最終更新日(Update)'17.04.01 | |||||||||||||||
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季節の一句 久保 徹郎 |
「紙ふぶき」 (作品) 白岩 敏秀 |
曙集・鳥雲集(一部掲載)坂本タカ女 ほか |
白光集(村上尚子選)(巻頭句のみ掲載) 大隈 ひろみ 、山田 眞二 ほか |
白光秀句 村上 尚子 |
栃木白魚火新春句会 江連 江女 |
白魚火集(白岩敏秀選)(巻頭句のみ掲載) 西村 ゆうき、阿部 芙美子 ほか |
白魚火秀句 白岩 敏秀 |
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季節の一句 |
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(呉) 久保 徹郎 |
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抜け殻のやうな服吊る花曇 西村 ゆうき 青麦の真中にでんと幼稚園 金原 敬子 |
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曙 集 | |
〔無鑑査同人 作品〕 | |
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木 曽 馬 坂本タカ女 煤逃げの口笛二階下りてくる びつしり川岸の日暮の鴨の群 厩栓棒解きて木曽馬雪原へ 木曽馬のまなこ大人し寒の入り 顔振つて黙しとほして白梟 ためし鳴く嘴かさかさと寒鴉 紫の雲の切れ端寒夕焼 人日や電池切らして腕時計 新年吟行会より 鈴木三都夫 手水舎の寒九の水をもて漱ぐ 舞殿へ舞ふ風花の美しく 寒鴉神木高くゐて翔たず 昼暗き脇参道や笹子鳴く 悴みて女城主の像拝す 落葉溜め戦国の世の仏たち 冬枯れてゐて名園を欺かず 直虎の菩提寺の梅ふふみ初む 竜 の 玉 山根仙花 豆腐一丁寒暮の水に沈みをり 箒目にこぼれ安らぐ竜の玉 竜の玉ころがつてゐる犬走り 一太刀の竹の切口寒しまる 枯れといふこの安らぎの中にゐる 水餅の水替へし夜を深ねむり 梅一輪空の青さに触れて咲く 春寒し竹の切口水溜めて 風 花 安食彰彦 メモ読めず赤くなりたる古暦 初場所の初日いつきに突き出され 風花の白砂の庭に舞ひにけり 風花の眼鏡に触れて消えにけり 風花の葉書に触れて「様」滲む 鳥取の大雪出雲は三糎 大雪の去り青空を残しけり 雪の朝鼬か貂か狸かも 冬 泉 村上尚子 山彦としばらく遊ぶ冬泉 白鳥の首を揃へて吹かれゆく 鳥発ちて湿原の枯れ極まりぬ 山番の薪割つてゐる深雪晴 風花や鍋の油のささにごり 一つ灯が次の灯を呼ぶ雪催 一言居士マントの裏を見せにけり 春隣水かげろふを橋の裏 玄海の風 小浜史都女 わが畑の白菜も入れ鍋満たす 猿廻し猿と揃ひの法被着て 黒髪はむかしのことよ氷面鏡 日脚伸ぶ鳩末広に棹になり 雨脚のけぶりて春の遠からじ 玄海の風一輪の梅起こす 初東風や杉山杉をそろへたる 天山の風すかんぽの芽を真つ赤 |
寒 雷 鶴見一石子 忽と消ゆ人の寿命や寒昴 喉仏寒さ一つが通りゆく 緋の色は天地の紲寒牡丹 寒雷や関八州を袈裟懸けに 闇奔る祖谷の吊橋雪しまく 炉話の小道具火箸自在鉤 遠き日の戦渦の中の菜雑炊 草餅を手に載せ倖を噛みしむる 初 蝶 渡邉春枝 朝礼の児童の中の雪達磨 待春の柱時計の進み癖 長過ぐる貨車通り過ぐ寒の月 出棺のあと初蝶の庭に来て コンサート果つや春月ふりそそぐ 鍬の手を休め蝶々と対峙せり 梅東風や心静まるまで歩き 来し方の人を想へば亀鳴けり 赤 き 実 渥美絹代 掃く音のしてゐる墓地や山眠る 正月の渡しに乗れば鳥の声 正月の日にあたたまる墓の石 へぎ板に包む饅頭雪催 寒晴や鳥の来てゐる枝の揺れ 赤き実の浮く寒鯉のゐるあたり 藁厚き離れの屋根や凍ゆるむ 雛を吊る桧の台の香りけり 去年今年 今井星女 去年今年仏間の明り煌煌と 去年今年ウィーンフィルに酔ひにけり 去年今年ベートーベンは永遠に 神だのみ心に秘めて初詣 着ぶくれて本殿までの列つづく 「中吉」とありて頷く初みくじ 食積をしばし眺めて老の箸 手に余る大筆持ちて書き初めす 湯 湯 婆 金田野歩女 朝靄の川面を奔る冬景色 斜に構へ大きな腹の鱈捌く 湯湯婆を抱へ寝付きの佳き日かな 人日ややつぱり好きな厨事 難問のクロスワードや小正月 鶴唳の空へ向けては直ぐ凍つる 落語会の余韻ほつこり雪明り 流氷の塊打上がる風の向き 梅 二 月 寺澤朝子 境内に細き流れや寒明くる 観梅のこよなき日和賜りぬ 込み合うて湯島は梅の花ざかり 等身の鏡花筆塚梅二月 梅白し樹下に嫁御の綿帽子 ちゝと跳びくゝとついばみ梅に鳥 梅が香や甘酒クレープよく売れて 撫で牛の背に散る梅の二三片 |
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鳥雲集 | |
一部のみ。 順次掲載 | |
