最終更新日(Update)'17.02.01 | |||||||||||||||
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季節の一句 大石 ひろ女 |
「冬 の 街」 (作品) 白岩 敏秀 |
曙集・鳥雲集(一部掲載)坂本タカ女 ほか |
白光集(村上尚子選)(巻頭句のみ掲載) 鈴木 敬子 、髙島 文江 ほか |
白光秀句 村上 尚子 |
白魚火坑道句会再開 渡部 幸子 栃木白魚火忘年句会報 小林 久子 東京・栃木白魚火有志吟行俳句会報 中村 國司 |
白魚火集(白岩敏秀選)(巻頭句のみ掲載) 牧野 邦子、田久保 峰香 ほか |
白魚火秀句 白岩 敏秀 |
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季節の一句 |
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(多 久) 大石 ひろ女 |
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返したる土より春の動き出す 飯塚 比呂子 寒明の光まぶしき雪野原 小林 さつき 臘梅や闇のふはりと匂ひくる 西村 ゆうき |
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曙 集 | |
〔無鑑査同人 作品〕 | |
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返 り 花 坂本タカ女 屑籠の紙屑動くちちろ鳴く 見逃せし蔦紅葉なる蔵喫茶 壷に挿す勝手気儘の吾亦紅 火を恋ふや振れば実の鳴る喘息薬種 蔓下りてくる鉄線の返り花 土に埋め鉢の鷺草冬囲 見掛けなくなりしと思ふ掛大根 雪ちらちら灯油タンクの目盛よむ 冬 桜 鈴木三都夫 洗ひ場の流れに晒す糸瓜かな 晒し終へ網の糸瓜となりにけり 沢風に釣舟草が舟落す 丹精に応へし菊の晴舞台 懸崖の一花紛れもなき小菊 稗田とも稲田ともはた捨田とも 倒伏の稲に野分の跡まざと 冬桜咲くとしもなく散りもして 小 春 山根仙花 ゆく秋の海に音なき日和かな 二階より見ゆる限りの海小春 わが影とゆく小春日の汀かな 打ち上げしもの跨ぎゆく浜小春 郵便車真赤小春の海辺ゆく 地に低く冬たんぽぽの小さな黄 裸木といふ親しさに触れてみる 一椀の新海苔の香を頂きぬ 海 苔 簀 安食彰彦 着ぶくれて海女に藻の名を尋ねけり 廃船とおぼしき船も冬の浜 冬紅葉松江の銘菓緑色 醤油瓶冬の厨に影を置く 額剃られ喉を剃らるる師走かな 寒鴉己の影をつれて飛ぶ パチパチと海苔簀の乾く音すなる 日本海の濃紺干せり海苔簀かな 落葉踏む 村上尚子 風鐸の揺れしやくなげの返り花 神留守のどこにも合はぬ螺子拾ふ 神名備へ日の移りけり冬もみぢ 山眠る賽銭箱に鍵二つ 落葉踏む我が足音を恐れけり 枯山にをり学校のチャイム聞く 湯豆腐や使ひ馴れたる皿小鉢 転がしておく冬至南瓜となるまでは 貸 杖 小浜史都女 日翳れば風立ちやすし濃りんだう 貸杖の退屈さうや冬ざるる 芭蕉より山頭火好き枯野道 多聞櫓いまも残れり笹子鳴く この家にこの先も住み冬構 母に似しこゑといはれて着膨れて 縁のなき町屋の畳冬ぬくし 天山は母なる山よ笹子鳴く |
知 恵 袋 鶴見一石子 眠り猫彩よみがへる冬の天 水仙や言葉をかはす師との句碑 戦中は着の身着の儘ちやんちやんこ 寒木瓜や磨り減つて来し知恵袋 蓮根掘る泥の菩薩に会釈うけ 焼芋のほこほこ新聞紙のまま 茶の花や晩年時間待つたなし ごぼごぼと富士の湧水去年今年 雪ぼたる 渡邉春枝 雪ぼたる静かに視野を離れけり 転舵して一気に翔たす冬かもめ 日の温みのこる落葉を掻き寄せて 広がりし水輪の中の冬日かな しなやかな馬の尾さばき名草枯る 実万両住み変りゆく床柱 神域を抜けて寺門へ冬椿 落葉踏むたびに獣の匂ひ立つ 冬 日 渥美絹代 