最終更新日(Update)'15.06.01 | |||||||||||||||
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季節の一句 西村 ゆうき |
「酢の香」(作品) 白岩敏秀 |
曙集・鳥雲集(一部掲載)坂本タカ女 ほか |
白光集(村上尚子選)(巻頭句のみ掲載) 飯塚 比呂子 、鈴木 喜久栄 ほか |
白光秀句 村上 尚子 |
白魚火集(白岩敏秀選)(巻頭句のみ掲載) 檜林 弘一、林 浩世 ほか |
白魚火秀句 白岩 敏秀 |
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季節の一句 |
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(鳥取市) 西村 ゆうき |
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灘の風とほし脇本陣の涼 江連 江女 |
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曙 集 | |
〔無鑑査同人 作品〕 | |
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きさらぎ 坂本タカ女 きさらぎや紐とはつまづき易きもの 口かすかあけて謡ふや囃子雛 享保雛飾るあかずの間が寺に 汚れゐる狐の毛並笹起きる 風除に行き止りなる狐跡 手休めのときに遠目の剪定夫 日射しはね返す剪定鋏かな 波立ちてくる沖つ風浪の花 揚 雲 雀 鈴木三都夫 日かげれば一山の又冴返る 撫で肩にしてはんなりとしだれ梅 まつさらな白木蓮の浄土かな 初蝶の戸惑ひ消えし風の中 うぐひすの声ふりかぶる山路かな 揚雲雀見えぬ高さに止まれる 葦の角微々と流れを抽きにけり 蜑老いぬ海が荒れれば海苔簀編み 春 の 雨 山根仙花 鍬掛けに春待つ鍬の並びをり 並べ売る刃物に消ゆる春の雪 峡の田の短かき畦も青みけり 鳶の輪を仰ぎては又畑を打つ 真青なる大空へ跳ね梅ひらく 木々芽吹きやさしき山となりにけり 強東風や湖畔に増ゆる夕べの灯 枝折戸の濡れて重たき春の雨 桜 安食彰彦 蒲公英と関守石を横に見て 一切の言葉をなくす糸桜 糸桜風と遊びてゆれやまず 山桜星の印の墓標かな 池の坊の免状棺に紅枝垂 遠景の風車は三基花の昼 滔々と流るる大河揚雲雀 連れだちて鳴く揚雲雀電車過ぐ 桜 青木華都子 二、三輪開花を知らす山桜 さくら咲くとふ追伸の二行ほど 未明より雨の桜となりしかな 頂へ道一本や山桜 曇りのち晴れ朝ざくら夕桜 満開の桜に湖面さくら色 散るといふよりふはふはと舞ふ桜 かすかなる風にも桜散つてをり 日 永 村上尚子 接岸の舳先を揃へ白子船 教会の古きオルガン朝桜 水槽に貝の貼り付く日永かな さへづりの枝に吊るされ小鳥籠 ぶらんこの下の窪みに水溜り ひと振りの鍬春笋に噛まれけり 花かんば名のみ知りたる山ばかり クレーンのくの字一の字夕永し 花・さくら 小浜史都女 滝のごと流れてしだれざくらかな ぼんぼりの配置図もあり花万朶 紙コップ配られてゐる花筵 けふだけの一方通行花のダム 一湾に傾くさくらさくらかな 燈台はひかりの柱桜東風 酒蔵の奥の古民家さくら冷 花冷や囲ひひとつの雉子うさぎ |
春 岬 小林梨花 進学を報告に来し子の背丈 入学の子と供華抱へ磴上る 師の訃報雲動かざる春岬 海山の風の吹き込む涅槃絵図 春の夢亡師に声を掛けられて 法丈のぶらり立ち寄る春の風 橋渡り戻るも桜月夜かな 爛漫の花翳りゆく国来岬 大願成就 鶴見一石子 我が願ひ大願成就春の月 晩年や腰を叩きて更衣 狩人の里へとつづく雪間かな 地虫出づ道鏡塚の竹矢来 夜桜は紫に見ゆ白き闇 一人ごとこぼるる夜の桜かな 夜桜や千の雪洞消えし闇 天平の丘の夜桜北斗星 木々芽吹く 渡邉春枝 ポケットに未完の一句野に遊ぶ 記念樹の古りし立札燕来る 