最終更新日(update) 2022.11.01
句会報(R4)
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令和二年栃木県白魚火会秋季俳句会 令和4年2月号掲載
令和三年栃木県白魚火会 秋季俳句大会 令和4年2月号掲載
令和三年栃木白魚火 忘年俳句大会報 令和4年2月号掲載
坑道句会通信句会報 令和4年2月号掲載
栃木白魚火新春俳句大会 令和4年3月号掲載
令和四年度白魚火通巻八百号記念全国大会(東京)吟行地案内 令和4年5月号掲載
栃木県白魚火総会俳句大会報告 令和4年6月号掲載
浜松白魚火会第二十四回総会及び俳句大会 令和4年6月号掲載
白魚火リモート交流会(二年間の活動総括) 令和4年7月号掲載
静岡白魚火 総会記 令和4年8月号掲載
旭川白魚火会句会報 令和4年8月号掲載
令和四年六月坑道句会報 令和4年8月号掲載
令和四年度栃木白魚火夏季俳句大会吟行会 令和4年8月号掲載
浜松白魚火会の吟行 令和4年9月号掲載
令和四年実桜句会総会・吟行会報告 令和4年11月号掲載
令和四年度栃木白魚火 秋季俳句大会吟行会 令和4年12月号掲載

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令和4年2月号掲載 句会報

「仁尾正文先生の句碑」を巡る吟行会開催

浜松クリエート句会 渡辺 強

令和4年2月号へ 

 師走に入った十二月一日、浜松クリエート句会の第二回の吟行句会を実施しました。師走に来ての吟行句会開催は、仁尾先生の「衣手」の句碑の清掃当番に当たり、この機会を吟行会にとの提案により、久し振りの吟行会となりました。
 当日前夜は、冬の低気圧が過ぎて大雨となり、心配はありましたが、奥山方広寺の駐車場に九時に集合して、渥美先生や弓場先生を初め十名の参加にて、挨拶を早々に句碑へ移動し、皆の持参の清掃具にて清掃を行いました。前夜の大雨が枯葉や枯れ枝を搔き消してくれたお蔭でスムーズに丁寧に清掃を済ますことが出来ました。
 吟行は、奥山方広寺境内の思い思いの場所を二時間ほどかけて探索して作句、句会会場に集合し、昼食も素早く済ませ三句投句、五句互選、先生の選評を頂きました。今回、投句の中で全く同じ句が出ると言う珍事も体験をしました。この句は没収となりましたが、良い初体験をしました。句会の終わる頃には冬日がさして、眩しい中での解散となりました。

今日の一句
寒禽や句碑のくぼみに昨夜の雨 絹 代
師の声を集むるやうに落葉搔く 忠 義
浮橋の真中に立ちて冬もみぢ  和 子
山寺に萌ゆるが如き冬紅葉   黄 琢
奥山に枯れし紫陽花十二月   恵津子
朝時雨去り一トンの大鬼瓦   允 男
大寺に薪の積まれ冬紅葉    眞由美
奥山の羅漢の庭に散る紅葉   倶 子
石蕗の花を残して路肩刈る   俊 二
半眼の五百羅漢や十二月     強



令和4年2月号掲載 句会報

令和三年栃木県白魚火会 秋季俳句大会

佐藤 淑子

令和4年2月号へ 

 紅葉の便りが届いてくる小春日和の十一月七日(日)、栃木県白魚火会秋季俳句大会が、宇都宮市中央生涯学習センターに於て開催されました。
 十二時半受付開始、出席者二十八名、直ちに五句出句、句稿作成を行いました。
 次いで開会行事に移り、星田一草会長の挨拶の後、新入会員の中田敏子さん、宇賀神利江さんお二人の紹介がありました。
 続いて、曙同人に推薦された中村國司さんに祝福の花束贈呈を行いました。
 その後、熊倉一彦さんによる記念写真撮影を行い、選句に移りました。選句については冒頭、星揚子さんから十句選、特選一句等の説明がありました。
 披講は、いつも通り松本光子さん、中村國司さんお二人により淀みなく進行し、各自元気に名乗りを上げました。
 選句の結果、最高得点は十七点の星田一草会長、二位は同じく十七点の松本光子さん、三位は十六点の菊池まゆさんでした。表彰は一位から五位までと、飛賞(七位、十一位)の七名に対してなされました。
 その後、星田会長と加茂、齋藤(都)両副会長の選評がありました。
 役員の特選と参加者の当日の一句は次の通りです。

 星田一草 特選
紫蘇の実や母の細かな備忘録 宇賀神利江

 加茂都紀女 特選
手を触るるわれも露けし一都句碑 柴山要作

 齋藤 都 特選
透きとほる時の流れや鳥渡る 田所 ハル

 柴山要作 特選
秋天へきりんの首の五本立ち 上松 陽子

 秋葉咲女 特選
引き抜くや紅鮮やかな新さつま 阿部 晴江

 阿部晴江 特選
秋らしき雲の形となりゆけり 齋藤  都

 星 揚子 特選
影すこし揺れて華やぐ柿すだれ 菊池 まゆ

 熊倉一彦 特選
折紙の重箱に詰む赤のまま 菊池 まゆ

 大野静枝 特選
監督の鋭き気合鵙日和 五十嵐藤重

 田原桂子 特選
握る手を離し駆け寄る猫じやらし 石岡ヒロ子

 中村國司 特選
紫蘇の実や母の細かな備忘録 宇賀神利江

 松本光子 特選
一羽づつ雀下り来て秋惜しむ 星  揚子

 当日の一句(作者名五十音順)
また一葉影を回して銀杏散る    秋葉 咲女
新藁の塚あたらしき影を引く    阿部 晴江
丹波栗よりも大きな栗ひろふ    五十嵐藤重
秋高し鉄塔越しの遠筑波      石岡ヒロ子
刻々と樹影濃くなる秋夕焼     上松 陽子
紫蘇の実や母の細かな備忘録    宇賀神利江
芒原子の声風に混じり来る     江連 江女
蝗捕りてふ学校行事昔あり     大野 静枝
作務衣着て語り部となる文化の日  加茂都紀女
折紙の重箱に詰む赤のまま     菊池 まゆ
石切場抜けて小春を授かりぬ    熊倉 一彦
露草の露に触れ行く車椅子     齋藤 英子
雲はみな西へ急ぎぬ烏瓜      齋藤  都
赤き茎みせて傾く蕎麦は実に    佐藤 淑子
句友より快癒の電話小鳥来る    柴山 要作
米磨ぎの常より柔く今年米     杉山 和美
たもとほる唐招提寺秋の暮     鷹羽 克子
透きとほる時の流れや鳥渡る    田所 ハル
かりんの実凹凸固く意地つぱり   田原 桂子
打ち込める事の幸せ柿紅葉     中田 敏子
名の山も鴨来る沼も三毳かな    中村 國司
ポケモンの切手を求む文化の日   中村 早苗
秋の蝶ふはりと浮きてまた止まる  星  揚子
残菊の姿を矯めて誉めにけり    星田 一草
蛇穴に入る城山に烽火跡      松本 光子
愚痴を言ふつもりが聞いて文化の日 本倉 裕子
草もみぢ鬼怒の流れを細くして   谷田部シツイ
薄墨の会津ぐもりや菊人形     渡辺 加代



