最終更新日(Update)'17.01.01 | |||||||||||||||
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季節の一句 花木 研二 |
「地震のあと」 (作品) 白岩 敏秀 |
曙集・鳥雲集(一部掲載)坂本タカ女 ほか |
白光集(村上尚子選)(巻頭句のみ掲載) 田口 耕 、坂田 吉康 ほか |
白光秀句 村上 尚子 |
白魚火俳句全国大会(広島)参加記 |
白魚火集(白岩敏秀選)(巻頭句のみ掲載) 佐藤 勲、後藤 政春 ほか |
白魚火秀句 白岩 敏秀 |
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季節の一句 |
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(北 見) 花木 研二 |
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仏壇に灯のともりたる淑気かな 小浜 史都女 山眠るくどに一筋罅走り 渥美 絹代 |
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曙 集 | |
〔無鑑査同人 作品〕 | |
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茸 飯 坂本タカ女 その中ののつぽの烏柄杓かな 欄のぬくみにずらり夕蜻蛉 拾ひたる銀杏耳の痒くなる カーテンと玻璃のはざまの秋の蜂 縋るものなく草つかむつるもどき 風呂敷に包みてぬくし茸飯 胡桃落ちつくして刃物供養塚 落葉立ちあがることして吹かれけり 地 蔵 盆 鈴木三都夫 ちまちまと花も終りの浅沙かな 糸とんぼとつて返してゐるばかり 村人も僧も老いたり地蔵盆 地蔵盆一村繋ぐ善の綱 外陣に古りし扁額秋黴雨 簾まだ西日へ残す残暑かな 彼岸花暦違はず咲き揃ふ 草刈女露もて鎌を研ぎにけり 露 草 山根仙花 秋祭りすみたる宮に詣でけり 塵焼いて更けゆく秋を惜しみけり ゆく秋の鐘の音鐘を離れけり 賽打ちし音のことりと秋深む 露草の露のこぼるる程の風 露草や裏戸に残る井戸古ぶ 露草の花に雨降る日となりぬ 雲がゆく雲影がゆく枯野かな 山 眠 る 安食彰彦 稲刈機一集落の稲を刈る さはやかに肩書のなき名刺出し 飛石の上にも秋のなだれをり 柿を剥ぐただただ齢重ねけり あらぬ方見てゐて木莵の鳴いてゐし 恩師逝く嗚呼つひに山眠りけり 竹箸で骨拾ひけり隙間風 葬列がゆく山眠る山めがけ 秋惜しむ 村上尚子 朝市や露にまみるるもの並べ ぶら下がるだけの通草を見て楽し 大原の風に迷へる草の絮 鬼の子に見られ山門くぐりけり 音立ててくる山霧に追ひ越され 行く秋の鞍馬の峠越えにけり 水音やどこ歩きても貴船菊 水占のみづを手に受け秋惜しむ 遺 跡 野 小浜史都女 しろがねの風遺跡野の薄原 蕎麦の風すすきの風も吉野ケ里 遺跡野の風をたひらに蕎麦の花 銅鐸の音澄みきつて野菊晴 聚落に蕎麦と菜畑秋収め 甕棺に炎のあとやそぞろ寒 継ぎはぎの甕棺に秋惜しみけり 環壕の頑丈な柵冬のこゑ |
