最終更新日(update) 2016.11.01
句会報(H27) 転載
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栃木白魚火忘年句会報 平成28年2月号掲載
白魚火名古屋句会 平成28年11月号掲載

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平成28年2月号掲載 句会報
    栃木白魚火忘年句会報
中村 國司

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 十二月六日(日曜日)、栃木白魚火会の定例行事の一つである忘年俳句会が、鶴見一石子会長(白魚火同人会長)の、同志を熱く称えつつ、さらなる精進を促すご挨拶を頂戴しながら賑やかに開催された。
 参加者の顔ぶれ以外は、総てのことが例年通りに運ばれる、まことに省エネの効いた忘年会だが、前年に続き内容の一部をご紹介したい。
 俳句会運営上の必需品は、出句用短冊・清記用紙・選句用紙だが、その用意を誰がしているかはあまり知られていない。参加者には有って当然と思える物でも、それは誰かが準備をしている。印刷して、枚数を調え、忘れずに会場に運ぶ。単純な作業だが、それがなければ俳句会は進まないのだから責
任は重い。この用紙の準備に関しては、今日まで全て星田一草副会長が引き受けてくれている。
 十数年も続けている会なので、運営の役割は何となく決まっているようだ。例えば会場の設営。つまり椅子や卓を出して並べることだが、それは全員でやる。お茶やミカンなどを卓上に配り置くことも、手の空いた人が率先してやる。受付、会費の受納は星揚子さん、用紙の配布・回収は齋藤都さん、天盛は谷田部さん、披講は松本さん、それぞれを中心に皆で手伝う。「皆で手伝う」というところに、会の雰囲気が表れているのだが、その雰囲気の記念写真を、このところ欠かさず中村が撮っている。
 細かな取り決めをしなくても、運営全体が和やかに、円滑に進むところは、これまで好い歴史を刻んできた、その証しなのだろう。
 今年もまた二十三名が、例年通り渾身の作を持ち寄り、悔いのない俳句会とおしゃべりを堪能できた。有難いことである。

無鑑査同人選(特選三句)
鶴見一石子選
哭く羅漢笑ふ羅漢や十二月      星田 一草
凍つ薔薇のガラスのごとき脆さかな  星田 一草
鮟鱇の腹より響く海の音       中村 國司

星田一草選
誰もまだ触れぬ輝き初氷       加茂都紀女
陶芸の森のオブジェに小鳥来る    阿部 晴江
子育てや枯糸瓜にも心寄せ      中村 國司

加茂都紀女選
難攻を伝ふる城址冬ざくら      齋藤  都
杣小屋の北窓塞ぐ五寸釘       鶴見一石子
陶芸の森のオブジェに小鳥来る    阿部 晴江

柴山要作選
閑かなる昭和の団地花八つ手     中村 國司
よたよたと山降り来たる梵天衆    五十嵐藤重
口紅のはねし寝顔や七五三      秋葉 咲女

齋藤 都選
花八ッ手知る人ぞ知る路地のあり   星  揚子
木も空も冬の景色となりにけり    高内 尚子
石山の斫羽を駆くる片しぐれ     松本 光子

宇賀神尚雄選
遠筑波美しき芽麦の縞模様      柴山 要作
燭の照り肩掛にして阿弥陀仏     中村 國司
石山の斫羽を駆くる片しぐれ     松本 光子

星 揚子選
石山の斫羽を駆くる片しぐれ     松本 光子
鮟鱇鍋とろりと濤音遠ざかる     松本 光子
おはようの駆け抜けてゆく木の葉径  渡辺 加代

松本光子選
凍つ薔薇のガラスのごとき脆さかな  星田 一草
哭く羅漢笑ふ羅漢や十二月      星田 一草
誰もまだ触れぬ輝き初氷       加茂都紀女




平成28年11月号掲載 句会報
      白魚火名古屋句会  
渥美 尚作

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 浜松白魚火会の天竜句会に今年二月より誌友となった静岡大学工学部二年生の安藤翔さんがいます。名古屋市出身で名古屋高校の頃から俳句に関心を持ち、仲間と活動していたそうです(名古屋高校は去年の俳句甲子園の優勝校)。その翔さんから出身の名古屋市で以前の仲間と共に句会をしてみたいとの提案がありました。早速検討したところ、名古屋市及び周辺の誌友の協力が得られそうな感触でしたので、日程(八月二十八日)と場所(熱田神宮周辺)を決めて準備に入りました。
 当日、地元名古屋から安藤さん、竹中健人さん、山田翔子さんの十代グループ、ベテランの檜垣扁理さん、新人の野田さん、中津川市から同人の井上科子さん、吉村道子さん、浜松から浜松白魚火会の弓場忠義会長、村上尚子白光集選者、今回のまとめ役の渥美絹代曙集同人、植田美佐子さん、鈴木利久さん、私の十三名で句会が行われました。
 老若男女がそろい、簡単な自己紹介の後、句会が始まりました。はじめのうちは緊張気味でしたが、直ぐに慣れた様子で、活発な意見もでて、終る頃には次回の話などで盛り上がりました。なごやかで楽しい句会となりました。

一句抄
 繋がれて貨車の出て行く残暑かな    村上 尚子
 敗戦日雲なき峠越えにけり       渥美 絹代
 秋雨や本屋の奥に売る駄菓子      渥美 尚作
 灼くる夏郵便ポスト錆びてゐる     安藤  朔
 高原の空明け渡り蕎麦の花       井上 科子
 日日草育つ警察署の花壇        植田美佐子
 初秋や懸樋を走る山の水        鈴木 利久
 黒板に落書き秋の初風よ        竹中 健人
 墓洗ふ父の使ひし束子持て       野田 美子
 ひらひらと鳥居くぐりぬ黒揚羽     檜垣 扁理
 畳屋の戸の開いてゐる残暑かな     山田 翔子
 みづうみの見ゆる駅舎や小鳥来る    弓場 忠義
 走り蕎麦山家のふた間開け広げ     吉村 道子



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