令和4年2月号掲載 句会報

令和三年栃木白魚火 忘年俳句大会報

本倉 裕子

令和4年2月号へ 

 今年もまたコロナウイルス感染症に明け暮れた令和三年でしたが、それを締め括る栃木白魚火忘年俳句大会が、十二月五日、二十四名の参加者により栃木県総合文化センターで開催されました。
 ここのところ、一日の感染者は幾分下火にはなって来ていますが、新たなオミクロン株の出現により一段と警戒感が強まっています。
 そんな中、昨年同様三密回避、マスク装着、室内換気等万全を施しての「リアル句会」開催となりました。
 まだまだ全国規模の俳句大会が中止される中で、栃木白魚火の面々が一堂に顔を会わせることが出来たことは大きな喜びでした。
 人と人が触れあうことはやはり人を動かす大きな原動力になることを実感しました。
 出句された作品は各々充実しており、殊に星 揚子さんの「門までをゆつくり父の小春かな」は平明でありながら余韻のある句との評価が高く、会長はじめ大変人気のある一句でした。
 次に曙、鳥雲同人、役員の特選句、並びに全員の作品をご紹介しつつ、栃木白魚火の今後に期待の持てる忘年俳句大会となりましたことをお伝えして、大会報とします。
曙・鳥雲同人・役員特選句
*星田一草 特選
門までをゆつくり父の小春かな 星  揚子

*柴山要作 特選
門までをゆつくり父の小春かな 星  揚子

*中村國司 特選
まつ黒な蒸気機関車銀杏散る 星  揚子

*加茂都紀女 特選
芽麦生ふ野州黒土縞模様 菊池 まゆ

*星 揚子 特選
鵙の贄去年と同じ枝にかな 大野 静枝

*松本光子 特選
綿虫を攫ひし風に手を伸ばす 星田 一草

 秋葉咲女 特選
門までをゆつくり父の小春かな 星  揚子

 阿部晴江 特選
大根の葉ゆさゆさ運ぶ子の笑顔 秋葉 咲女

 熊倉一彦 特選
薙白く光る男体山懸大根 菊池 まゆ

 大野静枝 特選
ポスターをぴんと張り替へ今朝の冬 齋藤 英子

今日の一句(二十四名・五十音順)
子へ繋ぐ妣の手織りの秋袷    秋葉 咲女
譲られし席の温り寒の入     阿部 晴江
書道展早足で見る十二月     石岡ヒロ子
沈思黙考冬泉に鯉尾びれ振る   五十嵐藤重
冬紅葉空新たなる三毳山     上松 陽子
雑踏を繻子のマスクの婦人来る  江連 江女
枯れてゆく古墳の丘や松青し   大野 静枝
初雪の襞川の字の男体山     加茂都紀女
耳朶をゆつくり回す今朝の冬   菊池 まゆ
小さき手の摑み損なふ雪ばんば  熊倉 一彦
少年の投げてとけたる初氷    齋藤 英子
針を持つ指先見つむ一葉忌    佐藤 淑子
術後五年やつと賜はる小春かな  柴山 要作
枇杷の花紺屋の庭に伸子張り   鷹羽 克子
石ころを蹴飛ばしてゐる冬帽子  中田 敏子
まなぶたの重みひとりの日向ぼこ 中村 國司
人込みの中の一人や十二月    中村 早苗
とりどりの錠剤並ぶ置炬燵    奈良部美幸
まつ黒な蒸気機関車銀杏散る   星  揚子
綿虫を攫ひし風に手を伸ばす   星田 一草
蟷螂の影を大きく枯れにけり   松本 光子
奔放に生きて寂聴冬銀河     本倉 裕子
冬菜畑朝日差し込み耀へり    谷田部シツイ
すくと立つ薊一輪返り花     渡辺 加代



令和4年2月号掲載 句会報

坑道句会通信句会報

原  和子

令和4年2月号へ 

 コロナウィルスの影響で集会などが持てぬまま二年が過ぎようとしています。坑道句会も例外にあらず、大事を取って句会を行わずに過ごしてきましたので、昨年に続き、通信句会を持つことにしました。会員三十三名の内、三十名の参加を得、スムーズに終えることができました。選者選は特選無しの十句、一般選は七句と致しました。結果(スペースの都合上、選者選の結果は、五句又は二句のみ抜粋して掲載)は後に記します。
 さて、坑道句会の会員でありました今津保様が三月に、鳥雲作家の渡部幸子様が九月にお亡くなりになりました。今津さんは貴重な男性のお一人で、男性に似合わぬ素敵な俳句を詠まれました。また渡部様は故小林梨花先生の下、坑道句会のために一生懸命尽くしてくださいました。お歳の割にはとてもお元気で、吟行の際にも身軽気軽に私たちをご指導くださるとても明るい方でした。また吟行中、フレーズが次々出てくるという聡明さを持ち合わせていらっしゃいました。そんな大事な方々を失い、私たちはとても悲しい思いをしております。心からお二人のご冥福をお祈りいたします。
 来年の一月には宍道湖畔にあります水鳥公園にて吟行句会を持つ予定です。コロナウィルスが蔓延しないことを願うばかりです。

選者選(掲載は五十音順)
安食 彰彦選
たわわなる柿を残して町しづか  榎並 妙子
夜も更けてかすかに聞こゆ虫の声 清水 順子
悔ひとつ花野の端に捨てにけり  西村 松子
庭師来て夫の残しし松手入    山根 恒子
誌友と行く桜もみぢの喫茶店   杉原 栄子

荒木千都江選
初雁や斐川野小雨に濡れそぼつ 久家 希世
賽銭の硬き音して秋の暮    松村れい子

生馬 明子選
神在の海真つ平ら大入り日   土江 比露
秋澄みて遥かなるかな隠岐の島 樋野美保子

久家 希世選
神様は賑はひが好き秋まつり 大菅たか子
からころと鼻緒柔らか秋深し 山本 絹子

竹元 抽彩選
秋晴や家並寄り添ふ小伊津港 小林 永雄
たをやかな茶畑の畝霧流る  松崎  勝

西村 松子選
木の葉すかせば切絵のごとし秋夕焼 落合 武子
田の色の残る晩稲を刈りにけり   船木 淑子

三原 白鴉選
鉢植ゑの花ほめらるる菊日和 井原 栄子
秋うらら移動販売車が止まる 川谷 文江

渡部美知子選
木犀の小径たどりて師の句碑へ 生馬 明子
その中に人工衛星星月夜    竹元 抽彩

高得点句
 一〇点
秋入日今日がすとんと終はりけり  渡部美知子
 九点
赤とんぼ句碑に日差しのぬくみあり 原  和子
 七点
みづうみは大きな鏡いわし雲    荒木千都江
 六点
家毎に柿の色づく里に住み     生馬 明子
白鳥来河口に旅の羽根濡らし    木村 以佐
巣に残る羽毛の揺れて燕去る    持田 伸恵
遠景に出雲富士置く鴨の群れ    渡部千栄子
 五点
秋惜しむせせらぎに手を遊ばせて  荒木千都江
秋澄むや梵鐘の音の湖渡る     井原 栄子
秋さぶや家解く音の荒々し     木村 以佐
さざ波や一波ひとはに宿る月    小澤 哲世
神迎波のうねりの高くなり     福間 弘子
秋夕焼刈らるるもののみな刈られ  牧野 邦子
稲架襖這ひ上りゆく山の影     三原 白鴉



令和4年3月号掲載 句会報

栃木白魚火新春俳句大会

柴山 要作

令和4年3月号へ 

 去る令和四年一月九日(日)、栃木白魚火新春俳句大会が、栃木県総合文化センターに於いて盛大に開催された。
 オミクロン株感染拡大の中、充分な換気と消毒、ソーシャルディスタンス等の配慮をした上で出席者二十一名の句会となった。
 星田一草会長から、このコロナ禍にあっても俳句を続けることの意義や、季語に対して本意をふまえた上で、新しい角度からの作句を試みたい等、今年の抱負が述べられた。その後、中村國司さんに同人会長就任の祝意を表するとともに、記念写真撮影を行った。
 今大会の出句は五句。選句は会員七句(うち特選一句)、役員、鳥雲・曙作家は十句(うち特選二句)で行われ、総数百五句の中からの選句となった。
 成績上位者には表彰と賞品並びに特選賞が授与された。
 役員の特選句と各々の一句は次の通り。

