最終更新日(Update)'17.06.01 | |||||||||||||||
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季節の一句 中山 仰 |
「風の砂丘」 (作品) 白岩 敏秀 |
曙集・鳥雲集(一部掲載)坂本タカ女 ほか |
白光集(村上尚子選)(巻頭句のみ掲載) 三原 白鴉、檜林 弘一 ほか |
白光秀句 村上 尚子 |
高森町「松源寺」 吟行句会句会報 大澤のり子 |
坑道句会その後 福間 弘子 |
足利學校・鑁阿寺、お花見吟行会 中村 國司 |
白魚火集(白岩敏秀選)(巻頭句のみ掲載) 田口 耕、根本 敦子 ほか |
白魚火秀句 白岩 敏秀 |
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季節の一句 |
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(高 知) 中山 仰 |
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時告ぐる骨董店や梅雨湿り 江連 江女 走りたきややの目線の葱坊主 上武 峰雪 |
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曙 集 | |
〔無鑑査同人 作品〕 | |
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春 の 雲 坂本タカ女 底冷えの水道落す水くくと 流されしだけ遡る浮寝鳥 鴨だまり雪のはげしくなつてきし 雪の上にもの焼く煙厩出し 猫柳通ひなれたる橋の錆 吠えたてる馬の番犬牡丹雪 あとしざり仰ぐ神木芽吹きをり 山彦の谺返らず春の雲 彼 岸 鈴木三都夫 春潮の色を違へて二夕岬 掻けさうな岩海苔を又隠す波 ビキニ忌の近づく港東風寒し 宝前の遊化の庭とや風光る 初蝶の風に縺れし行方かな 聞きとめし初音黙つてしまひけり 菜の花の一望視野に収まらず きのふとは違ふ風吹く彼岸かな 啓 蟄 山根仙花 起きぬけに踏む啓蟄の大地かな 芽起こしの雨こまやかに降る日かな 手を振つて鳴らす鍵束鳥曇 湖へ延ぶる田毎の畦の陽炎へり 大土手の起伏豊かに風光る 道の辺の地蔵に春の泥乾く 鐘の音の長き余韻や暮れ遅し 池の表の半ばを占めて落花浮く 雛 人 形 安食彰彦 七十年振りとや雛を飾りけり 雛の顔穴のあくほどながめをり 雛飾るなにもわからず泣く赤子 はい次とかけ声を聞き雛流す 雛の舟そろりと流す女の子 海見ゆるところまでゆく蕨狩 をちこちに蕨の芽と芽摘みにけり だんだんと人におくるる蕨狩 鳥 の 恋 村上尚子 初うぐひす靴はつま先より磨く 植木屋の見上げて帰る古巣かな 切株の中はからつぽ鳥の恋 母子草むかしの歌はすぐ唄へ 城山を背にすかんぽの伸び盛り 水筒のみづぽこぽこと青き踏む 無雑作に踏まれて十二単かな 摘草の声はいつしかちりぢりに 求 愛 小浜史都女 雛の日の多目の金糸玉子かな まださほど減つてはをらず春の鴨 囀りにすこしはなれて鳶の笛 うららかやあと二千歩は歩けさう 啓蟄や真白に乾く亀の背 視野に入るほどのわが町ほーほけきよ 春や春鴨の求愛見てしまふ 一輪のさくらに雲の流れけり |
筑 波 山 鶴見一石子 菜の花に明けゆく大地筑波山 九十九里春呼ぶ涛のあがりくる 献体の霊守る堂宇桃の花 地虫出づ道鏡塚の土擡げ 方位除け厄除け幟涅槃西風 蛇穴を出て嫌はるる塒巻く 南無大師杖が朋友遍路笠 黒揚羽飛んであしたは風となる 風 光 る 渡邉春枝 天守よりいづこ向きても風光る 城濠に映る校舎やうららけし 枝垂れ梅しだれて風の向き変はる 梅日和つぎの電車を待つことに 水匂ふ方へ方へと木の芽張る 桜草好きで庭中さくら色 老いてまだ少女の笑顔チューリップ 犬ふぐり先師の言葉くり返す 初 蝶 渥美絹代 雨来つつあり畑焼の火の走る 