埋め戻す遺跡十一月の雨 布団干す民宿蕎麦を打つてをり 蕎麦を打つ畳冬日のまはりくる しぐるるや天井低き二階の間 農大祭室咲五鉢売れ残る 均されし畑寒波のにはかなる 切り口に脂の黒ずむ冬木の芽 山削る音やつつじの返り花 沼 の 秋 今井星女 初紅葉虚子曽遊の径とあり どこからも駒ヶ岳見え沼の秋 紅葉の木の間がくれに駒ヶ岳 ゆくほどに右も左も紅葉かな その中に緑が少し紅葉山 青空を一人占めして紅葉舞ふ どんぐりを供へて屋敷神祀る 渓谷に紅葉の影を映しけり 雪 化 粧 金田野歩女 身に沁むや覗かれてゐる肺の影 信号待ち木枯一号真正面 白樺の枝の先迄雪化粧 浜宿に届く潮騒冬銀河 細雪句歴歳時記古りたれど 出航の水尾直ぐに消す冬の潮 煤逃げの同志書店の文庫棚 厨の灯最後に消して去年今年 三 島 忌 寺澤朝子 火恋し温泉たまごぷよと揺れ 日に四度の点眼神の留守の日々 しばらくは上げ潮眺め日向ぼこ 三島忌や皿にかたりとバタナイフ 万巻の書は読み切れず銀杏枯る 八枚の襖にをどるいろは歌 一燈にかがやく越の蕪鮓 狐火や三行ほどの恋の文 |
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鳥雲集 | |
一部のみ。 順次掲載 | |
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冬 紅 葉 (鹿 沼)齋藤 都 冬将軍男体山を先づ制す みかん山梯子の上に人動く 足元の土の湿りやみかん山 短日や鍵一つ増え鈴もまた 大寺の屋根の曲線冬ぬくし ひと雨のあとの明るさ冬紅葉 冬ぬくし (宇都宮)宇賀神尚雄 冬ぬくし観音像にひとり佇つ 小春日や猫の欠伸につられたる 冬紅葉昼の日射しに華やげり 渓谷を下に見据ゑて鷹舞へり 日の温み湛へてをりぬ花八つ手 池の面の光の中を鴨横切る 杉 山 (浜 松)佐藤 升子 行く秋の杉山に聞く風の音 山中の堂に休みて秋惜しむ 冬うらら塩や醤油は目分量 雲低く鴨の諍ひ二度三度 枯蔓に雨の静かな一日なり 冬蜂に出窓明るき日なりけり 冬木の芽 (江田島)出口 廣志 小春凪舫ひ網曳く親子船 「青春を惜しめ」の碑文冬木の芽 落葉踏む「哲学の道」辿りつつ 一湾の海光浴びて蜜柑熟る 野天湯に枯葉一枚茜雲 日溜りの庭に一輪寒椿 旅 の 荷 (宇都宮)星 揚子 宮島や波穏やかな神の旅 からつぽの原爆ドーム片時雨 時雨るるや能面闇の奥見つむ 旅の荷を解きて広げて冬ぬくし 十二月八日五色の城下絵図 手前より奥がゆつくり雪降れり 紅 葉 (牧之原)本杉 郁代 一筋の紅葉の中の登山道 吊り橋でつなぐ紅葉の山と山 SLの紅葉の中を抜けてきし ゆく秋の川面に薄き日差しかな やはらかな日差しに応へ返り花 石蕗あかり残して庭の暮れはじむ 冬 晴 (出 雲)渡部美知子 冬晴の浦曲に交す遠会釈 冬凪の岩に思はぬ波しぶき 岬鼻の彼方は隠岐や冬紅葉 朱を放つ風の止み間の冬薔薇 漁網干し二階に小さき蒲団干す 冬日向見知らぬ人と分け合へり 冬 満 月 (群 馬)荒井 孝子 黄落す女の通る男坂 小春日や夫の手を借り厨事 冬満月屋並つぶさに曝しけり サイレンの音消してゆく夜の雪 懐手解き説教のはじまりぬ 寒月に聞かれてしまふ独り言 寒 禽 (浜 松)安澤 啓子 磐座に寒禽こゑを落しけり 存分に標高千の落葉踏む ラケットを振つて勤労感謝の日 てのひらに大綿虫の息づかひ 足音に鯉の寄り来る小六月 寝つくまで冬川の音親しくて |