大願成就 鶴見一石子 孫二人大願成就月満つる 色変へぬ松や侍塚古墳 防空壕は昭和の名残虫のこゑ 機銃掃射うけし板塀桐一葉 手に執りし戦火抜け来し冬帽子 神仏に縋る余生のちやんちやんこ 心の箍弛む晩年冬至くる 歩くことできる幸せ焚火の輪 立 冬 渡邉春枝 通草の実引きて味見の古墳径 露けしや埋葬品の首飾 立冬の日差しとどまる古墳塚 冬に入る溜池に日のさはさはと 葺石の一つ一つに冬日濃し 冬うらら鶏形埴輪の大き口 行き交ふは古代色なる冬の蝶 石蕗咲くや古墳に隣る小学校 をがたまの実 渥美絹代 をがたまの実となる火葬塚の前 掛け替へし杉玉水の澄みにけり 秋日和作りつつ売る桧笠 団栗の落つ芝居小屋解きしあと 穭に穂出たる十坪の神饌田 ゆく秋の風に乗りたる蜘蛛の糸 神の旅目にしむ煙の流れくる 研ぎし刃の青く光れり神の留守 夏のヒロシマ 今井星女 語り部は汗拭はざりドーム前 高々と噴水上げて原爆碑 「皆殺し」とは死語ならず原爆忌 永久に伝へん夏のヒロシマを 俳句大会今日はからずも蛇笏の忌 身に入みて被爆ドームの前に佇つ 秋扇たたみ慰霊碑訪ねけり 資料館見て据りこむ秋深し お母さん 金田野歩女 家苞の南瓜重たくなつてきし 弟切草雨後の湿原満水に 海猫を遊ばせてゐる秋の潮 シンバルの勢ひよろし秋高し 名菊師いつもは優しいお母さん 百舌の晴少し歩を足す散歩道 敵には見えぬ顔菊人形 身仕舞の中途半端や初の雪 一位の実 寺澤朝子 江戸川に棹さす渡し野紺菊 川分れ新川生まる荻の風 人混みの異国語ばかり秋暑し 秋冷の候と書き出す一筆箋 晩年を異郷に姉妹一位の実 乗りつぎの電車夜霧の中を来る 読み耽る先の戦記やそぞろ寒 色葉散る御苑を抜けて丸善へ |
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鳥雲集 | |
一部のみ。 順次掲載 | |
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秋 の 蛇 (松 江)西村 松子 やはらかに夜霧の包む爆心地 山の日のざらざら届く破芭蕉 花野行く夫の大きな背に蹤き 語りかくるやうな波音秋の声 桐は実に日差しやはらぐ父祖の墓 秋の蛇水の流るるごと消ゆる 落 柿 舎 (浜 松)福田 勇 秋茄子を当に晩酌五勺ほど 落柿舎やたわわに柿の熟れてをり 菊の香や大会終へて師の墓前 椿の実落つる井伊家の五輪塔 落葉踏み鞍馬の山の木の根径 落柿舎の去来の墓碑や石蕗の花 乱 れ 萩 (出 雲)荒木 千都江 せせらぎにしづかな秋のありにけり 羽繕ひに一途なる鳥水澄めり すれ違ふまたすれ違ふ赤とんぼ 乱れ萩音なき音をまとひけり 見上げては空を拡ぐる松手入 書かざりし日記の白や秋深し 翡 翠 色 (出 雲)久家 希世 色鳥の声にまみるる句碑の文字 板塀にすがれば零れたる零余子 路地に入り路地を抜くればうすら寒 草川の汀に野葡萄翡翠色 冬に入る寺の知らせの紙よぢれ 川の藻に埋もるる廃舟空つ風 そぞろ寒 (群 馬)篠原 庄治 投句紙に無職と記すそぞろ寒 平凡な余生上々秋刀魚焼く 行く秋の風啼きわたる峡暮るる 馬鹿成りをせる渋柿を持て余す 仕舞湯に肩凝り解す夜長かな 塵芥を焼く煙直ぐに今朝の冬 皮 茸 (松 江)竹元 抽彩 高稲架を組む宍道湖の風に向け 山粧ふ袈裟がけに日矢走らせて 茸山を降り来る人のみな寡黙 皮茸を吊るす軒より香り立つ まだ足の動きゐるなり鵙の贅 朝寒やぼぼと火の飛ぶガスコンロ |