雛の間へ線香の香の流れをり 野遊びや遠き山の名言ひ合つて 牡丹の芽白雲山を離れゆく 初蝶や結ひしばかりの竹の垣 行商の荷を解く縁や燕来る 柱時計響く朧の三和土かな 大甕の桜鴨居に触れてをり 鳥 帰 る 今井星女 庭の木々雪の帽子を脱ぎにけり 白木蓮の枝まつすぐに天を突く 牡丹の芽ひいふうみいと数へけり 鳥帰る日をたしかむる古日記 いくたびもためしとびして鳥帰る 鳥帰る一族郎党従へて 黒点をちりばめしごと鳥帰る スワン去り湖の景あともどり 閲 覧 室 金田野歩女 鳥の群擽りをるや山笑ふ 祝卒業赤飯食ぶる円居かな 麗らかや閲覧室の椅子埋まる 蓬餅手土産とするお付合ひ 由緒ある煉瓦学舎黄木蓮 囀をみんなで拾ふ探鳥会 次々に繰り出す夢や石鹸玉 学校に遅刻しさうな春の夢 花 の 雨 寺澤朝子 初花の雨となりたる六義園 妹山も背山も花の雨の中 紅しだれ雨のしづくもさくら色 春泥のここぞと踏みて渡りけり ひたすらな水脈の相寄る春の鴨 薄紙に包めば透けて落椿 緑立つ空が明るくなつて来し にはたづみ残して花の雨上る |
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鳥雲集 | |
一部のみ。 順次掲載 | |
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風 光 る (鹿 沼)齋藤 都 堂柱磨きぬかれし花の寺 風光る鑁阿寺までの石畳 緑立つかなふり松の願ひ箱 入学証受けて見上ぐる初桜 花冷や輪蔵の絵馬うすれきし 「中庸の教え」子に説く花曇 涅槃西風 (宇都宮)宇賀神 尚雄 囀に耳やはらかくなりにけり 春日射し眼を細めゐる六地蔵 天空へ欅大樹の芽吹きかな 猫の眼のいささか潤む涅槃西風 連山の雲に包まれ春彼岸 水温む川面を分くる鯉の背な ビオロン (浜 松)佐藤 升子 山門に足場の組まれ初音かな 剪定の匂へる脇を通りけり ビオロンのひびき春星またたきぬ 丁寧に削る鉛筆風光る 入と出の合はぬ帳面花粉症 息かけて拭ふ手鏡暮の春 梅 の 宿 (江田島)出口 廣志 教へ子の喜寿をこと祝ぐ梅の宿 遠山のほつほつ染むや花こぶし のどけしや野面に子らのボール蹴り 箒目の美しき石庭落椿 廃校の校舎をかざす花万朶 捨て畑に翅をたためる昼の蝶 花 の 寺 (宇都宮)星 揚子 鑁阿寺やゆつくり沈む春の鯉 経棚の文字の古りたる春の闇 石畳きれいに掃かれ花の寺 裏門が表にありて長閑なり 鍔軽く折りてをみなの春帽子 方丈の開け放たるる春障子 彼 岸 (牧之原)本杉 郁代 彼岸会の和讃で僧を迎へけり 新しき閼伽桶並ぶ彼岸寺 新品の自転車貰ひ入学す 春潮の川膨みてきたりけり 桜咲く十三回忌迎へけり 入り潮のひたひた隠す葦の角 すかんぽ (出 雲)渡部 美知子 しやぼん玉の不思議に見入る幼かな 華やぎの余韻に暮るる雛の間 すかんぽやまた泣いてゐる隣の子 亀鳴くや代打満塁ホームラン 雉啼けり山道いよよ細くなる 花曇停泊船の小さき揺れ 春 の 月 (群 馬)荒井 孝子 春寒や空家の並ぶ通学路 春塵をもろに浴びたる試歩の道 旧型の特急の縫ふ芽吹山 ふらここの下の窪みの月日かな 電線をひたすら掴む雀の子 春の月戸口まで来て別れけり 囀 (浜 松)安澤 啓子 初午や赤飯を炊く外かまど 祭壇の前に初音の二三声 派出所の戸口全開黄水仙 啓蟄の雑魚上流に向かひけり 接伴に赤子を背負ひあたたかし 城壁の石に刻印囀れり |
