最終更新日(Update)'17.08.01 | |||||||||||||||
|
|||||||||||||||
|
(アンダーライン文字列をクリックするとその項目にジャンプします。) |
季節の一句 谷山 瑞枝 |
「ピラミッド」 (作品) 白岩 敏秀 |
曙集・鳥雲集(一部掲載)坂本タカ女 ほか |
白光集(村上尚子選)(巻頭句のみ掲載) 鈴木 喜久栄、田口 耕 ほか |
白光秀句 村上 尚子 |
句会報 静岡白魚火 総会記 本杉 郁代 |
白魚火集(白岩敏秀選)(巻頭句のみ掲載) 池谷 貴彦、秋穂 幸恵 ほか |
白魚火秀句 白岩 敏秀 |
|
|
季節の一句 |
|
(唐 津) 谷山 瑞枝 |
|
呼ぶやうに応ふるやうに恋蛍 中嶋 清子 |
|
|
|
曙 集 | |
〔無鑑査同人 作品〕 | |
|
|
蝮 草 坂本タカ女 回り道して桜トンネル通りけり 真青な空の深さや花辛夷 週一度通るこの道桜咲く 山下りてくる山の風蝮草 新品の自販機一基夏来たる たんぽぽに埋めつくされし代田道 景鎮め殊のほかなる代田かな 青嵐笹小屋の真赤な消火栓 焙炉上げ 鈴木三都夫 麦 の 秋 山根仙花 扇 安食彰彦 軒 菖 蒲 村上尚子 父 仰 ぐ 小浜史都女 |
草を引く 鶴見一石子 青 田 風 渡邉春枝 梅雨兆す 渥美絹代 桜 咲 く 今井星女 持 久 走 金田野歩女 風 蘭 寺澤朝子 |
|
|
|
鳥雲集 | |
一部のみ。 順次掲載 | |
|
|
童 話 館 (宇都宮)星田 一草 葉牡丹の竝び茎立つ童話館 聖五月教会は扉を開け放ち ポピー咲く畦は自転車通学路 田植機の納屋に休める月曜日 尾を跳ねて涘に百尾の鯉のぼり 木漏れ日の降り注ぎをり破れ傘 新 樹 光 (東広島)奥田 積 嫁 ヶ 島 (松 江)梶川 裕子 水 中 花 (藤 枝)横田 じゅんこ 音 (苫小牧)浅野 数方 春 の 候 (松 江)池田 都瑠女 |
写真貼る (多 久)大石 ひろ女 母の日や一年分の写真貼る 音立てて貝の砂吐くみどりの夜 青葉木菟鳴いては星を瞬かす 山城の馬の背径や夏薊 風音の乾いてゐたる麦の秋 老鶯のこゑに暮れゆく関所跡 観 音 堂 (群 馬)奥木 温子 若 楓 (牧之原)辻 すみよ 茅花流し (東広島)源 伸枝 水 鶏 (松 江)森山 暢子 初 鰹 (栃 木)柴山 要作 |
|
|
||
白光集 | ||
〔同人作品〕 巻頭句 | ||
村上尚子選 | ||
|
||
鈴木 喜久栄(磐 田) 缶詰のぱかつと開く立夏かな 田口 耕(島 根) 牡丹剪る庭師に迷ひなかりけり |
||
|
釘隠しの螺鈿の光る夏はじめ 薫風やバスより下ろす車椅子 兄思ふ蛍よぶにもこゑ出して 寝返りを打つ幼子や菖蒲葺く 帰省子に犬の鳴き声変はりけり 絵手紙に描く筍を据ゑにけり 雲海の下へと夕日落ちにけり 母の日の花屋に白き花を選る 水音を辿りクレソン畑かな 先生はいつも真ん中チューリップ 留守番の犬が顔出す柿若葉 みどりごを抱かせてもらふ花菖蒲 独り居に人の寄り来るアマリリス 栴檀の花やいつもの古物商 絵画展出でて緑雨の中にあり |
高橋 茂子 埋田 あい 榛葉 君江 石川 寿樹 鈴木 敬子 横田 茂世 西川 玲子 東 不二重 山羽 法子 柴田 純子 樋野久美子 高井のり子 太田尾千代女 古川志美子 髙橋 圭子 |