休窯の中の暗闇木々芽吹く 空つぽの犬小屋いまも黄水仙 焼きたてのパンに行列さくら東風 先達に歩巾あはせて暖かし しとどなる雨に落花の石畳 さくら咲くこの地に命永らへて 畦 焼 渥美絹代 畦焼の煙救急ヘリよぎる 畦焼に日暮間近の雨きたる 返事すぐ書きたき手紙桃の花 まん中に灯籠据ゑて苗木売る 大ぶりの大福苗木市に買ふ ふんはりと結ぶ風呂敷牡丹の芽 雨音に混じる鳥声入彼岸 先生の逝きはじめての桜かな 白鳥去る 今井星女 やがて去る白鳥の湖たづねけり いくたびも羽根を広げしスワンかな 飛ぶ仕種いく度もしてスワン去る しらじらと夜の明けてきしスワン去る 白鳥の一羽が飛べば皆つづく 小白鳥眞ん中にしてスワン去る 駒ケ岳大きく巡りスワン去る 一羽とて残る白鳥なかりけり 船 出 金田野歩女 捨て雑魚を掠めてゆきぬ尾白鷲 流氷の風は真面に頬刺せり 春の雪積む柱状節理の怒り肩 海明けの船出舳先に仁王立ち 二才児と会話成り立つ麗らけし 捺印の曲つてしまふ万愚節 入学児の句読点無き文宝物 砂浜の足音空の奴凧 春ショール 寺澤朝子 極まれる白もて散りぬ白もくれん 立像も坐像も秘仏出開帳 花冷えや生家無きこともう云はず 花の陰子規球場に子規の句碑 角帽と聞けば懐かし花あふぐ 花散るや「芸大前」のバス通り 鉄橋の真下が好きで春の鴨 八十はお洒落でゆかう春ショール |
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鳥雲集 | |
一部のみ。 順次掲載 | |
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青き踏む 出口 サツエ 地虫出づ目指す新宿南口 芽柳や日本橋に里程標 青き踏む海の展けるところまで 春愁やゆつくりはづす喪の真珠 久闊を叙す新調の春コート 指呼の間の島の鐘聞く彼岸かな 早 春 森 淳子 人恋ふる心にもにて春を待つ 忘れ雪わすれ雪とて今日も降る 利休忌の庭に雪ある茶会かな 早春の光あまねく硝子窓 掌に鶯餅の粉零す 父よりも長き足もて剪定す 山 笑 ふ 諸岡 ひとし 厠窓翅震はせて蝿生まる 院内の夕餉に少し初蕨 近雷の一発のみで春の闇 山葵漬噛んで涙がついぽろり 母と子の転退職や山笑ふ 道の駅独活見て母を偲びけり 彼 岸 寺 大村 泰子 羽撃きて水面を走る残り鴨 鳩のこゑ雨に濡れをり彼岸寺 磴のぼり来て宿坊の蕨飯 干し物を膝にたたみて日永かな 春光や紅茶に添ふる木のスプーン 幼子のこぶしのねむるスイトピー 啓 蟄 荒井 孝子 啓蟄や使はぬままの母の杖 残る鴨淋しきときは固まりぬ 涅槃図を抜け出て恋の猫となり もう母と見られぬ桜仰ぎけり 御手洗の水の暮れゆく桜かな 残雪の嶺へ風車のゆるやかに 冴 返 る 安澤 啓子 ハンガーに明日着る喪服冴返る 次の声たうたう聞けぬ初音かな 回廊に厠の神やあたたかし この歌碑の詠み人知らず春時雨 春宵や沓脱ぎ石に女下駄 芽柳や早瀬にかかる丸太橋 |
鳥 帰 る 宇賀神 尚雄 ペダル踏む春一番に逆らつて 啓蟄の土堀り起こすショベルカー 笑ひ声包み込んだる春障子 林径歩める背に囀れり 男体山の雪襞ゆるび鳥帰る 何ものか追ふかに野火のひた走る 蝶 の 昼 佐藤 升子 抓みとる萌やしのひげ根寒の明け 梅香る縁側に足たらしけり てのひらを春の火鉢に預けけり あたたかや米寿の画集いただきて 釉掛けのひしやくの乾く蝶の昼 山吹の咲いて道筋見えにけり 木の芽風 出口 廣志 満つ潮に乗りて白魚遡上せり わが墓地に桜を植ゑむ西行忌 天平の礎石に座せば木の芽風 独り子を弔ふ夫婦遍路かな 寄り添うて晴着の親子春の雪 咲き誇る桜愛でつつ城巡り 大き花丸 星 揚子 日輪のぼんやり透ける野焼かな ゆるやかな土手の曲りや初蝶来 のどけしや江ノ電軋む音のして 答案に大き花丸あたたかし なめらかに回る風車や春の川 さくさくと刻む包丁春キャベツ 芽吹き山 本杉 郁代 春雪の再び辺り眩しくす 新しき閼伽桶並ぶ彼岸寺 出航のドラに集まる春鴎 よごれなき白木蓮の空青し 人杖を借りて登りし芽吹き山 ゴンドラの登るあたりの芽吹きかな 花 の 下 渡部 美知子 師の話するやうぐひす頻り啼く 春光のこぼるる中や間歩閉ざす 潮の香に包まれてゐる春田かな 熟寝する稚の寝息や花の雨 入社式終へネクタイを緩めをり 落ち合ふも別るるもこの花の下 |