 星田一草特選
傘寿まだ遊びの途中羽子をつく   加茂都紀女
寒に入るホットミルクの皺を吹く  阿部 晴江

 加茂都紀女特選
裸木となりて銀杏の王者振り    阿部 晴江
板の間に正座し刻む節料理     佐藤 淑子

 齋藤都特選
残照に雲のかがやく淑気かな    松本 光子
水平線徐々にあきらか初日出    江連 江女

 柴山要作特選
百年の梁を軋ませ寒波来る     秋葉 咲女
寒鯉の力抜きたる泡ひとつ     松本 光子

 秋葉咲女特選
吾子等より健在を問ふ初電話    佐藤 淑子
裸木となりて銀杏の王者振り    阿部 晴江

 阿部晴江特選
百年の梁を軋ませ寒波来る     秋葉 咲女
巻き癖を正し広間の初暦      加茂都紀女

 星揚子特選
仕舞風呂に足し湯たつぷり去年今年 菊池 まゆ
外濠のひかりとなりて鴨の陣    阿部 晴江

 熊倉一彦特選
お腹蹴る小さき命と日向ぼこ    石原  緑
手拭で洗ふ母の背初湯殿      中村 早苗

 大野静枝特選
初男体山凧糸ぐぐつと伸びにけり  渡辺 加代
七日粥米一握り研ぎにけり     石岡ヒロ子

 中村國司特選
傘寿まだ遊びの途中羽子をつく   加茂都紀女
隣より煮物の届き年暮るる     谷田部シツイ

 松本光子特選
月かうかう柚子たつぷりと露天風呂 谷田部シツイ
初男体山凧糸ぐぐつと伸びにけり  渡辺 加代

 当日の一句(五十音順)
百年の梁を軋ませ寒波来る       秋葉 咲女
寒に入るホットミルクの皺を吹く    阿部 晴江
七日粥米一握り研ぎにけり       石岡ヒロ子
お腹蹴る小さき命と日向ぼこ      石原  緑
生姜湯や両手で包む母の碗       上松 陽子
水平線徐々にあきらか初日出      江連 江女
ふたごのパンダころころ転がり去年今年 大野 静枝
傘寿まだ遊びの途中羽子をつく     加茂都紀女
大鬼怒川の真夜の鉄橋初列車      菊池 まゆ
喪の家に寒見舞状届きけり       熊倉 一彦
てにをはを決めかねてをり冬の月    齋藤 英子
葛湯吹く失せもの出でし安堵感     齋藤  都
木の枝に鳥の影さす白障子       佐藤 淑子
俄か巫女の手足すらりと初神楽     柴山 要作
コンビニの灯の貫ける去年今年     中村 國司
衝動に駆られ踏みけり霜柱       中村 早苗
鳴き交はす間合ひゆつたり初鴉     星  揚子
泥洗ふ葱変身の白さかな        星田 一草
寒鯉の力抜きたる泡ひとつ       松本 光子
月かうかう柚子たつぷりと露天風呂   谷田部シツイ
初男体山凧糸ぐぐつと伸びにけり    渡辺 加代



令和4年5月号掲載 句会報

令和四年度白魚火通巻八百号記念
全国大会(東京)吟行地案内

白魚火東京句会 岩井 秀明 

令和4年5月号へ 

 東京には沢山の見どころがありますが、十月の新型コロナ感染の不安は残されており、全国大会会場の両国界隈に絞って吟行地をご紹介します。どうか感染症対策などに十分に留意され吟行をお楽しみください。

○すみだ北斎美術館
所要時間一時間、入館料四〇〇円、月曜休館、開館時間午前九時半~午後五時半
 葛飾北斎生誕地に建ち、北斎のアトリエが再現されている。

○横網町公園
所要時間四五分、無料、終日開園
 陸軍被服廠の跡地、関東大震災の犠牲者を慰霊する東京都慰霊堂、東京都復興記念館がある。

○旧安田庭園
所要時間一五分、無料、開園時間午前九時~午後六時
 明治維新後は安田善次郎が所有、江戸時代までは笠間藩の下屋敷。回遊式の大名庭園


旧安田庭園

○国技館・相撲博物館
国技館の一階、博物館はコロナウイルスのため現在臨時休館中
 国技館では年三場所(一月初場所、五月夏場所、九月秋場所)の大相撲が開催される。


国技館

○相撲部屋
 両国付近の主な相撲部屋。力士を目の当たりに見られることもある。
 時津風部屋
   現十七代時津風親方は元前頭筆頭の土佐豊、現在の部屋は双葉山の開設
   主な力士 大関正代
 出羽海部屋
   現十一代出羽ノ海親方は元前頭小城ノ花
   主な力士 大関御嶽海
 春日野部屋
   現春日野親方は元関脇栃乃和歌
   主な力士 前頭碧山、栃ノ心

負まじき角力を寝ものがたり哉 蕪村
憎からぬたかぶり貌の相撲かな 蛇笏

○大高源吾句碑
 両国橋の袂
 大高源吾は赤穂浪士四十七士の一人、宝井其角の門弟の俳人でもある(俳号子葉)。討ち入り前夜に両国橋で其角と遭遇した際の逸話が歌舞伎の演目「松浦の太鼓」にある。

年の瀬や水の流れと人の身は 其角
明日待たるるその宝船    子葉

○回向院
所要時間一〇分、無料、公開時間午前九時~午後四時半
 明暦三年(一六五七年)の大火(振袖火事)の犠牲者を弔うために創建された。回向院は両国と荒川区南千住の回向院があるが、いずれの境内にも鼠小僧次郎吉の墓がある。


回向院正門

 鼠小僧次郎吉は江戸時代後期の盗賊で大名屋敷だけを狙い盗みに入り、貧しい人に施した義賊といわれる。歌舞伎の演目として尾上菊之助の当たり役となっている。


鼠小僧次郎吉の墓

○芥川龍之介生育の地
両国三-二二-一一
 芥川龍之介は中央区明石町の生まれであるが、生後間もなく母の実家芥川家のある両国で育った。

初秋の蝗つかめば柔らかき 龍之介

○本所松坂町公園
両国三-一三-九、所要時間一〇分、無料
 吉良上野介の上屋敷の一部を公園にした。討ち入り当時の吉良邸は今の八〇倍もの広大な屋敷であったとのこと。今は吉良の首洗い井戸や吉良公座像がある。
 吉良家は三河出身の名家で吉良上野介は忠臣蔵では悪役として描かれているが実は名君であったともいわれている。


本所松坂町公園

○東京スカイツリー
所要時間三時間、JR両国駅総武線各駅停車で錦糸町駅乗換、東京メトロ半蔵門線押上下車乗車時間四分、都営地下鉄両国駅前から都営バスで一三分
展望チケット展望回廊+展望デッキのセット券二七〇〇円、営業午前一〇時~午後九時

 会場の第一ホテル両国の客室等からも東京スカイツリーの全景が眺められる。


東京スカイツリー

 このほかにも上野、浅草、皇居、明治神宮など良いところは沢山ありますが、平成二七年六月号の東京大会のご案内を参照下さい。なお、両国界隈には「ちゃんこ料理」屋が軒を連ねています。新型コロナの状況が落ち着いていましたら、店の営業状況等をご確認されたうえで是非ご賞味下さい。



令和4年6月号掲載 句会報

栃木県白魚火総会俳句大会報告

石岡ヒロ子

令和4年6月号へ 

 令和四年度の栃木県白魚火総会・俳句大会が四月十日(日)、宇都宮市西生涯学習センターにおいて、二十四名出席のもと開催されました。
 総会では、初めに星田一草会長の挨拶があり、次に柴山幹事長のコロナ禍で変更のあった行事報告がありました。続いて決算報告・監査報告、令和四年度の行事予定、会費改定・予算案の審議承認があり、役員改選の後、俳句大会に移りました。
 俳句大会は、五句投句、十句選(うち特選二句)で実施されました。本年度最初の俳句大会でしたが、選句に苦労する秀句ぞろいでした。表彰は一位から五位、飛賞二名の七名で、すばらしい賞品に、受賞者の笑顔が満開でした。
 役員の特選句は、次のとおりです。

