、集合場所のJA会議室に帰り、句会を行いました。吟行で同じ体験をした皆さんが、どのようなところに感動し、句を作られたのか、また、春とは言え時折り小雨の降る肌寒い日の句には、どのような季語を選ばれたのか、とても興味がありました。また、屋内のことを詠むのにふさわしい季語についても知りたいと思いながら、句会に臨みました。 安食 彰彦特選 当日の高得点句 当日の一句抄 (氏名五十音順) |
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令和6年6月号掲載 句会報 |
東広島白魚火水曜俳句会 御建神社吟行 |
佐々木 智枝子 |
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令和6年6月号へ |
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今年は、春の雪、菜種梅雨と天候不順が続く三月であったが、三月二十七日(水)、吟行の日は、からりと朝から晴れていた。吟行を行う御建神社は、西条駅のすぐ北側にあり歴史的にも古い神社で、参道を上った階段の前に十時に集合した。
広島の標準木、広島市縮景園の桜の開花宣言はされたが、御建神社の桜はまだ蕾だ。祈願に来た人や神社の公園で遊ぶ親子連れも見られた。境内には、狛犬の種類が多く、球を持つ親子の狛犬、威嚇するような狛犬などがある。
神社の杜には、高い木が茂り、囀が響いてくる。神社の横は御建球場になっていて、少年たちが練習や試合をする場にもなっている。ぐるりと散策することができ、桜並木は花見の名所でもある。
ここでめいめい昼食タイムとした。広場のベンチに腰掛け、おにぎりを食べながら、掲示されている俳句の鑑賞を行ったり、俳句を作る時間に当てたりした。そして、句会場の「くらら」に移動して四時まで句会を行った。 当日の一句 |
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令和6年7月号掲載 句会報 |
群馬白魚火会総会、句会報 |
遠坂 耕筰 |
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令和6年7月号へ |
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桜も散った四月二十二日、肌寒い雨模様の中之条町に於いて今年度の群馬白魚火会総会および句会が行われました。高齢化のため参加者は年々減少し、今回は一八名の参加となりました。 |
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令和6年8月号掲載 句会報 |
実桜句会総会・吟行報告 |
(札幌)成田 哲子 |
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令和6年8月号へ |
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実桜句会は四十周年を迎え、今年は札幌近郊の小金湯温泉で五月二十日から二十一日に句会総会・吟行が行われました。 五月二十日句会 (湯元小金湯温泉) 五月二十一日句会(アイヌ文化センターサッポロピリカコタン) 参加者の一句 (五十音順) 爽やかな若葉風の中で、樹齢七百年以上の湯宿の守り神のような桂の大木、再現されているアイヌのチセ(家屋)やコタン(集落)などを吟行して句作しました。充実した句会となり感謝の二日間でした。
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令和6年8月号掲載 句会報 |
令和六年度栃木県白魚火第一回鍛錬吟行会 |
本倉 裕子 |
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六月二日(日)、宇都宮市に於いて第一回目の鍛錬吟行会が行われた。当日は雨の予報だったが、幸い晴れ間が出た。参加者は二十二名。句会場近くの松が峰教会、宇都宮城址公園、釜川周辺を三々五々吟行をし、午後は宇都宮市中央生涯学習センターに集合、会長の挨拶の後句会となった。句会は七句出句、十句(特選二句)選で行われた。 役員特選句 当日の一句 (五十音順)
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令和6年8月号掲載 句会報 |