花 烏 賊 (群 馬)鈴木 百合子 裃の姿勢くづさぬ雛かな 燕来る書肆に新刊高く積み 春場所の結びに合はせ風呂を焚く オルガンをふうがふうがと木の芽風 氏寺の奥まで木の芽明かりかな 花烏賊の透く弟の忌日かな 櫻 貝 (東広島)挾間 敏子 瀬のひかり乱して芹を洗ひけり 濃く淡く島影重ね瀬戸の春 ざくざくと踏む雌三瓶の末黒かな 山人の厚き手に愛で桜貝 囀や石段荒き仁王門 のどけしや漁村に豆腐屋の喇叭 春 の 鳶 (旭 川)平間 純一 如月の満月かかげ伽藍暮る 残雪のかすかに凹む翳りかな 雪間より流れの音の砂金沢 旋回の大鷲高く雪解風 ムックリの風に乗りたる春の鳶 白鳥の野生にもどり帰りけり 春 動 く (宇都宮)松本 光子 春遅々と粉塵烟る石切場 春時雨謁見の間のシャンデリア 磐座に玉串捧ぐ木の芽時 春動く峡に響動す笛太鼓 お囃子の笛は少年木の芽張る 涅槃西風跳ぬる神馬の紋所 春 耕 (浜 松)弓場 忠義 春耕の痩せたる鍬の黒光り 嘘をつきたくても一人四月馬鹿 しやぼん玉一つ一つに虹立てて 初つばめ遠つ淡海に翻る 初ざくら対岸のこゑ透けにけり 山彦の花を散らして応へけり 雲 雀 野 (出 雲)生馬 明子 無口の子の夢はアイドル卒園す 倒れても芽吹き忘れぬ柳かな 縁側でいただく薄茶鳥雲に 同じ話うんうんと聞く春炬燵 雲雀野の道は直線直角に 風光る倉敷川に祝歌 仏 手 柑 (牧之原)小村 絹子 仏手柑の宙ぶらりんのぐうとぱあ 膝着いて蜷の歩みに見入りけり 十字路のひとつもなくて蜷の道 卒業歌体育館に溢れけり 食ひ初めの膳に菜の花あしらへり 目印のテープでおじぎ卒園児 春 の 湖 (松 江)寺本 喜徳 雪割りて青菜ますぐに立ち上がる 小波の夕日を編むや春の湖 春昼やゆたかに濠の水流れ シクラメンの力を抜きてひと日暮る 大樟の天守になびく春嵐 樹の上の鳥に急かされ畑を打つ |
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白光集 | ||
〔同人作品〕 巻頭句 | ||
村上尚子選 | ||
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三原 白鴉(出 雲) 野の中の小さな駅舎つくしんぼ 檜林 弘一(名 張) 風生の鶯餅をさがしけり |
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子のこゑを遠くに春の風邪ごもり あたたかや口づけ交はす番鳩 登校の列まつすぐや黄水仙 しやぼん玉空に捕まり弾けたり 北窓を開けてどこにも行かぬなり ぶらんこを揺らし閉校惜しみけり 保母さんと園児の憩ふ花莚 麗かや怪獣図鑑膝に置き たんぽぽの絮を吹く子の息を継ぐ 沈丁花飾り気のなきワンピース 真向かひの桜家居を楽しめり 風つかみ風となりけりいとざくら ふらここの姉妹に風のすれ違ふ 春禽を待つつくばひに水満たし 千仏に千の風あり風車 |
陶山 京子 松本 義久 廣川 惠子 金子きよ子 本倉 裕子 青木いく代 河島 美苑 鈴木けい子 福本 國愛 宇於崎桂子 林 あさ女 荻野 晃正 大石 益江 郷原 和子 鮎瀬 汀 |
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白魚火集 |
〔同人・会員作品〕 巻頭句 |
白岩敏秀選 |
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島 根 田口 耕
白梅や守部と語る奥座敷 北 見 根本 敦子 一山のかるくなりたり雪解水 |
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白魚火秀句 |
白岩敏秀 |
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雑談の多き患者やヒヤシンス 田口 耕(島 根) ゆるやかな大地の起伏耕せり 根本 敦子(北 見) 母いつも身ほとりにをり桜餅 早川三知子(調 布) 水温む時計回りに鯉泳ぐ 天野 幸尖(群 馬) 一日を小刻みに分け草むしる鈴木瑣都子(牧之原) 膝頭浅く入れたる春炬燵 山田 俊司(出 雲) 前髪をばつさりと切り入学す 仲島 伸枝(東広島) 種袋ひとつひとつに花言葉 難波紀久子(雲 南) |
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