 星田一草 選
蝮蛇草きりりと前を向いてをり  奈良部美幸
(そそ)ぐ茶に色を深むる甘茶仏    中村 早苗

 柴山要作 選
子と並び辞書それぞれに春炬燵  石岡ヒロ子
遠筑波背を伸ばしては芋植うる  谷田部シツイ

 加茂都紀女 選
シャツ腰に闊歩の嫗花菜風    柴山 要作
春風が眠り薬を置いてゆく    齋藤  都

 齋藤 都 選
恐竜のやうな重機や蝶こゆる   田所 ハル
県道の中心線へ花の塵      中村 國司

 星 揚子 選
大様に揺れてミモザの風を生む  星田 一草
我町の銀座通りに燕来る     渡辺 加代

 熊倉一彦 選
春風が眠り薬を置いてゆく    齋藤  都
初蝶やずしりと受くる白魚火誌  本倉 裕子

 本倉裕子 選
一瞬に空奪ひたる桜かな     熊倉 一彦
花の山フル回転の観覧車     石岡ヒロ子

 秋葉咲女 選
堰越えて列正しうす花筏     柴山 要作
夏めくや日時計がまた動き出す  齋藤  都

 阿部晴江 選
龍天に登り鯉の尾跳ね返る    松本 光子
春風が眠り薬を置いてゆく    齋藤  都

 大野静枝 選
散る桜住宅街の開拓碑      上松 陽子
我町の銀座通りに燕来る     渡辺 加代

 渡辺加代 選
激辛の御煎(おせん)蛙の目借時      松本 光子
一瞬に空奪ひたる桜かな     熊倉 一彦

 中村國司 選
蝮蛇草きりりと前を向いてをり  奈良部美幸
夏めくや日時計がまた動き出す  齋藤  都

松本光子 選
恐竜のやうな重機や蝶こゆる   田所 ハル
よちよちと鳩の影追ふ日永かな  齋藤 英子

 当日の一句
石蔵に米の書付花明り      秋葉 咲女
山門を闇に沈めて春の月     阿部 晴江
潮干狩どの子も波に尻濡らす   石岡ヒロ子
夕桜氏神さまに灯の点る     上松 陽子
三輪車の轍くつきり花の塵    江連 江女
北窓を開け掛け物を変へ誕生日  大野 静枝
桜舞ふ隅田川(すみだ)に架かる十二橋   加茂都紀女
ポンと手で叩く山椒の芽の香かな 菊池 まゆ
一瞬に空奪ひたる桜かな     熊倉 一彦
よちよちと鳩の影追ふ日永かな  齋藤 英子
夏めくや日時計がまた動き出す  齋藤  都
栃の芽の鏃となりて天を突く   佐藤 淑子
供へたる草団子の香妣笑める   柴山 要作
花楓影を映して神の池      鷹羽 克子
恐竜のやうな重機や蝶こゆる   田所 ハル
県道の中心線へ花の塵      中村 國司
春の闇墨磨る音の柔らかし    中村 早苗
蝮蛇草きりりと前を向いてをり  奈良部美幸
ひんやりと枝の切り口春夕べ   星  揚子
夕さりて散りゆく花の白さかな  星田 一草
野に遊ぶいちばんの歌詞くり返し 松本 光子
初蝶やずしりと受くる白魚火誌  本倉 裕子
遠筑波背を伸ばしては芋植うる  谷田部シツイ
荷をとけば母の匂ひや花の頃   渡辺 加代


令和4年6月号掲載 句会報

浜松白魚火会第二十四回総会及び俳句大会

渡辺 強

令和4年6月号へ 

 コロナ禍により総会が二年間中止となりましたが、今年度は令和四年四月二十四日アクトシティ浜松コングレンスセンターに於いて、会員六十余名参加にて開催いたしました。
 令和三年度の活動報告、会計報告、会長退任に伴う役員改選、令和四年度の活動報告案、予算案など満場一致で承認を戴きました。
 浜松白魚火会は、仁尾正文元主宰の下発足して以来三十四年の歴史を刻みます。この度は女性初の会長となられました阿部芙美子新会長から「若返った新役員で、今後の浜松白魚火会の発展と活動に会員の皆様と共に邁進する」と力強いご挨拶を戴きました。

新役員
会 長  阿部芙美子
副会長  山田 眞二  林  浩世
幹事長  髙部 宗夫
副幹事長 古橋 清隆
会 計  齋藤 文子
同補佐  坂田 吉康
監 査  鈴木 利久  高井 弘子

 続いて、白魚火賞・みづうみ賞・八百号記念作品など各賞の受賞者の表彰を行いました。

白魚火賞    浅井 勝子
同人賞     青木いく代
みづうみ賞   齋藤 文子
 同 秀作賞  青木いく代
 同 秀作賞  浅井 勝子
 同 秀作賞  宇於崎桂子
 同 奨励賞  山田 眞二
八百号記念各賞
 随筆賞佳作  塩野 昌治
  同 佳作  山田 眞二
 俳句賞秀作賞 浅井 勝子
  同 秀作賞 大村 泰子
  同 秀作賞 塩野 昌治
  同 秀作賞 林  浩世
  同 佳作  坂田 吉康
  同 佳作  松山記代美

 今俳句大会は行事部の全国俳句大会のシステムの試行を兼ね、プロジェクター二台を配し、スクリーンに俳句を投影しながらの披講でした。初めての試みで戸惑う事もありましたが、無事に終えることが出来ました。
 俳句大会は選者の主宰他五名と参加者による互選を行って特選句及び高得点句を表彰致しました。(特選五句、入選十句選)
 各選者の特選は以下のとおり。なお、投句数は二百四句(一人二句)

白岩 敏秀選
一位
春服に似合ふ帽子を選びをり   溝口 正泰
二位
衣手の句碑に日の差す初桜    福田  勇
三位
風花やよき名のそろふ薦被り   鈴木 利久
四位
帰る鴨伊吹嶺越えてより速し   大村 泰子
五位
クロッカス自画像の皺塗りつぶし 高田 茂子

黒崎 治夫選
一位
衣手の句碑に日の差す初桜    福田  勇
二位
木村屋のあんぱんふたつ春惜しむ 武村 光隆
三位
開け放つ艇庫の扉春日差す    田渕たま子
四位
草芳しバケツに搾る山羊の乳   佐藤陸前子
五位
小国鶏せうこくの長き尾を巻く春の雪   高井 弘子

村上 尚子選
一位
初蕨束ね朝市動き出す      大村 泰子
二位
草芳しバケツに搾る山羊の乳   佐藤陸前子
三位
地球儀にかざすルーペや霾ぐもり 阿部芙美子
四位
小国鶏せうこくの長き尾を巻く春の雪   高井 弘子
五位
遠足の声に駝鳥の首伸ばす    青木いく代

渥美 絹代選
一位
遠足の声に駝鳥の首伸ばす    青木いく代
二位
遊園地の楽の音とどき麦青む   鈴木けい子
三位
天神の絵馬からからと鳥帰る   村上  修
四位
初蕨束ね朝市動き出す      大村 泰子
五位
影踏みの春泥ふんでしまひけり  林  浩世

野沢 建代選
一位
衣手の句碑に日の差す初桜    福田  勇
二位
風花やよき名のそろふ薦被り   鈴木 利久
三位
啓蟄の農機具小屋に風入るる   坂田 吉康
四位
畑打やをりをり届く山羊のこゑ  安澤 啓子
五位
飛行機雲のびて建国記念の日   山本 狸庵

大澄 滋世選
一位
風花やよき名のそろふ薦被り   鈴木 利久
二位
衣手の句碑に日の差す初桜    福田  勇
三位
正文さんの貌ちかぢかと春の闇  黒崎 治夫
四位
草芳しバケツに搾る山羊の乳   佐藤陸前子
五位
畑打やをりをり届く山羊のこゑ  安澤 啓子

