最終更新日(update) 2025.02.01
句会報(R6)
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令和五年度静岡白魚火忘年俳句大会 令和6年2月号掲載

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令和7年2月号掲載 句会報

広島水曜俳句会平和公園吟行記

森田 陽子

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 広島水曜俳句会の吟行会は、年二回。コロナウイルスが落ち着いた頃から、専ら東広島市内で実施しております。この度は、東広島を飛び出して「晩秋の平和公園」へ遠出をしましたので、ご報告いたします。

【当日の順路、時間のあらまし】
 十一月二十七日、広島駅構内を通り抜け(駅は改装中のため二階を迂回)、市内電車乗り場へ。電停「原爆ドーム前」で下車。ここで、参加者八名が揃い(十時)、スケジュールと季語などの確認。「原爆ドーム」、「動員学徒慰霊碑」を吟行しながら、「元安川」に沿って歩き、橋のたもとの「レストハウス」(集合場所)を全員で確認。それより自由吟行。「折鶴」、「原爆の子の像」、「平和の灯」、「死没者慰霊碑」、「平和記念資料館」、木立の間に点在する様々な碑、「被爆樹木」、川岸の「雁木」などを巡りました。十一時半、全員がレストハウス前に集合。十二時、句会場の「ひとまちプラザ」に到着、昼食。十三時出句締切り、句会開始。句会の担当者は、挾間敏子さん、大江孝子さん。十六時前に、句会終了。今回の吟行の企画担当者(奥田積さん、佐々木智枝子さん、石原幸子さん)から、事前に頂いていたリーフレットの時間通りに、無事吟行を終えました。

【印象的だったこと】
〇 この日は、前日の荒天が嘘のような吟行日和でした。私たちが動員学徒慰霊碑を訪れた時、何処からか風が湧き起こり、慰霊碑を覆う栴檀の木の葉が、昨夜の雨雫と一緒にはらはらと降り注いできました。
〇 折鶴と原爆の子の像の広場では、修学旅行生の合唱がやさしく響き、それを観光客が見守るように取り囲んでいました。傍らには、世界中から届いたという薔薇が風に揺れていました。
〇 「平和記念資料館」はよく知られていますが、この日初めて入館した「死没者追悼平和祈念館」には、特攻兵器通称㋹(まるれ)のレプリカが置かれ、ベニヤ板の船体を目の当たりにしました。
〇 平和の灯は、地球上から戦争が無くなるまで、決して消えないのだそうです。折しもその朝、イスラエルとレバノンの停戦合意がなされたというニュースが流れたこともあって、作句の折にも句の鑑賞の折にも平和への思いに触れながらの吟行会となりました。

 この日の高得点句は、五点句。挾間敏子さん、松浦和子さんでした(和子さんは入会後間もない方で、事前投句)。
 この日の参加者の一句(五十音順)
世界より届きて咲くや冬薔薇  石原 幸子
見上ぐれば栴檀の実の風に揺れ 上野由紀子
冬晴のサリーの少女鐘を衝く  大江 孝子
冬空に両手を伸ばす禎子像   佐々木智枝子
川岸の雁木の名残冬に入る   徳永 敏子
銅板の勤労学徒絵図の冷え   挾間 敏子
語り部はおさげ髪の子寒日和  松浦 和子
雨粒の光ちりばめ木の葉雨   森田 陽子
水清き広島の川紅葉散る    山口 和恵


広島平和記念資料館の折鶴