|
|
白魚火集 |
〔同人・会員作品〕 巻頭句 |
白岩敏秀選 |
|
浜 松 池谷 貴彦
転校の児の出目金の引き継がれ 東広島 秋穂 幸恵 太蕗のけぶれる香り刈りにけり |
|
|
白魚火秀句 |
白岩敏秀 |
|
転校の児の出目金の引き継がれ 池谷 貴彦(浜 松) クラスの飼育係りの児が転校することになった。登校した時や昼休みに水を替えたり、餌をやったりして、大切に育ててきた出目金。その飼育をクラスメートに任せることになった。餌をやる時間や分量を細かく友達に伝えている。こうして出目金の世話も友情も引き継がれてゆく。クラスの温かさが伝わってくる。 梅雨寒のサランラップの端が拗ね 秋穂 幸恵(東広島) サランラップは便利なものだが、失敗するとぐちゃぐちゃになって使いものにならなくなってしまう。どうやらこの句も包み損ねたようだ。端の方が拗ねたようにぴんと捲くれ上がってしまった。梅雨寒にサランラップが拗ねたという見方が新鮮。日常で誰もが経験していることを巧みに掬い取っている。 一村は空つぽ初夏の運動会 計田 芳樹(東広島) 近頃の運動会は秋よりも春や初夏に行うことが多いようだ。この小学校も五月の運動会らしい。田植えのまだ始まらない時期だから、村人たちがぞろぞろと応援にくる。 ここだけの話ここだけ片かげり 池田 都貴(宇都宮) 「あのネ、知ってる」で始まるここだけの話。見れば日盛りのなかにここだけが片かげりとなっている。移動していく片かげりを追って、ここだけの話も移動してゆく。いつまでも続くここだけの話。「ここだけ」の繰り返しが絶妙な効果をあげている。 薫風の運びし言葉ありにけり 村上千柄子(磐 田) 「薫風南より来たり、殿閣微涼を生ず」と中国の詩文にある。青葉若葉を吹く風がその香りを運んでいると感じている。日本人の繊細な感性を感じる季語である。 夏草に人巾の道ありにけり 加藤 葉子(群 馬) 久し振りに畑へ行こうとすると夏草の茂った道になっている。一瞬、草の勢いに戸惑うが、よく見ると人巾ほどの道があるではないか。夏草の勢いに負けない人間の行動力に驚いている作者。踏みしだかれた夏草の青さが新鮮に見えてくる。 たんぽぽが沢山咲いて秘密基地 安川 理江(函 館) 子ども達が原っぱの草に隠れるように遊んでいる。冬の間、家に閉じ込められていた子ども達が自由に遊べる空間。秘密基地である。たんぽぽが秘密基地を守るように沢山咲いている。童画のような楽しさがある句。 香水のいよいよ傍若無人かな 砂間 達也(浜 松) 夏は服装が軽快になり、原色のものが目立ち始める。それに伴って香水が活躍し始める。電車やエレベーターの中は言うに及ばず、いたるところで様々な香水が歩いている。しかも傍若無人…にである。中村草田男に〈香水の香ぞ鉄壁をなせりける〉がある。 定位置にペン置き夏の立ちにけり 前川 幹子(浜 松) 〈暑き故ものをきちんと並べをる 細見綾子〉の句のように、暑いときは身の周りをきちんと整理整頓した方が、涼しく感じられる。この句もペン置きはここ、辞書はこちらとすっきりと片付けている。暑く長い夏を乗り切るための生活の知恵でもある。 |
|
禁無断転載 |