干 潮 (江 別)西田美木子 大木に育つ被爆樹ちちろ虫 鳥居まで干潮を歩く秋うらら 引き潮の汐の道筋石たたき ひたひたと潮満ち秋日入りにけり 紅葉かつ散るや笹の葉青きまま 駆け回る腕白盛り木の実降る 胴 上 げ (唐 津)谷山 瑞枝 主より先にいただく新走り 秋祭り胴上げをして終はりたる 秋夕焼娘時代を話す母 冬仕度母のものよりとりかかる 背もたれの椅子に母座す小春かな 年令はただの数字か冬銀河 登 山 家 (江田島)出口 サツエ 行く秋の楡に囲まれ農学部 金木犀匂へる闇の深さかな 秋うらら鳩は木洩れ日啄みて コスモスの倒れてよりの強さかな さはやかに生きて登山家逝かれけり 曽て兵送りし港とべらの実 木 の 実 (函 館)森 淳子 二つ三つ火種のごときおんこの実 木の実落つる音にもリズムありにけり 大胆に切り落したる松手入 敬老の日を明日にして理髪店 歳時記の傍線赤し秋の夜 梨を剝く二階の人に声をかけ 初 時 雨 (浜 松)大村 泰子 潮早き安芸の宮島雁渡る 秋風の吹き抜けて行く大鳥居 鉤の手に稲架の組まれてをりにけり 高稲架を解くや駅より富士見ゆる 紙袋に蝗ぱちぱち跳ぬる音 初時雨叡山に灯の入りてより 十月果つ (札 幌)奥野津矢子 兄弟は今も三人猿茸 稜線の角薄れゆく黄落期 切株はひとりにひとつ小鳥来る 破蓮素焼きの甕にどんとあり ポケットにごつごつハンカチの木の実 十月果つ畑のものを空にして |
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白光集 | ||
〔同人作品〕 巻頭句 | ||
村上尚子選 | ||
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田口 耕(島 根) 奥宮へ鳥居千本椿の実 坂田 吉康(浜 松) 傘二つ軒に干さるる菊日和 |
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ヘリコプターの長き旋回菜を間引く 幾たびもなれそめを聞くレモン水 ふる里に大き古墳や白鳥来 初雪のたより目覚めのラジオから 山茶花や轆轤の陶土立ち上がる カンツォーネ流るる茶房薄紅葉 江田島のまつすぐな松色変へず 柿熟るる呼べば頭上に返事あり 桟橋は一枚板や茨の実 裏山に夕日とどむる初紅葉 山城に上ぐる狼煙や村祭 コスモスの風を集めて一輪車 冬ぬくし内緒話を始めから 神かへり埴輪に翼らしきもの 湖が大きな鏡山粧ふ |
吉田 美鈴 中山 啓子 高田 茂子 小林 久子 小玉みづえ 高田 喜代 宇於崎桂子 若林いわみ 鷹羽 克子 大澤のり子 北原みどり 村上千柄子 西山 弓子 森田 陽子 平塚世都子 |
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白魚火集 |
〔同人・会員作品〕 巻頭句 |
白岩敏秀選 |
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岩 手 佐藤 勲
モネの絵の青翳り来し秋の雨 高 松 後藤 政春 空き店の多き駅前ちちろ鳴く |
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白魚火秀句 |
白岩敏秀 |
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冬至湯に我が七十の骨太し 佐藤 勲(岩 手) 海峡に漁火並ぶ良夜かな 富田 倫代(函 館) 空缶の音出してゐる鳥威し 吉原 紘子(浜 松) 玄関の鏡にけふの冬帽子 中嶋 清子(多 久) 帰り来て会ふ宍道湖の秋夕焼 牧野 邦子(出 雲) 秋蝶の蹴上がるごとく風と去る 鶴田 幸子(中津川) 紺碧の海を見下ろし鳥渡る 石原 幸子(東広島) きちきちの写楽に似たる目付きかな 高野 房子(新 潟)
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