互選高得点句
七点句
衣手の句碑に日の差す初桜    福田  勇
五点句
村ひとつ朧の中に息づきぬ    鈴木  誠
四点句
根の絡む杉の千年風光る     西沢三千代
朝桜ひかりの中に山羊の声    弓場 忠義
地球儀にかざすルーペや霾ぐもり 阿部芙美子



令和4年7月号掲載 句会報

白魚火リモート交流会(二年間の活動総括)

幹事 中村國司、檜林弘一

令和4年7月号へ 

 令和二年七月より、ZOOMによるリモート交流会が発足し、月二回の定例会を休むことなく継続してきた。ここで、これまでの活動の成果や課題などを整理して、今後の活動に生かしていきたい。
一 活動の振り返り/トピックス
 ①第一段階(令和二年七月~十二月)
 ・コロナウイルスの蔓延により札幌鍛錬会が中止となり、代替案をと模索していたが、北海道の会員に声掛けしたところ前向きな意見をいただいたので、鍛錬会関係者とともにZOOMによる交流会にトライすることとなった。この企画については、主宰、編集長の強力な後押しもあり、六月中旬、北海道、東京、浜松、名古屋、島根などを結んで十一名によるトライアル会合を開き、企画の趣旨や今後の進め方につき検討を行った。
 ・第一回交流会は令和二年七月に開催された。参加者は十三名であった。浜松の安藤さん、広島の材木さんの若手二名も参加され、兼題「海水浴」、席題「香水」の句会を実施し、なんとかリモート句会実現の方向性を確認した。
 ・以後、兼題一句、雑詠二句で月二回の句会を実施し、徐々に参加者も増加していった。特筆すべきは、パソコンに不慣れな方もパソコンを新規購入されて、現在も意欲的に継続参加されていることである。要はIT技術保有の有無は関係なく、「参加意欲」があるかどうかに帰着することが証明された。
 ・初年度は、会員同士の繋がりを深めていくことも主眼におき、納涼会や個別テーマの対話会、忘年句会においては、ビンゴゲーム、年間得点ランキング発表などの余興を交えて交流を深めていった。年末の参加者は十七名となっていた。
 ②第二段階(令和三年一月~十二月)
 ・令和三年初句会より待望の白岩主宰が参加された。主宰は、近くの電機店を巻き込んでパソコンとZOOMをすばやくマスターされたそうである。当面は御多忙のなか、月一回の参加により選句、ご指導を願うこととした。主宰の参加により、一段と引き締まった句会となっていった。
 ・半年後には、参加者が二十一名に増加し、所用時間が三時間近くになった。合評などの中身が薄まることと、パソコン画面を長時間見ることの疲れもあり、十名ずつの二つのグループ分けを行うこととした。主宰には開催毎にどちらかの句会でご指導をいただくこととした。
 ③第三段階(令和三年十二月~現在)
 ・令和三年の秋口には参加者が二十五名を超えてきたので、四つのグループ分けを行うこととした。六~七名/グループの句会とし、三句投句で、十分な合評時間をとり、約一時間半程度の句会となった。会員からは充実感の声も聞かれている。さらに四つの個別句会終了後、全員一同に会した総評の時間を三十分ほど設けている。ここでは各句会で発生した課題などを報告するとともに、主宰との質疑応答も行われている。
二 成果と課題
 ・全国各地の句友と月二回画面上で句会ができることは、これまでなかったことであり、地域間の俳句の考え方や句作への取り組みの微妙な違いを知ることができ、新鮮な刺激を貰える場となっている。
 ・主宰の参加により、主宰の生の声を頻繁に聞け、白魚火俳句の考え方を学ぶ場になっている。
 ・これまで疎遠だった方同士も、この会をきっかけとして交流を深めることができている。
 ・札幌地区においては有志でZOOM句会を立ち上げられた。各地でこういった動きが出てくることを期待したい。今後もこういった活動には強力な支援をしていきたい。
 ・ZOOM活用は行事部の会議にも展開され、これまで集合して行っていた会議をリモートで効率的に行い、成果を出している。
 ・さらなる拡大を目指したいところだが、現状は二十五名程度にとどまっており、参加者のハードルをさげる方策を考えていきたい。
三 本会における主宰のコメント抜粋
 ・デッサン力は基本技術である。まずは十年でデッサン力をきっちりと磨くこと。必ず脱皮できる。
 ・消しゴムで直せるような安易な俳句は作らない。
 ・読者にわかる俳句をつくる。わがまま俳句は不要。わかる日本語を使う。
 ・文法をきっちりと作句することは、立ち姿のよい俳句を作る。
 ・仲良しサロンになってはならない。ある意味、たたき合う場でもある。鍛える場=成長の場でもある。
 ・自己の俳句力の伸びた人は後輩の指導にあたる努力が必要である。
 等々
四 今後の方針
 コロナ禍がいまだくすぶる中、当面はもとの時代には戻れない。リモートによる各種の結社活動は今後も必須である。リモート句会はコロナ禍だからやるのではなく、今後の結社内の会員の交流や繋がりを深めるための必須のツールであると位置づけていきたい。おりしも白魚火は八百号という道標を通過した。九百号に向かって今以上に地域間、会員間の結束を強化していく必要がある。その一助としてリモート交流会を推進していきたいと考えている。皆様の積極的なご参加をお待ちしています。入会に関する各種サポートは随時行っています。


令和4年8月号掲載 句会報

静岡白魚火 総会記

大塚 澄江

令和4年8月号へ 

 目に鮮やかな新緑の美しい牧之原台地が、一番茶の収穫を終えた五月十五日。未だ終息の見えないコロナ禍の中、開催が危ぶまれましたが、二十五名の会員の出席をいただき、令和四年度の静岡白魚火総会・俳句大会を開催することができました。顧問で副主宰の檜林弘一氏につきましては、他県にお住まいのため、コロナ対策で昨年に引き続き、誌上にて御参加いただきました。
 また、開会に先立ち、去る五月十三日に逝去された会員の大石美枝子様の御冥福をお祈りし、黙祷を捧げました。

一 総会
 令和三年度事業報告、会計報告、監査報告の後、令和四年度予算案及び事業計画案が承認されました。
 また、かねてより提案されていた勝間句会、つつじ句会が統合され、勝間田句会となることが報告されました。
 続いて、田部井いつ子さんの鳥雲同人昇格祝いが行われましたが、コロナ感染防止のため、祝賀行事は中止し、記念品の蘭の鉢植えが贈られました。

二 俳句大会
 三十名(うち不在五名)の事前応募句より互選、代表選が行われました。

 鈴木三都夫名誉会長作品
慰めに摘みし土筆を手に余す
花の宴「お茶前」といふ骨休め
西行の命の峠茶の芽立つ

 檜林弘一副主宰作品
佐保姫の延べたる空と思ひけり
春水の空を映して空を恋ふ
吊橋の揺るる向かうに山笑ふ

 鈴木三都夫名誉会長選 特選
このあたり同じ名字や燕の巣     辻 すみよ
子と摘みしたんぽぽ供花に加へけり  坂下 昇子
影連れておたまじやくしが浮かび来る 坂下 昇子
初蝶のおろしたてなる羽の色     坂下 昇子
振り売りの声の懐かし春の路地    大石美枝子

 檜林弘一副主宰 特選
春の潮零して海女の背負籠      小林 絹子
迷ひなき剪定の音空に抜け      大石登美恵
吹抜けの梁より垂るる吊し雛     滝口 初枝
春耕の暮色にまぎれ鍬洗ふ      落合 勝子
影連れておたまじやくしが浮かび来る 坂下 昇子

 鈴木名誉会長の特選には、ご染筆の色紙が授与されました。
 檜林弘一副主宰の特選、鳥雲同人の特選、互選高得点句には、賞品が授与されました。
 最後に、鈴木名誉会長から特選句への丁寧な御講評をいただきました。
 また、講話の中で、コロナ禍の中、思うように吟行に行くことができないため、これまで訪れた吟行地を思い出し、自分に席題を課して作るのも良い、とのご指導がありました。

