最終更新日(update) 2021.02.01
令和3年 白岩敏秀 作品
雨の奈良

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令和3年1月号に掲載

雨の奈良
夕暮の刈田斜めに農婦来る
沈黙の銀饒舌の金木犀
鹿の斑の汚れて走る雨の奈良
法隆寺の塔の影踏み秋惜しむ
朝顔の紺つなぎたく種を採る
紅葉狩座り心地のよき丸太
晩秋の海へ向きたる椅子固し
冬隣なにをするにも影連れて

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令和3年2月号に掲載

赤絵具
風音に勝る波音今朝の冬
息かけて眼鏡を拭いて見れば冬
握手する十一月の手の熱し
小春日や画布のはじめの赤絵具
日は海へ移りて沈む冬紅葉
石蕗咲いて雨のはげしき日曜日
ぴしぴしと月光の打つ枯木立
満ちてくる力静かに冬木の芽

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