静岡白魚火総会記 |
辻 すみよ |
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一番茶の摘み取りも一段落した五月十二日(日)、令和六年度静岡白魚火総会と俳句大会を榛原文化センターで行いました。会員十八名と副主宰で特別顧問の檜林弘一様のご出席を頂きました。 一 総会 二 俳句大会 六点 退屈なふらここ風が押してをり 大塚 澄江 五点 剪定の仕上げ確かむ一巡り 冨田 松江 まだ誰も踏まぬ風紋防風摘む 小村 絹子 檜林弘一副主宰の特選句には御染筆の短冊が授与され、鳥雲同人の特選句と互選高得点句にはささやかな賞品が授与されました。続いて副主宰より、丁寧な選評をいただきました。その中で、白岩主宰の『少人数になっても俳句の質は落とさないように』と言われていることを伺いました。このことは肝に銘じる所です。
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令和6年8月号掲載 句会報 |
浜松白魚火会第二十六回総会及び俳句大会 |
清水 京子 |
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令和六年四月二十八日、ホテルクラウンパレス四階「芙蓉の間」に於いて、会員七十余名参加にて標記総会及び俳句大会が開催されました。 続いて、新鋭賞、みづうみ賞の表彰式が行なわれました。 総会及び俳句大会終了後、同日、午後五時から「芙蓉の間」に於いて懇親会が催されました。 |
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令和6年8月号掲載 句会報 |
令和六年度浜松白魚火会吟行記 |
武村 光隆 |
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五月二十五日(土)、浜松白魚火会では恒例の吟行会を開催した。今回の吟行地は三重県桑名市でメインは六華苑。六華苑は桑名の実業家諸戸清六氏の邸宅で大正二年に竣工し、その設計は鹿鳴館も設計したジョサイア・コンドルによるものである。
十時半ころ湾岸長島インターで高速道路を降り、ナガシマスパーランドを対岸に見て最初の吟行地の九華公園に向かう。ここは本多忠勝の居城であった桑名城の跡に作られた公園で、周囲には堀が残っている。公園内で持参したお弁当を食べ、堀にいるたくさんの亀など俳句の材料を見つけ出すのは吟行の良くある風景である。昼食後は揖斐川沿いの堤防を六華苑まで徒歩で移動。広い川幅をゆったりと流れるのを見ながら途中の七里の渡し跡にある、伊勢への第一の鳥居にも立ち寄った。その後はメインの六華苑である。
六華苑は最初に書いた通り大正時代の建物であり、洋館と和館からなっていて贅を尽くした造りである。洋館には曲面ガラスを用いた塔屋があり、また併設された和館は広々とした和室が多く配置され、二代目諸戸清六氏の財力の大きさが窺い知れる。また大きな池を設えた庭園と合わせて優雅な雰囲気を醸し出している。今回は六華苑の南側にある初代諸戸清六氏の庭園をたまたま見学することもできたことは幸運であった。ここは江戸時代から引き継がれた名勝庭園で、巧みに配置された花菖蒲池、来賓接待用の大きな屋敷があり見ごたえたっぷりの場所である。個人的にはこのような初代諸戸清六氏の本邸ならびに六華苑が、大隈重信など政府要人をもてなすのに使用されていたことに納得させられた。
今回の吟行地は浜松から少し距離もあり移動に時間もかかることから句会はせずに、桑名への小旅行の趣であったが十分楽しい時間を過ごすことができた。帰路のバスの中で投句していただいたものを先生方に選句していただいた結果は以下のとおりである。 村上 尚子 特選 |
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令和6年8月号掲載 句会報 |
坑道句会五月例会 |
久家 希世 |
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坑道句会の五月定例句会が、五月二十七日(月)十三名の参加で行われました。小雨が時々降るあいにくの天候の中でしたが、それもまた風情があって良しと車に分乗して出かけました。出雲大社神苑横の駐車場に待ち構えていた地元大社町在住の渡部美知子さんと合流、渡部さんの案内で先ずは出雲大社へ。出雲大社は、「いずもたいしゃ」とほとんどの人が呼びますが、「いづもおおやしろ」が正式の呼び名で国譲りの神話で名高い大国主命が主祭神となっています。