 鳥雲同人特選及び当日の互選高得点句は以下のとおりです。

 鳥雲同人選 特選
 本杉郁代選

囀の海に零れし沖灯台     田部井いつ子
迷ひなき剪定の音空に抜け   大石登美恵
かたくりに小糠雨とて重からむ 柴田まさ江

 小村絹子選 特選
影連れておたまじゃくしが浮かび来る 坂下 昇子
このあたり同じ名字や燕の巣     辻 すみよ
風と和し風に抗ひ鳥帰る       相澤よし子

 坂下昇子選 特選
花に雨雫が花を引つ張りぬ  山西 悦子
迷ひなき剪定の音空に抜け  大石登美恵
このあたり同じ名字や燕の巣 辻 すみよ

 辻すみよ選 特選
初蝶のおろしたてなる羽の色 坂下 昇子
入学の一人暮らしの一人っ子 大石美千代
迷ひなき剪定の音空に抜け  大石登美恵

 横田じゅんこ選 特選
干せば早浜は風あり海苔簀子  山田ヨシコ
田を搔くや里のいづこも水の音 大石 益江
風と和し風に抗ひ鳥帰る    相澤よし子

 大塚澄江選 特選
子と摘みしたんぽぽ供花に加へけり 坂下 昇子
風と和し風に抗ひ鳥帰る      相澤よし子
春野行くこころの扉全開に     横田じゅんこ

 田部井いつ子選 特選
初蝶のおろしたてなる羽の色 坂下 昇子
迷ひなき剪定の音空に抜け  大石登美恵
初ざくら音楽堂の窓ひらく  横田じゅんこ

 互選高得点句
迷ひなき剪定の音空に抜け   大石登美恵
春の潮零して海女の背負籠   小林 絹子
かたくりに小粒雨とて重からむ 柴田まさ江



令和4年8月号掲載 句会報

旭川白魚火会句会報

吉川 紀子

令和4年8月号へ 

 六月二五日(土)、旭川白魚火句会の例会がありました。当日は、句会のメンバーのうち、結婚、出産などで忙しかった若手のホープ三名プラス赤ちゃんが久しぶりに来てくれ、句会が賑わったので、お便りさせていただきました。
 この日は、句会の最初に平春奈さん(旧姓富樫春奈さん)の結婚の御祝いをささやかですが、みんなでしました。仕事に新家庭に忙しい中で幸せいっぱいの春奈さん、句会ではフレッシュな句をたくさん披露してくれ、とても新鮮な刺激をもらいました。
 そしてもうひとつ、この日は浅井まこと、ゆうこ夫妻が赤ちゃんを連れて参加をしてくれ、こちらもみんな大喜び!ママのおっぱいをごくごく飲みながら、おなか一杯になったら、乳母車でスヤスヤお昼寝。ゆうこママは、おっぱいをあげながら、清記したり、選句したりを器用にこなし、ぐずりだしたら、まことパパがおぶったり、抱っこしたり、まさに夫婦二人三脚の素晴らしい連係プレーにじいちゃん、ばあちゃん組の私達は、微笑ましく見守りながら、懐かしさと元気をもらい、とても楽しく、なごやかな句会を過ごしました。
この三人プラス赤ちゃんのおかげで、旭川白魚火会の平均年齢は大いに若返りました!


平春奈さん

 当日の一句(五十音順)
父の日や父になつたと自覚する  浅井まこと
バイバイは右手同士で桜の実   浅井ゆう子
相槌を打つ白玉を食みながら   小林さつき
けん玉のくるくるぐるん風薫る  平  春奈
万緑やダムは太古の色湛へ    沼澤 敏美
人の名を思ひ出せずに髪洗ふ   萩原 峯子
ぶらさげて媼の嬉々と蛇の衣   平間 純一
次のことば待つまでの黙合歓の花 吉川 紀子


平春奈さんと浅井夫妻



令和4年8月号掲載 句会報

令和四年六月坑道句会報

樋野 美保子

令和4年8月号へ 

 コロナウイルスにより三年間開催を見合わせていた坑道句会ですが、ワクチン接種も四回目が始まり、感染状況も落ち着いてきたところから、六月二十七日(月)北浜、十六島周辺を吟行地として再開の運びとなりました。梅雨明け前のはっきりしない天候に気をもみましたが、幸い良い方にずれ、前日は風が強く、荒れていた海も凪いで、少し蒸し暑い一日ながら、心配していた雨も降ることもなく、開催することができました。
 当日の参加者は、コロナウイルスや猛暑の影響か十四名とやや寂しいものとなり、また、北浜句会の大先輩で、北浜句会を支えて下さいました渡部幸子さんが昨年亡くなられ、お顔の見えないことを淋しく思いましたが、今回新しく二名の方の参加があり、今後の希望も感じることができた句会となりました。
 今回参加者の中には、北浜や十六島風車公園に来るのが初めての方もいて、湾を囲む四方の山々の若葉の輝き、どこまでも真っ青な風車公園からの日本海の眺めに魅了された様子で熱心に吟行され、午後一時過ぎから開催された句会ではそれぞれ素晴らしい作品が出句されました。

当日の結果
 渡部美知子 特選(順不同、以下同)

夏蝶の海の青へと飛び出せり 三原 白鴉
紺碧の沖のふくらみ梅雨晴間 荒木千都江
野に岸に六月の草逞しく   荒木千都江
青岬小舟は白き点となり   生馬 明子
大祓の看板を立て浦の宮   原  和子

 荒木 千都江 特選
夏の海山影浮かべ真つ平ら  小澤 哲世
朝凪や出船の水脈の末広に  樋野美保子
万緑を映し一湾波光る    樋野美保子
坂道を下りて広ごる夏の海  小澤 哲世
夏蝶の海の青へと飛び出せり 三原 白鴉

 生馬 明子 特選
水尾と水尾どんとぶつかる夏の海 荒木千都江
釣糸を投ぐ夏帽子押さへつつ   樋野美保子
朝凪に漁師一人の出船かな    福間 弘子
夏空をぐいと押し上げ水平線   久家 希世
夏蝶の海の青へと飛び出せり   三原 白鴉

 久家 希世 特選
大祓の看板を立て浦の宮    原  和子
大青嶺風車のどれもよく回る  渡部美知子
あいの風光る瓦の八十戸    小澤 哲世
白南風や新船の名は「海夢丸」 生馬 明子
幸子さん句会ですよー夏の海  大菅たか子

 三原 白鴉 特選
青岬小舟は白き点となり    生馬 明子
青葉道縫うて風車に会ひに行く 渡部美知子
万緑を映し一湾波光る     樋野美保子
一湾の対岸隠す夏の霧     樋野美保子
白南風や新船の名は「海夢丸」 生馬 明子

当日の高得点句
 十点

青岬小舟は白き点となり    生馬 明子
夏蝶の海の青へと飛び出せり  三原 白鴉
 七点
白南風や新船の名は「海夢丸」 生馬 明子
網繕ふ海の男の日焼顔     藤田 眞美
 六点
夏空をぐいと押し上げ水平線  久家 希世
大祓の看板を立て浦の宮    原  和子
朝凪や出船の水脈の末広に   樋野美保子
万緑を映し一湾波光る     樋野美保子
青葉道縫うて風車に会ひに行く 渡部美知子

当日の一句抄(氏名五十音順)
水尾と水尾どんとぶつかる夏の海  荒木千都江
ひねもすを何のおしやべり海猫二百 生馬 明子
海風に回る風車や夏あざみ     生間 幸美
あの辺り海霧に隠るる隠岐の島   井原 栄子
幸子さん句会ですよー夏の海    大菅たか子
青葉から活力もらふ八十路かな   落合 武子
夏空をぐいと押し上げ水平線    久家 希世
坂道を下りて広ごる夏の海     小澤 哲世
鱚釣りの竿を三本仕掛けたり    原  和子
朝凪や出船の水脈の末広に     樋野美保子
朝凪に漁師一人の出船かな     福間 弘子
網繕ふ海の男の日焼顔       藤田 眞美
海猫一羽翔つて万羽を飛び立たす  三原 白鴉
海鳥の騒ぐ埠頭や旱梅雨      渡部美知子