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寒 の 水 (宇都宮)星田 一草 初護摩の銅鑼本堂を満たしたり 奥の院の榾火の温みふところに 双耳立つ筑波山の裾の初霞 クレーンの動き出したる四日かな 大枯野玩具のやうな電車ゆく 轆轤場のバケツに濁る寒の水 寒 昴 (東広島)奥田 積 元旦の空や鳶の大きな輪 SLのゆらしてゆける冬木の芽 石庭の白砂のまぶし竜の玉 寒晴や町で人気の珈琲館 ほんたうののぞみはむねに寒昴 宿坊の朝勤行の冴返る 若 菜 粥 (松 江)梶川 裕子 極月や庭師のたたむ長梯子 冬の雲割つて日の射す天守閣 宍道湖の冬波均す鳶の笛 破魔矢持つ人の駈け出す発車ベル 初詣絵馬の一つに異国文字 花柄の土鍋一人の若菜粥 寒 夜 (藤 枝)横田 じゅんこ かいつむり見詰められては潜きをり たまさかに独りの不安膝毛布 相槌を打つ人のなき寒夜かな 大寒や外して重きイヤリング 切手から鳥の飛び立つ寒の明け 一山の芽吹きに序列ありにけり 迎 春 花 (苫小牧)浅野 数方 神座拭く巫女の黙礼室の花 雪女郎一望千里の白き闇 厄払真つ正面にオホーツク 九十五歳の五体満足鬼は外 ちりちりと蒟蒻炒め余寒かな 迎春花晩年といふ贈り物 冬に詠む (松 江)池田都瑠女 冬紅葉隠岐にやさしき京言葉 炬燵船冬日を曳きて堀めぐる 冬帽を押さへ大橋渡りけり 麻酔から覚め冬薔薇の香の中に 活け直す水仙外へ向きにけり 菰を着て恥ぢらふ如き冬牡丹 |
鳶 の 笛 (多 久)大石 ひろ女 風紋に拾ふ貝殻日脚伸ぶ ささやきのごとき潮風冬椿 風花や吾に弧を描く鳶の笛 犬死すといふ哀しみの寒昴 亡骸に持たする念珠や寒の菊 大寒の空鈍色に日暮れ来る 偉さうに (群 馬)奥木 温子 偉さうに冬将軍の胴間声 凩は前山に住み我に吹く 一穂の灯明揺るる隙間風 雪掻いて洗濯物を干しに行く 石垣の雪の剥がれて空つ風 月痩せて春待つ光輝かす ど ん ど (牧之原)辻 すみよ ご祈祷の太鼓漏れくる初詣 どんど火や焼き損ねたる餅転ぶ 照り翳りして風花の舞ふ日和 参拝の人に焚火のおもてなし ひとつ咲きひとつ蕾の冬牡丹 釈迦牟尼の障子明りに御座しけり 春 の 雪 (東広島)源 伸枝 段畑の風の荒さや冬すみれ 昼灯す牛舎や小さき軒氷柱 蔵町の星のきらめき春近し 春立つや背伸びして拭く硝子窓 舟洗ふ早春の水はじかせて 手紙書く窓辺に舞へり春の雪 吹 矢 (松 江)森山 暢子 冬眠に仮眠といふはなかりけり 奥底の戦は遠し冬蕨 極月や吹矢の手入れしてをりぬ 狐火や子に持たせやる熱冷まし 端銭数へ直して女正月 人麿の終の住処も雪二尺 薺 粥 (栃 木)柴山 要作 楮煮る八溝峯の風に湯気飛ばし 紙を漉くちやこんちやこんと水をどる 漉き重ね嵩なす紙の滴れる 野仏の新なる頭巾明の春 人日や焼芋売りの声のどか それなりに癒えて二人の薺粥 |
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白光集 | ||
〔同人作品〕 巻頭句 | ||
村上尚子選 | ||
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大隈 ひろみ(呉) 耳もとに越の海鳴り蕪鮨 山田 眞二(浜 松) 決めし事小さく唱へて初山河 |
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猫舌もゐて鮟鱇鍋のクラス会 元朝や事のはじめは厨から 覚えたてのじやんけんはぱあ春隣 寒垢離の口元かたくしてゐたり 立春大吉句座に青年一人ゐて えべすさまの耳たぶを撫で残り福 髪切つて風邪の神とも縁を切る 初競の金魚尾鰭を振つて見せ 雪雲や緊急ヘリの点となる 病院の花活け替はる二月かな 風花や約束忘れられしまま 手放せぬ母の形見のちやんちやんこ 話すこと尽きてしまひぬ日向ぼこ 雪のせて一番電車の通り過ぐ 雪の日は頭突きのやうにして歩く |
吉川 紀子 水出もとめ 池森二三子 植田美佐子 小林さつき 阿部芙美子 広瀬むつき 鈴木 敬子 栂野 絹子 荻原 富江 稗田 秋美 斉藤かつみ 落合 勝子 原田 妙子 小嶋都志子 |
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白魚火集 |
〔同人・会員作品〕 巻頭句 |
白岩敏秀選 |
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鳥 取 西村 ゆうき
飽食の胃の腑へ落つる七日粥 浜 松 阿部 芙美子 水鳥の湖は比叡の影に入り |
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白魚火秀句 |
白岩敏秀 |
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飽食の胃の腑へ落つる七日粥 西村ゆうき(鳥 取) 雪吊に縄のゆるみの二三本 阿部芙美子(浜 松) 深雪晴声のよく似る嫁姑 藤尾千代子(東広島) 節分や今年も鬼の役となり 井本 京子(唐 津) 冬耕のうしろ姿に挨拶す 清水 純子(浜 松) 電線の張り弛みなき霜夜かな 中村 和三(長 野) さくらの芽タイムカプセルこの辺り 熊倉 一彦(日 光) 笑顔よき人の来てをり春炬燵 高野 房子(新 潟) |
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