最終更新日(update) 2021.02.01
句会報(R2)
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令和二年栃木県白魚火会秋季俳句会 令和3年1月号掲載

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令和3年1月号掲載 句会報

令和二年栃木県白魚火会秋季俳句会

中村 早苗

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 今、世界的な規模で流行している、新型コロナウイルスの感染防止の為、自粛生活が続いた。その間、栃木県白魚火会の行事は、一月の新春俳句大会以降全て中止となった。
 その後、自粛生活が緩和されたのを機に、密を避け、マスク・消毒を徹底する事により、句会を開催する事に決まった。
 そして、十一月八日日曜日、宇都宮市中央生涯学習センターに於て、栃木県白魚火会秋季俳句会が、久しぶりに開催された。
 十二時半、受付開始であったが、予定時刻の前に全員揃っていた。
 出席者十九名、五句出句、十句選、内特選一句の全員が同じ条件の句会であった。
 出句、清記の後、写真担当の熊倉一彦さんの提案により、マスクを付けた写真と、外した写真の二枚撮影した。
 星田一草会長の挨拶、柴山要作幹事長の諸注意、星揚子さんの選句等の説明があり、清記一覧表のコピーが配られ、選句に入った。
 披講者は中村國司さんと松本光子さん。いつも通りのスムーズな進行で読み上げられ、各自が名乗る事が出来た。今回は特に、個人個人の想いが込められた俳句が並んだ。
 選句の結果、最高得点は二十一点の加茂都紀女さん。一句の高得点句も加茂さんの十点であった。尚、特選一句は好みが分かれた為か、松本光子さんの四点が最高であった。
 又、鶴見一石子同人会長より、句会に参加出来ないからと、俳人協会のカレンダーが五本寄付され、星田会長より成績の上位五名に、手渡された。
 その後、星田会長と加茂副会長の選評が行われた。
 後片付けも全員で済ませ、全てが完了したのは、四時終了予定の三十分前であった。
 次回の行事が開催される事を願いつつ散会となった。

当日の一句(作者名五十音順)
柿を剥くリズムに乗りし夫の指   秋葉 咲女
逃げ易き日差を捕らへ草紅葉    阿部 晴江
単線の遅れ待つ駅そぞろ寒     石岡ヒロ子
透き通る赤き木の実や今朝の冬   上松 陽子
男体山の利休色なる今朝の冬    江連 江女
医王寺の秘佛にまみゆ文化の日   加茂都紀女
塩むすびこの極上の今年米     菊池 まゆ
釣瓶落し火星大きく接近す     熊倉 一彦
穴に入る蜥蜴静かに鼓動せり    齋藤 英子
鹿沼路や右も左も蕎麦の花     佐藤 淑子
せせらぎの尽きぬおしやべり秋日影 柴山 要作
料理中のあたまは句作暮早し    杉山 和美
飛石を濡らして去りぬ初時雨    鷹羽 克子
くつきりと筑波の双耳冬に入る   中村 國司
連れ添ひて四十五年目冬はじめ   中村 早苗
頰に触るる小雨十月桜かな     星  揚子
羅漢彫る石工の小屋のそぞろ寒   星田 一草
色変へぬ松花嫁の遠会釈      松本 光子
穭田を残し田の神帰りけり     渡辺 加代



令和3年2月号掲載 句会報

令和二年栃木白魚火 忘年俳句大会会報

中村 國司

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 新型コロナウイルス感染症に明け暮れた令和二年でしたが、それを締め括る栃木白魚火忘年俳句大会が、十二月六日、二十二名の参加者により宇都宮中央生涯学習センターで開かれました。
 コロナ第三波の真っ最中の所謂「リアル句会」です。三密回避、全員マスク装着、室内換気はもちろんのこと、手指消毒や万一に備えての連絡名簿作成など、できる対策はすべて施しての開催でした。
 栃木県内の全国規模の、若しくは全県規模の俳句大会のほとんどが中止となる中で、栃木白魚火の面々が一堂に会せたことは大きな喜びでした。やはり俳句会は顔を合わせてこそ、との実感を強く持ちました。
 出句された各作品も充実しており、ことに大野静枝さんの「枯山の枯れざるものに一都句碑」は、大谷資料館前の西本一都句碑を詠んでいますが、句碑建立以後の諸作品の中でも絶唱と言える収穫でした。
 左に曙・鳥雲同人の特選句と、全員の作品をご紹介しつつ、栃木白魚火の今後に期待の持てる忘年俳句大会となったことをお伝えして、大会会報とします。

曙・鳥雲同人特選句
星田一草 特選

枯山の枯れざるものに一都句碑 大野 静枝
忘るるを諾うてをり木の葉髪  松本 光子

加茂都紀女 特選
落葉踏み朝の光を踏みにけり  齋藤 英子

柴山要作 特選
一日を素顔で過す枇杷の花   加茂都紀女

星 揚子 特選
カステラの底ひに粗目冬銀河  本倉 裕子

松本光子 特選
十二月苺ハウスの灯の消えず  佐藤 淑子

中村國司 特選
枯山の枯れざるものに一都句碑   大野 静枝

「今日の一句」 (二十二名・五十音順)
指貫の指に勤労感謝の日      秋葉 咲女
足利の興亡空に木守柿       阿部 晴江
廃校の奈落ひとひら冬紅葉     五十嵐藤重
「はやぶさ2」カプセル帰還霜の朝 石岡ヒロ子
野仏に色を置きたる柿落葉     上松 陽子
枯山の枯れざるものに一都句碑   大野 静枝
一日を素顔で過す枇杷の花     加茂都紀女
折節に碧き眼をあげ蓮掘女     菊池 まゆ
茶の花や見付けて欲しきかくれんぼ 熊倉 一彦
落葉踏み朝の光を踏みにけり    齋藤 英子
セーターに母の簞笥の匂ひかな   佐藤 淑子
冬蜂の骸掃き出す地蔵堂      柴山 要作
葱刻む思ひの丈のみぢん切り    杉山 和美
山眠る珠と抱ける神の池      鷹羽 克子
息白く少年が行く背に朝日     田所 ハル
一都師の見そなはされし雁木かな  中村 國司
咳込めば背に大きな手が触るる   中村 早苗
何もなき田や冬晴の遠筑波     星  揚子
落葉踏む音の明るき雑木山     星田 一草
忘るるを諾うてをり木の葉髪    松本 光子
それぞれの海を見てゐるマスクかな 本倉 裕子
三世代同居の屋敷吊し柿      谷田部シツイ


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