令和4年8月号掲載 句会報

令和四年度栃木白魚火夏季俳句大会吟行会

星  揚子

令和4年8月号へ 

 六月十九日(日)、宇都宮市の中心部にある二荒山神社、蕪村句碑、蒲生神社の吟行俳句会が行われた。前回は令和元年十一月十日(野木町、小山市)であったので、実に二年七か月振りである。コロナ禍で句会中止や紙上句会になっていたので、久々の吟行句会は参加者も前回と同じ二十名を数え、皆で吟行ができる喜びを感じた。
 宇都宮の二荒山神社は下野国一之宮といわれ、正面西側の女坂を上っていくと与謝蕪村の句碑がある。蕪村は「宇都宮歳旦帖」を編纂するが、それまでの俳号「宰鳥」を「蕪村」と改めたのであった。その歳旦帖に二荒山神社を詠んだ「鶏は羽にはつねをうつの宮柱 宰鳥」があり、それが句碑になっている。
 蒲生神社は寛政の三奇人と言われる蒲生君平を祀っている。入口には栃木県出身の横綱栃木山の寄進による大鳥居が、社殿の前には初代横綱の明石志賀之助の石碑がある。
 この日は梅雨最中で雨が心配されたが、前日に予報が晴れに変わり、逆に暑さに注意するほどの上天気となった。
 午前中に吟行。午後、五句出句、十句選(うち二句特選)で句会は進められ、最後に星田一草顧問、柴山要作会長、加茂都紀女副会長の選評をいただき、予定通りの終了となった。

役員の特選句
 星田一草 選

万緑に融くるが如く吟行す    熊倉 一彦
木下闇錠前かたき神輿蔵     松本 光子
 柴山要作 選
柏手の澄みゆく音や青葉風    渡辺 加代
薫風や宰鳥句碑を探り読む    加茂都紀女
 加茂都紀女 選
緑蔭や重なる絵馬のしづかなり  江連 江女
高欄の擬宝珠磨かれ風薫る    江連 江女
 星 揚子 選
俳句手帳に蟻降る故郷一の宮   中村 國司
宰鳥碑朝を咲き継ぐ夏椿     星田 一草
 熊倉一彦 選
木下闇錠前かたき神輿蔵     松本 光子
老鶯や英語と和語の独立碑    星  揚子
 本倉裕子 選
鳥のこゑ濡れてをるなり梅雨晴間 阿部 晴江
万緑に融くるが如く吟行す    熊倉 一彦
 秋葉咲女 選
狛犬に吠えられさうや梅雨の晴  江連 江女
吟行の列のろのろと夏帽子    中村 早苗
 阿部晴江 選
万緑や両家総出の宮参り     柴山 要作
緑さす酒樽並ぶ神楽殿      中村 早苗
 大野静枝 選
嬰児の澄みし瞳に夏木立     石岡ヒロ子
吟行の列のろのろと夏帽子    中村 早苗
 渡辺加代 選
青嵐や跳ぬる神馬の紋所     松本 光子
手の平に包みて小振り夏椿    奈良部美幸
 中村國司 選
蕪村句碑落ちて久しき夏椿    渡辺 加代
喉鳴らし鳩の近づく梅雨晴間   星  揚子
 松本光子 選
喉鳴らし鳩の近づく梅雨晴間   星  揚子
紫陽花の雫を肩に女坂      本倉 裕子

 当日の一句
狛犬の口より結ぶ蜘蛛の糸    秋葉 咲女
鳥のこゑ濡れてをるなり梅雨晴間 阿部 晴江
嬰児の澄みし瞳に夏木立     石岡ヒロ子
緑蔭や重なる絵馬のしづかなり  江連 江女
鰹木に菊の御紋や夏木立     大野 静枝
落ちさうで落ちぬ病葉朱を極む  加茂都紀女
万緑や駆け出さんとす神馬像   菊池 まゆ
万緑に融くるが如く吟行す    熊倉 一彦
二荒山の鳥居涼しく潜りけり   齋藤 英子
千余年の社の杜や緑燃ゆ     佐藤 淑子
青葉漏る美しき日の班や蕪村句碑 柴山 要作
にはたづみなせる土俵場捩れ花  中村 國司
吟行の列のろのろと夏帽子    中村 早苗
手の平に包みて小振り夏椿    奈良部美幸
宰鳥碑朝を咲き継ぐ夏椿     星田 一草
木下闇錠前かたき神輿蔵     松本 光子
涼しさや文字の律儀な絵馬並ぶ  本倉 裕子
若楓青空透ける女坂       谷田部シツイ
柏手の澄みゆく音や青葉風    渡辺 加代
喉鳴らし鳩の近づく梅雨晴間   星  揚子



令和4年9月号掲載 句会報

浜松白魚火会の吟行

山田 眞二

令和4年9月号へ 

 まだまだ予断を許さないコロナ禍ではありますが、そんな憂うつな気持ちを吹き払う風を求めて、浜松白魚火会では、令和四年六月二十六日(日)、吟行を行いました。
 三年ぶりとなった今回の吟行は、新役員会が主催したものです。場所は、二〇一七年のNHK大河ドラマ「女城主直虎」の舞台となった井伊谷の最寄り駅である天竜浜名湖鉄道『気賀駅』周辺。句会場は、ドラマ館であった『みをつくし文化会館』としました。参加費用は、弁当代込みで総額千円。
 参加した約七十人は、気賀関所や神社・仏閣等を思い思いに巡り句作しました。
 句会では、会の顧問である黒崎治夫先生から、仁尾正文前主宰の思い出話が披露されるなど、終始和やかで楽しいものとなりました。
 なお、七月三日付け静岡新聞に、当日の吟行及び句会の模様が写真入りで紹介されました。

 

代表選者選
黒崎治夫 特選

一位
 田から田へみづうみの風日雀鳴く 渥美 絹代
二位
 夏霧の姫街道を塞ぎけり     齋藤 文子
三位
 浜名湖の風呼んでゐる花みかん  村上 尚子
四位
 ががんぼの黒塀抜くる関所かな  古橋 清隆
五位
 青田波井伊家の井戸の小さくて  砂間 達也

村上尚子 特選
一位
 青田風無人の駅の時刻表     有本 和子
二位
 遠雷や潮満ちてくる澪標     有本 和子
三位
 田から田へみづうみの風日雀鳴く 渥美 絹代
四位
 夏つばめ姫街道を過りけり    黒崎 治夫
五位
 気賀駅の赤き天幕夏つばめ    花輪 宏子

渥美絹代 特選
一位
 みをつくし橋に遠雷ひとつ聞く     高田 茂子
二位
 銅鐸を鳴らせば揺るる濃紫陽花     青木いく代
三位
 みづうみに鳶の輪低く五月晴      鈴木 利久
四位
 みなみ吹くがくんと止まるジーゼルカー 塩野 昌治
五位
 浜名湖の卯波寄せくるみをつくし    藤井 倶子

弓場忠義 特選
一位
 八畳の女改め黴匂ふ       野沢 建代
二位
 田から田へみづうみの風日雀鳴く 渥美 絹代
三位
 銅鐸を打てば古代の音涼し    塩野 昌治
四位
 みをつくし舟虫の散る湖平ら   阿部芙美子
五位
 枕木のタール剝れり梅雨の駅   中村喜久子

野沢建代 特選
一位
 梅雨晴や気賀の関所の姫の籠 錦織 惠子
二位
 一鉢の天に伸びゆく藺草かな 磯野 陽子
三位
 遠雷や潮満ちてくる澪標   有本 和子
四位
 宿札は江戸期の匂ひ梅の雨  坂田 吉康
五位
 銅鐸の涼しき音色気賀の関  大澄 滋世