小 春 日 (群 馬)鈴木百合子 手渡しの下足の袋村芝居 幕引ける頃合はづす村芝居 小春日や母といふ字をふんはりと 手に重きファッション雑誌冬桜 冬雲の下をゆつくり冬の雲 入日影蒟蒻玉の鬼の貌 十 二 月 (東広島)挾間 敏子 小春日や世過ぎの土鈴縁に干し 次々と泣かす小児科十二月 山眠る窓に向きたる木地師の座 毛糸編む肩のやさしき反抗期 熟睡のふりをし蒲団直さるる 肝心に触れんとすれば咳しきり 木 葉 髪 (旭 川)平間 純一 点滴の音なく落ちて吹雪をり 病得て命を惜しむ木葉髪 病みぬきてひたすら雪を掻きにけり 流されて流れのままの鴨の群 戸を開けて神殿拝す十二月 獣跡たどれば雪の鎮魂碑 殉死の碑 (宇都宮)松本 光子 新幹線乗り継ぎ釣瓶落しかな 丹の橋に秋冷いたる一之宮 行く秋の履歴書を書くペンの音 殉死の碑見上ぐ木の葉の散り止まず 流鏑馬の馳せし参道冬紅葉 柴又の飴切る音も神無月 枝 打 (浜 松)弓場 忠義 手を振つて手を振つてゆく枯野かな 枝打の檜山杉山こゑ放つ 麹屋の長押に掛くる大熊手 おでんの具一つ忘れて買ひ戻る 大根洗ふ亀の子束子泳がせて 青竹の欄干の橋冬もみぢ 冬 蜂 (出 雲)生馬 明子 神奈備の稜線著し文化の日 竹林や冬の音して風過ぐる 捨舟やひとかたまりの石蕗の花 離れてはまた寄りあうて鴨の陣 保健室の少年冬蜂見てをりぬ 日向ぼこ漫画の手紙読み返す 雪 蛍 (牧之原)小村 絹子 秋薊一人の巾の木の根道 豆殻を物干し竿に干しにけり 自然薯を買うて零余子を貰ひけり 昼花火秋空へ抜け開山忌 ひとひらは肩に触れもし枯葉散る 雪蛍舞うて友との別れかな 秋 深 し (松 江)寺本 喜徳 本棚に三寸の空き秋深し 榠樝みな落ちて曇天軽くなり 痩せさんま焼くる間に暮れにけり 薫立つセージを揺する秋の風 片時雨堀辺の古書店開けてをり 寒雲の切れて日の射す遠つ峰 |
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白光集 | ||
〔同人作品〕 巻頭句 | ||
村上尚子選 | ||
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鈴木 敬子(磐 田) 楮蒸す煙ふる里近きかな 髙島 文江(鹿 沼) 蜜柑剝く短編小説読み了へて |
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実朝の海短日の日が沈む 木枯に追はれ回転ドア抜くる 押込みの中より返事日短 地球儀のハワイに止まる冬の蠅 鍬一丁肩に勤労感謝の日 綿子縫ふ指三本に絆創膏 八十の坂は本物冬仕度 寒禽の枝移りゆく朝の月 朝日射す玉砂利に霜尖りけり 神留守の風柔らかき天守かな 焼藷を御生大事に抱き帰る 冬日和読みかけの本十五冊 傾きて欠けたる月の寒さかな 婆にまだ残りし役目年用意 酒一合ふやし勤労感謝の日 |
上武 峰雪 三井欽四郎 岡 あさ乃 石田 博人 山田ヨシコ 藤島千惠子 宮﨑鳳仙花 吉村 道子 荻原 富江 塩野 昌治 和田伊都美 市川 節子 髙添すみれ 梶山 憲子 中村 公春 |
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白魚火集 |
〔同人・会員作品〕 巻頭句 |
白岩敏秀選 |
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出 雲 牧野 邦子
佐比売野や日矢に穂芒輝けり 唐 津 田久保 峰香 結界の竹ま新し紅葉寺 |
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白魚火秀句 |
白岩敏秀 |
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佐比売野や日矢に穂芒輝けり 牧野 邦子(出 雲) 冷えて来し都府楼跡の礎石かな 田久保峰香(唐 津) ひよつとこの腰から踊る秋祭 飯塚富士子(牧之原) 息白しブルーシートの地震の屋根 植田さなえ(鳥 取) 叩かれてガラスの音の軒つらら 萩原 峯子(旭 川) 早梅や真綿のやうな日溜りに 渡部 幸子(出 雲) 白菜や母の手数の重さあり 土井 義則(東広島) 着ぶくれの足の上がらぬジャングルジム 天倉 明代(三 原)
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