最終更新日(update) 2023.02.01
令和5年 白岩敏秀 作品
七曜 青インク 俳誌

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令和5年1月号に掲載

七  曜
飛びたちしばつたの弾み手に残る
水澄みて映るものみな澄みにけり
草虱畳にひとつ落ちにけり
新米を磨ぐてのひらを熱くして
七曜の始まる朝を鵙鳴けり
振り返るたびに刈田の暮れてゐる
角切りし鹿に牝鹿の遠くをり
砂丘吹く風晩秋となりにけり

令和5年2月号抜粋の目次へ 
令和5年2月号に掲載

青インク
立冬の落ちきつてゐる砂時計
冬めくや山を下りくる牧の牛
神の旅砂丘の空は雲もたず
三つ編みのまだ短くて七五三
冬ぬくし文字となりゆく青インク
朝飯の旨し勤労感謝の日
いつまでも雫こぼして懸大根
寒昴いちごの味のチョコレート

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令和5年3月号に掲載

俳   誌
どの川も名前を持ちて冬うらら
湯豆腐や夕暮近き南禅寺
麦の芽の風の冷たさ知る高さ
過去といふ月日揺れゐる古暦
囲むときいつも輪となる夕焚火
ポインセチアギリシャ神話に恋多し
十二冊俳誌を積みて年惜しむ
家中の時計を合はせ晦日蕎麦

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