最終更新日(update) 2020.05.01
令和2年 白岩敏秀 作品
夜の音 湯の香り 募金箱
寒柝 炭酸水

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令和2年1月号に掲載

夜 の 音
手折りたる芒に風のついて来る
木犀の香り乱さずをんな去る
落し水棚田に夜の音つなぐ
稲架を組む縄の匂ひを強く締め
好き嫌ひなくて家までゐのこづち
どんぐりの拾はれたくて落つる音
朝の鵙はるけきものを呼ぶごとし
夕紅葉星はまたたきはじめけり

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令和2年2月号に掲載

亡ぶるに手順のありて破蓮
山芋の白さ減りゆくおろし金
柚子熟れて庭の四隅の暮れてをり
立冬の百葉箱に日の当たる
神の留守巫女の縁談話など
しぐるるや白湯に立ちたる湯の香り
酒蔵の煙突二本花柊
水割の氷かちりと鳴つて冬

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令和2年3月号に掲載

刈株の弾力を踏む冬田かな
目論見の外れてゐたり返り花
河原石白く乾いて十二月
枯菊を束ねし紐の蝶結び
うしろより手の出て日記買ひにけり
爪先に力入れたる冬至かな
クリスマス子どもの文字の募金箱
洗濯の泡をゆたかに年の暮

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令和2年4月号に掲載

勝ち独楽の勢ひ押さへて色戻す
寒柝の消えたる闇を犬通る
朝の日を返してゐたる冬木の芽
子と同じ日向に弾む寒雀
すれちがふ雪の匂ひのアノラック
野水仙さざ波のごと日に揺れて
大寒や力尽くして川流る
背の高き新婦なりけり冬薔薇

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令和2年5月号に掲載

刈株の弾力を踏む冬田かな
目論見の外れてゐたり返り花
河原石白く乾いて十二月
枯菊を束ねし紐の蝶結び
うしろより手の出て日記買ひにけり
爪先に力入れたる冬至かな
クリスマス子どもの文字の募金箱
洗濯の泡をゆたかに年の暮

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