最終更新日(update) 2015.03.01
平成27年 仁尾正文 作品
冬 の 鵙 唇 寒 き 邪気払ふ
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平成27年1月号に掲載

     
     邪気払ふ

邪気払ふ冬至南瓜を食ひにけり

大勢に万歳されて十二月

大方は妻に順ふ年の暮

大注連を替へ年番を代はりけり

吾の初湯妻ねんごろに尽しけり

独楽の子に期待を持たせゐたりしが

佗助のよく咲き命燃え立てり

四日頃より常態に戻りけり

平成27年2月号抜粋の目次へ
平成26年8号に掲載

    
    唇 寒 き

言葉出てしまふ唇寒きこと

神在の出雲言葉のやはらかし

地獄耳の婆さを囲み日向ぼこ

一つだけ出席とせり年忘れ

崩れ簗下り忘れし鮎大き

流感のワクチン家族して打ちぬ

ハロウィンや日本列島雨の中

冬菊の開花明明後日まで読めて

平成27年1月号抜粋の目次へ
平成27年1月号に掲載

     
     冬 の 鵙

大型の台風過ぎる十三夜

わが墓碑となるはこの石草の花

覆水は盆に返らず鳥頭

酸素管外れてばかり秋果つる

大河ドラマ飽きられ始むしどみの実

二度三度口で霧吹く夕砧

脇毛濃き体操選手冬の鵙

認知症自覚す冬に入りにけり

禁無断転載