大村泰子 特選
一位
 夏つばめ姫街道を過りけり    黒崎 治夫
二位
 田から田へみづうみの風日雀鳴く 渥美 絹代
三位
 地震の神祀る社や蛇の衣     林  浩世
四位
 梅雨茸や江戸の古道は人の幅   林  浩世
五位
 みをつくし橋に遠雷ひとつ聞く  高田 茂子

互選一位
銅鐸を打てば古代の音涼し  塩野 昌治



令和4年11月号掲載 句会報

令和四年実桜句会総会・吟行会報告

斉藤 妙子

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総 会
 七月二十五日(月)、二十六日(火)、札幌北電二条クラブにおいて三年振りの実桜句会総会・吟行会が札幌で行われました。今年の担当は苫小牧です。
 北見、旭川、札幌、苫小牧の会員の他札幌在住の山羽法子さんが加わり、十七名で一泊二日で行いました。
 総会は、最初に今年一月に亡くなられた大村キヌ子さんのご逝去を悼み黙禱。その後会計報告、活動報告、実桜句会の今後のあり方について、和やかな雰囲気で議事が進められました。今後のあり方については、
・会員を増やさなければならないこと
・郵便事情による今後の句会のあり方
・実桜句会でもリモート句会に挑戦してみよう
・来年度の総会から各地区持ち回りではなく実行委員を募って札幌で行う
と言ったことが話し合われ、前向きに皆が楽しく句会が出来るよう話し合いがされました。

吟行会
七月二十五日(月)
 午後一時に集合、早速会場の札幌北電二条クラブを出ると、札幌の喧騒の中にも昔からの自然が沢山残っていて、その中に特に大きな胡桃の木があり、早速駆け寄り句材を拾う皆さんの活気が伝わってきました。また、その先には北海道神宮等があり、思い思いに訪ねては北海道の夏を詠みこんでいました。午後三時から初日の句会が行われました。

会館を守りし大木青胡桃    成田 哲子
青胡桃鎮守の杜の朝の風    野浪いずみ
指先へ香りを移す青胡桃    斉藤 妙子
炎昼の空へカーンカーン時計台 服部 若葉

金田野歩女 特選
気象台にお天気広場四葩咲く  高田 喜代
千木の先奪ひ合ひたる初とんぼ 浅野 数方
町裏の三辻四辻や青胡桃    市川 節子

奥野津矢子 特選
剥き出しの梁は水楢夏館    石田 千穂
合歓の花餡のはみ出す最中かな 山羽 法子
飛石は子らの遊び場水すまし  佐藤 琴美

西田美木子 特選
赤信号片蔭で待つ盲導犬   小杉 好恵
飛石は子らの遊び場水すまし 佐藤 琴美
大木の齢は知らず青胡桃   金田野歩女

三浦香都子 特選
一陣の風噴水を虹色に    坂口 悦子
飛石は子らの遊び場水すまし 佐藤 琴美
俳人は少し嘘つきビール乾す 浅野 数方

浅野数方 特選
大木の齢は知らず青胡桃  金田野歩女
合掌の梁組涼し知事公館  石田 千穂
黒揚羽ポプラの陰と光かな 西田美木子

 翌七月二十六日(火)は、朝食の前に合歓の花を見に行き、朝食の後は近くの高校やお寺、早朝喫茶店を吟行、十時から句会を始めました。

金田野歩女 特選
再会のふたたびみたび合歓の花 三浦香都子
本堂のお香涼しく受けにけり  西田美木子

三浦香都子 特選
親鸞の遠流のまなこ大暑なり 高田 喜代
木の枝は魔法の玩具日焼の子 石田 千穂

西田美木子 特選
木の枝は魔法の玩具日焼の子 石田 千穂
親鸞の遠流のまなこ大暑なり 高田 喜代

奥野津矢子 特選
朝涼や点す灯あはき喫茶店  浅野 数方
本堂のお香涼しく受けにけり 西田美木子

浅野数方 特選
あぢさゐの毬ふくふくと朝日浴ぶ 坂口 悦子
句敵は己の心七変化       小杉 好恵

 句会終了後は記念撮影。十二時半より和風の豪華な昼食を楽しみながら、またの再会を約束して帰路につきました。
 三年ぶりの句作りを通しての仲間とのふれあいは心暖まるものでした。皆様のご協力により無事終えたことに安堵の思いです。



令和4年12月号掲載 句会報

令和四年度栃木白魚火 秋季俳句大会吟行会

菊池 まゆ

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 九月二十五日(日)、日光市今市にある「瀧尾神社」、「杉並木公園」、「二宮尊徳記念館」、「日光市歴史民俗資料館」への吟行俳句会が行われた。前日まで台風十五号の影響が心配であったが、当日は台風一過の爽やかな秋晴れとなった。コロナ禍で外出も少なかったので、宇都宮から今市まで電車に乗ることができ小旅行の気分であった。参加者は十九名を数え、皆笑顔で輝いていた。
 午前中に吟行。俳句会場である「日光市中央公民館」に移動し、その庭で青空の下、昼食の「助六すし弁当」を食べた。
 午後、五句出句、十句選(うち二句特選)で句会は進められ、最後に星田一草顧問、柴山要作会長、加茂都紀女副会長の選評をいただき、予定通りの終了となった。

役員の特選句
 星田一草 選
秋思ふと根方の洞や杉並木    菊池 まゆ
神の杜色なき風のにほひかな   中村 早苗
 柴山要作 選
秋冷やチョコボールめく鉛弾   星  揚子
尊徳の廻村の地や木の実降る   齋藤 英子
 加茂都紀女 選
清流に陰を映して初紅葉     黒崎 法子
綺羅零す重連水車秋高し     柴山 要作
 星 揚子 選
絵馬掛けに隙間まだあり蜻蛉飛ぶ 加茂都紀女
おづおづとのぞく水路の水澄める 奈良部美幸
 熊倉一彦 選
迸る尊徳の水豊の秋       柴山 要作
今市の蜻蛉は親し指の先     柴山 要作
 本倉裕子 選
水音の中を巡りて秋の色     松本 光子
恵比須さま一本釣りの赤とんぼ  熊倉 一彦
 秋葉咲女 選
草虱飛び付きさうに跳ね上がる  星田 一草
水車抜け水いきいきと秋高し   星  揚子
 大野静枝 選
水澄むや三歩で渡る神の橋    松本 光子
水車抜け水いきいきと秋高し   星  揚子
 渡辺加代 選
小さき旅駅に燃え立つ曼珠沙華  星田 一草
「象」といふオブジェに腰を鰯雲 上松 陽子
 中村國司 選
「象」といふオブジェに腰を鰯雲 上松 陽子
賽銭のことりと入る野分あと   星  揚子
 松本光子 選
秋思ふと根方の洞や杉並木    菊池 まゆ
秋の日を散らし散らして水車   本倉 裕子

 当日の一句
重連水車色なき風を紡ぎをり   秋葉 咲女
弁財天の緩ぶ口元秋日和     上松 陽子
野分後のゆたかな水や大水車   大野 静枝
絵馬掛けに隙間まだあり蜻蛉飛ぶ 加茂都紀女
扁額の征清記念冷まじや     菊池 まゆ
恵比須さま一本釣りの赤とんぼ  熊倉 一彦
日の射して金木犀の香かな    黒崎 法子
尊徳の廻村の地や木の実降る   齋藤 英子
さはやかや昼餉揃ひて草の上   佐藤 淑子
迸る尊徳の水豊の秋       柴山 要作
白萩や御社の庭人稀に      鷹羽 克子
小鳥来る供華ひとつなき忠霊塔  中村 國司
秋草の豊かな茂り神の庭     中村 早苗
奥院の軒下にゐるすがれ虫    奈良部美幸
水車抜け水いきいきと秋高し   星  揚子
草虱飛び付きさうに跳ね上がる  星田 一草
水音の中を巡りて秋の色     松本 光子
秋の日を散らし散らして水車   本倉 裕子
秋日さす半士半農尊徳像     渡辺 加代


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