最終更新日(Update)'17.03.01 | |||||||||||||||
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季節の一句 柴山 要作 |
「短 き 橋」 (作品) 白岩 敏秀 |
曙集・鳥雲集(一部掲載)坂本タカ女 ほか |
白光集(村上尚子選)(巻頭句のみ掲載) 後藤 政春 、吉田 美鈴 ほか |
白光秀句 村上 尚子 |
旭川白魚火忘年・新年句会 沼澤 敏美 浜松白魚火初生句会 松本 義久 |
白魚火集(白岩敏秀選)(巻頭句のみ掲載) 斎藤 文子、落合 勝子 ほか |
白魚火秀句 白岩 敏秀 |
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季節の一句 |
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(栃 木) 柴山 要作 |
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梅咲いて師の一周忌近づきぬ 大澄 滋世 舌出して逃げ足速き畦火追ふ 町田 宏 一斉に飛び立つ羽音春浅し 谷田部 シツイ |
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曙 集 | |
〔無鑑査同人 作品〕 | |
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ひよんの実 坂本タカ女 ひよんの実や滅多にあけぬ小抽出 よく眠るやう枝くくる雪囲 年月を経し表札や注連飾 僅かばかりの明日の米とぐ虎落笛 牛飼ひに牛が甘ゆる遠雪嶺 失はれゆくアイヌ語や雪しまく 電柱に雪しがみつき吹雪止む 雪虫や万年筆のインク切れ 空 つ 風 鈴木三都夫 山芋の届けてありし勝手口 雨に濡れ色の戻りし落葉かな いろいろな色の落葉を踏みにけり 寒々と粧ひ落す銀杏かな 潔く裸木となりおほせたる 屋敷より続く山畑笹子鳴く 山の日のやうやく届く日向ぼこ 名にし負ふここ遠州の空つ風 初 湯 山根仙花 目の前の大きな山の眠りけり 寒禽の声の行き交ふ雑木山 短日の針穴に糸通しけり こぼれ出て山の日を受く竜の玉 他所の子が来て笑ひ初め泣き初め 九十の痩身初湯溢れしむ 老いて尚書くこと多し初日記 豆腐二丁離れて沈む三日かな 年 玉 安食彰彦 くさめして電話の言葉聞きもらす 懐炉貼る心も所作もあらたまり 白魚火誌一寸重たき新年号 戸主の座も主婦の座もなく年迎ふ 年玉も福澤翁がよろこばれ 心には羽織と袴大旦 胎内に光を宿し年迎ふ 幸は今ここにあり松の内 鰤 起 し 村上尚子 御明かしの一列に年改まる 雪激し闇にまたたく灯が一つ 雪深くなる六日町十日町 寒灯を寄せ酒蔵の段梯子 寒造湯気天井を舐め尽す 風音や越後の夜の白障子 目の前に佐渡見えてをり鰤起し 日本海の波音に雪舞ひ上がる 天 山 小浜史都女 枯色はあたたかきいろ明るき色 裸木に匂ふばかりの星一つ 猪垣は胸の高さや山眠る 霜踏んでオリオンの座をたしかむる 竹やぶの上に杉山笹子鳴く 天山の泰然とあり初茜 天山を降りてきたりし雪女郎 源流はダムのある山若菜摘 |
年惜しむ 鶴見一石子 冬木立新粧なりし加波神社 霜柱踏み来し方を噛みしむる 蕎麦掻は生醤油が美味七味好し 年の瀬の祢宜の直言福賜ふ ステーキを孫と楽しみ年惜しむ 初日出づる気配潮筋動き出す 倖せは家族揃ひし屠蘇の膳 磯節の聞こゆる沖の初明り 初 日 渡邉春枝 初日待つ静かな刻のありにけり 初茜傘寿の命永らへて 見馴れたる山々を染め初日の出 初日さす庭の隅なる我が句碑に はやばやと灯す佛間に淑気満つ 添書の言葉うれしき賀状かな 今も掌に母のぬくもり年酒酌む 元日といふも変らぬ物を着て 竜 の 玉 渥美絹代 磐座にくひ込む木の根冬夕焼 十二月八日ま直ぐに煙立つ ひとつ欲し師の句碑の辺の竜の玉 蕎麦を打つ板間のつやや十二月 銅像の肩に枯木の影届く かくも目のつみたる板戸山眠る 注連作るあをさ足らざる藁をもて 寒の堂借り新作の能面展 神の留守 今井星女 好きなだけ寝て好きなだけ食べて秋 女医として俳人として菊の宴 勝相撲羽織袴でインタビュー 関取りの素顔愛らし秋日和 縁結び定むるといふ神の旅 神の旅新幹線か飛行機か 神主も旅行に出たる神の留守 推敲に推敲重ね神の留守 特 等 席 金田野歩女 冬日和落款息を整へて 届いたる蜜たつぷりの冬林檎 マスクして待合室の混み合へる 地球儀のやうな杉玉空つ風 誰彼と声掛けらるる初詣 何時の間に声変りして初電話 読初や二冊一気に師の句集 窓際の特等席へ室の木瓜 歌かるた 寺澤朝子 東国に嬥歌のむかし山眠る 寺町の夜道明るし臘八会 漱石忌ときに伸びして悴け猫 小刻みに地震のくるなり年の瀬も 明かあかと灯る交番除夜詣 曖昧な初夢であり夢は夢 父在らば父が読み手の歌かるた 松過ぎてやうやうひらく新刊書 |
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鳥雲集 | |
一部のみ。 順次掲載 | |