出雲大社参拝・吟行の後、大社漁港と国譲りの神話、神迎の神事で有名な稲佐の浜へと向かいました。大社漁港は、稲佐の浜のある大社湾の奥にあり、県内有数の漁場を控え、一本釣り漁業や小型底びき網漁業、定置網漁業を主とする五十~六十隻の漁船が本拠とする漁港で、今年の白魚火誌の表紙絵の場所でもあります。白魚火誌を手にしながらみんなで絵と合致する場所を探し、記念写真を撮りました。三艘の漁船も船を引っ張り上げているウィンチも全く絵と同じで、みな感激しました。港周辺でしばらく吟行した後、最後の稲佐の浜に向かいましたが、悪天候をもたらした低気圧の影響で、稲佐の浜は風と波が高く、浜へ降りることは諦めて、駐車場から浜を眺めて句作、その後句会場である大社コミュニティセンターへと向かいました。同センターは、昭和十一年大社高等家政女学校校舎として建築され、後に大社中学校校舎として使用され、同中学校が移転後、平成十八年からコミュニティセンターとして使用されているとのことで、木造二階建てでかつての学校の姿をそのまま留め、板張りの廊下を進んだ句会場の研修室は黒板もそのまま残り、生徒に還ったような気持ちで句会を行いました。
句会では、皆さんの力作に目を見張るものがありました。当日発表された句に加え、この日吟行された感動、心に刻まれた景を元に各自作句、推敲を行われ、後日きっとさらに多くの佳句が生まれることでしょう。
渡部美知子 特選 当日の高得点句 当日の一句抄(氏名五十音順) |
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令和6年9月号掲載 句会報 |
きじひき高原・八郎沼吟行会 |
函館白魚火会 内山 実知世 |
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六月二十九日(土)句会単独では初めての吟行会を実施しました。天候に恵まれ、九名が亀田交流プラザ前に集合。二台のタクシーに分乗して、北斗市のきじひき高原へと出発。緑したたる山並、道の駅なないろ・ななえを過ぎ、大野平野の青田、新幹線の函館北斗駅を経由し高原へは一本道です。「きじひき」の由来は、その昔、春先に切り出した丸太を雪解け水とともに滑り落した事が由来で、木地挽山に。平和観音を祀るパノラマ展望台は標高五六〇m。休憩所のある展望広場からの眺望は圧巻でした。 吟行会の一句(五十音順)
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令和6年10月号掲載 句会報 |
坑道句会七月例会 |
小澤 哲世 |
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坑道句会の七月例会が、七月二十二日(月)開催されました。句会会場である元JA北浜店に午前十時に集合、参加者は十二名でした。当日のメインの吟行場所は、句会場から九〇〇m程の出雲市十六島町多井地区にある若宮神社。猛暑の中、車に分乗して出かけました。
本殿、拝殿、摂社をはじめ神域全体が氏子の皆さんによって行き届いた管理がされていて、深く崇敬されていることが伝わり、清々しく気持ちの良い吟行となりました。私も今回、隣村の氏神様をはじめてお参りすることになりましたが、想像以上に高い石段、大きい拝殿、大小の狛犬の数の多さ、急峻な地へ重機のない時代にと往時の人々の苦労と信仰への熱意を偲びました。
当日の句会の結果は、以下のとおりです。 渡部美知子 特選 |
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令和6年12月号掲載 句会報 |
令和六年度栃木県白魚火会第二回鍛錬吟行会 |
齋藤 英子 |
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九月二十九日(日)、鹿沼市に於いて第二回目の鍛錬吟行会が行われた。当日は秋まつりが間近に迫る薄日さす日で吟行日和に恵まれた。参加者は十八名。屋台のまち中央公園掬翠園集合、彫刻屋台展示館で説明を聞き、薬師堂、今宮神社、光太寺等を三々五々吟行した。午後は句会場のまちなか交流プラザに於いて会長の挨拶の後句会となった。句会は七句出句、十句(特選二句)選で行われた。 役員特選句
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