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白光集 | ||
〔同人作品〕 巻頭句 | ||
村上尚子選 | ||
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飯塚 比呂子 白梅の蕾にはしるみどりかな 鈴木 喜久栄 紙雛袖ふれ合うて支へあふ |
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針千本呑めと指切り地虫出づ 御捻りに使ふ薄紙桜東風 師のごとき大き春日の沈みけり 山茱萸や外面のよき夫であり 荒畑と隣合せの畑返す 踏み込んで鳴き砂鳴かす春の浜 花の昼閼伽井の手押しポンプかな 潮騒の松に風生み鳥交る 蛍烏賊掬ふ光をしたたらせ 鳴き砂の中より拾ふ桜貝 金銀の母の折鶴春愁ひ 新チームののつぽの主将風光る 青麦の走り穂一つ供華に足す 春耕の土にこにこと解れけり どの道も海辺につづく黄水仙 |
佐藤陸前子 吉村 道子 榛葉 君江 高田 茂子 井上 科子 篠原 凉子 水出もとめ 山西 悦子 野澤 房子 保木本さなえ 早川三知子 杉原 潔 横田 茂世 古川 松枝 米沢 操 |
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白魚火集 |
〔同人・会員作品〕 巻頭句 |
白岩敏秀選 |
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名 張 檜林 弘一
二月堂三月堂と余寒かな 浜 松 林 浩世 笑ひ顔多きアルバム雛あられ |
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白魚火秀句 |
白岩敏秀 |
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二月堂三月堂と余寒かな 檜林 弘一 春を迎えてもまだまだ寒い。それでも春ときけば遠くへ足を伸ばしたくなる。 笑ひ顔多きアルバム雛あられ 林 浩世 雛段の前でアルバムを開いている親子。そこには若い作者が居り、幼い子ども達がいる。さらに捲れば、父や母の顔もある。どれもこれも笑っている。 雉の目の一直線に藪に入る 中村 義一 〈雉子の眸のかうかうとして売られけり 加藤楸邨〉は撃たれて売られてゆく雉だが、こちらは堂々と胸を張って藪に入って行く雉である。 春は小鳥たちにとって子育ての季節。巣から顔を出している子雀に声を掛けたところ、無邪気な顔でこちらを見返したという。 立金花咲きエゾサンショウウオの紐 平間 純一 立金花(りゅうきんか)はキンポウゲ科の多年草。茎が直立し、黄金色の花をつけることから立金花と呼ばれる。花は春から初夏に咲く。花言葉は―必ず来る幸福―。 搗くうちに弾む手応へ蓬餅 谷田部シツイ 蓬餅はどこか子どもの頃を思い出させる香りがする。杵の音も懐かしい。 あの動き茶山に肥料振るらしき 橋本 快枝 茶山に春が来て、あちこちに人の動きが見えるようになった。その中で、遠くで他の人とは違った動きをしている人がいる。“ああ、新芽のために肥料振っているのだ”と直感する。そのことを経験した者にのみ分かる動き。茶の木を愛おしむように丁寧に振っていく肥料。 送別会終りて夜の桜かな 吉田 柚実 三月は送別会の季節。送別会は歓迎会と違い悲喜こもごもがある。 |
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