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山 眠 る (牧之原)桧林ひろ子 夕闇の濃くなるばかり枇杷の花 枝振りを顕に冬の木となれり 装ひを少し残して山眠る 常に見る景あらたまるお元日 落椿向きそれぞれに散らばれる 落椿墓の周りを明るうす 団扇太鼓 (出 雲)武永 江邨 痩せ腕で団扇太鼓や初詣 境内に明かり連なる初詣 賀状読む一瞬顔のよぎりをり 慣れといふことの怖さよ豆行火 気遣ひの温度低めの初湯かな お客はや帰り支度の三日かな 初 詣 (出 雲)三島 玉絵 初凪や石投げて聞く湖の声 八雲山にぽつと日の射す初社 初暦子の嫁ぐ日を二重丸 番内と共に撮らるる初詣 触れて聞く神馬の息や初詣 狛犬の裏白乾ぶ四日かな 炬 燵 (浜 松)織田美智子 ひもとけばすぐ眠くなる炬燵かな 冬木立歩幅大きく人の過ぐ 足裏のよろこぶ落葉踏みゆけり 虎落笛日記がはりの句をしるす 大方は省いてしまふ年用意 見るたびにほほゑみ返す冬牡丹 冬 日 (浜 松)上村 均 冬耕や地をゆるがして電車過ぎ 重たげに三脚担ぎ行く枯野 虎刈のやうな杉山冬の鳶 寒禽や手すり頼りに坂登り 大海の波の白きに冬日落つ いと狭き浜辺の畑に雪舞へり 初 護 摩 (宇都宮)加茂都紀女 ならひ哭く茶臼岳はマグマ懐に 声張つて般若心経読始 不動明王正面の大鏡餅 初護摩の烈火を煽る鬼太鼓 書初や尼僧の無垢の白襷 裏茶臼岳登る吹雪を身にまとひ |
冬 の 梅 (群 馬)関口都亦絵 里宮の四手の雪白冬の梅 笹子鳴く忠治処刑の跡地かな 触れてみる観音堂の狐罠 去年今年良き榾を焚き神の庭 大利根の水の碧に初明り 主菓子はこがらしといふ初点前 初 暦 (松 江)福村ミサ子 初暦めくるや今年動き出す ハスキーな声も混れる初諷經 湖見ゆる席譲らるる初電車 読初や栞入れたる頁より 七日粥阿蘇の小国の草入れて しら魚の不漁を託つ湖漁師 香 炉 灰 (群 馬)金井 秀穂 借景の榛名遠目に松手入 吹越の先は榛名に及びけり 旋風落葉巻き込み庭走る 香炉灰篩ひ浄めて掃納 息白く箱根の山を駆け下る 賀状はたと途絶えし人のこと想ふ 裸 木 (牧之原)坂下 昇子 吟行の皆が付けたる草虱 早々と暮るる山の日冬紅葉 日に消えてまた現るる雪蛍 裸木となりて樹齢をあらはにす 舞ひ上がり舞ひ散る木の葉冬の瀧 冬砂丘弘法麦が種こぼす 数 へ 日 (八幡浜)二宮てつ郎 老眼鏡掛けて外して十二月 寒禽の声雨上がり来たりけり 戸を打てる音の初雪らしきかな 昼の声夜の声枯木何話す 何となく日の過ぎやすし冬至以後 数へ日の今日は墓石の光る日か 初 雀 (浜 松)野沢 建代 ひと雲も置かぬ空ありお元日 登城路の石に角なし初雀 注連縄の幣に風ある城の井戸 式台に初春の日の廻り来し 武者隠しに簾を垂らし三日果つ 二の丸の茶室へつづく牡丹の芽 |
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白光集 | ||
〔同人作品〕 巻頭句 | ||
村上尚子選 | ||
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後藤 政春(高 松) 十二月八日抜歯の親不知 吉田 美鈴(東広島) 冬木立道まつすぐに明の廟 |
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小晦日ふはふはすするカプチーノ 喪の便り雪の便りと届きけり 父の忌や大きストーブ囲みをり すつと抜く海老の背腸や冬に入る 初鏡老いを顕に写しけり 冬将軍来たり赤子の蹴るは蹴るは 初売の菓子の袋に小さき鈴 メモ置きて帰る見舞や十二月 北風の瀬戸に下るればやはらかく 聴診器ぴたりと咳の胸を押す 草もみぢ猫の寝床となりてをり 前厄に入るや砕くる冬の海 福だるま鼻の高さで決めにけり 煤逃の爪弾くギター二階より 泣初の「兄ちやんが」しか聞き取れず |
牧沢 純江 吉田 智子 鈴木 敦子 秋穂 幸恵 大石美枝子 永島 典男 稗田 秋美 佐藤陸前子 池森二三子 石田 博人 広川 くら 計田 芳樹 三浦 紗和 秋葉 咲女 塚本美知子 |
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白魚火集 |
〔同人・会員作品〕 巻頭句 |
白岩敏秀選 |
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磐 田 斎藤 文子
冬霧の中より汽笛フェリー来る 牧之原 落合 勝子 籾殻を焚く人影の老いにけり |
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白魚火秀句 |
白岩敏秀 |
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岬回に小春の貝を拾ひけり 斎藤 文子(磐 田) 籾殻を焚く人影の老いにけり 落合 勝子(牧之原) 母はまだ何かしてをり除夜の鐘 荒瀬 勝枝(出 雲) 初風呂や仕事を持たぬ素手素足 花木 研二(北 見) 惜しみなく部屋あたためて年送る 渡辺 晴峰(津 山) 若水を汲んで気概の詣でかな 杉原 栄子(出 雲) 風生句集買ふあたたかき年の暮 加茂川かつ(牧之原) 故郷の近くに住みてちやんちやんこ 中嶋 清子(多 久) |
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禁無断転載 |