最終更新日(Update)'16.11.01 | |||||||||||||||
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季節の一句 竹元 抽彩 |
「体重計」(作品) 白岩 敏秀 |
曙集・鳥雲集(一部掲載)坂本タカ女 ほか |
白光集(村上尚子選)(巻頭句のみ掲載) 溝西 澄恵 、中野 宏子 ほか |
白光秀句 村上 尚子 |
白魚火名古屋句会 渥美 尚作 |
白魚火集(白岩敏秀選)(巻頭句のみ掲載) 橋本 快枝 、檜林 弘一 ほか |
白魚火秀句 白岩 敏秀 |
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季節の一句 |
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(松 江) 竹元 抽彩 |
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石蕗の花一輪挿して茶屋は留守 小村 絹子 寝転んで雲を見てゐる小春かな 萩原 峯子 |
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曙 集 | |
〔無鑑査同人 作品〕 | |
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師 の 忌 坂本タカ女 附箋まみれの松籟の記や師の忌来る 低空を飛んで海鵜の日永かな 仕事着の蜑あらはるる立葵 庭ほめてダリヤを剪つてもらひけり ちりりりんもつれ風鈴雨催 懸命に生くるあかしの蝉時雨 めくる度傾ぐ日暦秋に入る 代り合ひのぞく蝮屋秋の昼 作 り 滝 鈴木三都夫 結跏趺坐羅漢凉しき苔纏ふ 十薬や寺領に古りし休め窯 夏座敷本堂といふ風通し 竹煮草雨に孤高を持て余す 雨が止み風にはんなり花菖蒲 えごの実のここだく零れここだ継ぐ 作り滝にも節水のあるらしき 作り滝カルキの匂ひしてしぶく 墓 洗 ふ 山根仙花 焚けば火の色奪ひゆく暑さかな 水かけて水ぶつかけて墓洗ふ 稲熟るる匂ひの小みち通りけり 廃線の鉄路の銹や草の花 野に在すみ仏の水澄みにけり 梨食べて両手したたか濡らしけり 山越えて雲のゆくなり曼珠沙華 萩乱れ雨の舗道となりにけり 新 酒 安食彰彦 生返事して唐黍にかぶりつく 白桃すする恋の話は過去のこと 新走り仐寿の杯をこぼしけり 新酒酌む父はぐひ呑二杯ほど どぶろくのほろ酔のよしともに老い 新蕎麦の割子五杯を京の人 初紅葉土産の菓子に挟まれて 仁王門裏の色増す実紫 台 風 圏 村上尚子 片付けてひと間涼しくなりにけり 黴の花咲かせ一番好きな靴 かぶと虫値引きの札を貼られけり 朝顔に色残しゆく波の音 トーストに切れ目八月十五日 艶やかな通し柱や秋の風 測量の杭打たれゆく草の花 髪濡れしまま台風圏に眠る ひとりあそび 小浜史都女 月出でて深き息する土用の芽 諦めもゆとりや雷もたのもしく 鉢の鷺草きのふ五・六羽けふ十羽 糸瓜棚雨の足らざる花つけて からむしをひるがへす風秋となる 臭木昏れ水の匂ひも暮れにけり 梨のほか何もおもはず梨をむく 鬼の子のひとりあそびの糸長し |
姿 川 鶴見一石子 那須岳の野分進むを拒むなり 眠られぬ山小屋泊り星月夜 山寺の釣瓶落しの鐘一打 台風の近づく路面塵芥 修羅句碑の石の柾目の秋の蝶 水澄みて師のこゑ聞ゆ姿川 両眼をしばらく瞑る夕花野 晩年を占ふ星の飛べるなり 新 涼 渡邉春枝 乱れ打つ残暑の柱時計かな 厄日過ぎ一つ増えたる花の鉢 神域の野川細りて草の花 爽やかや定位置におく椅子一つ 新涼の毛筆書きの案内状 月を観る港の椅子に浅くかけ 霧深し三角点に皆んな触れ 朝採りの秋茄子苞にバスを待つ 敗 戦 日 渥美絹代 地鎮祭青嶺にむけて幣をまく 切り分けて母の西瓜に種多き 敗戦日雲なき峠越えにけり 墓に水運ぶ草の穂濡らしつつ ぱらぱらと雨二日目の盆踊 新涼の峠をのぞむ番所跡 釘の錆にじむ木道秋高し 草の花地質調査のパイル打つ 港まつり 今井星女 花火揚げ港まつりの始まりぬ 「サブロー」の唄を流して花火揚ぐ 大輪の花を咲かする花火かな 千金の値ひとはこれ揚花火 後になるほどに豪華な花火かな 花火大会光のしづく海に果つ 「オー」と声あげ花火終りけり 花火みて満員列車の帰宅かな 二十世紀 金田野歩女 峡の水にラムネを冷やす茶店かな 踊唄夜風の運ぶ名調子 朝顔や紺屋の刷毛の大中小 大花野ポニーテールと駆け競べ うすうすと沈みあぐぬる朝の月 二つ三つ花の付きたる穂紫蘇揚げ 二十世紀剥く間も果汁滴りぬ 野葡萄の通せん坊や散策路 盆 の 月 寺澤朝子 挽歌いま若きを送る夕焼空 目瞑れば彼の日が見えて走馬燈 城山にたましひ遊べ盆の月 遥かより手向けてやらむ新走り 地にひくく吹かれゆくかに秋の蝶 三日月と金星睦む迢空忌 仄明し句会もどりの宵の月 醜草の辺りもつとも虫の闇 |
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鳥雲集 | |
一部のみ。 順次掲載 | |
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夏 椿 (牧之原)桧林 ひろ子 夏椿ひそめし息に落ちにけり 深呼吸して炎天の人となる 打水の新しき風連れて来し 蟬の声始まる朝のレモンティ 路地曲るとき風鈴の音に出会ふ 水の色草の色とも糸とんぼ 残 暑 (出 雲)武永 江邨 農道の一本道の残暑かな 残暑なほ血管の筋顕なる ゆつくりと仏具を磨き涼新た 明日開く朝顔の数目で読めり 草の花薬草吊す湯治宿 草の花湯治の宿へ径細る 鰯 ぐ も (松 江)福村 ミサ子 一語得て一語忘るる極暑かな 思はざる出逢ひのありぬ草の市 神名火のくろぐろとあり魂送り 虫たちの楽園に立つ売地札 追はれたる雀の戻る豊の秋 乾坤を画布ともなせる鰯ぐも 百 日 紅 (牧之原)松田 千世子 裏山の葉ずれの音も夜の秋 紺碧の空へ咲き継ぐ百日紅 野仏に僅かな影を百日紅 曲りぐせある胡瓜より捥ぎにけり 大蝗卒寿の肩に止りたる 子授け石拝み蟷螂生まれけり 雲 の 峰 (出 雲)三島 玉絵 神名火を雄々しくしたる雲の峰 一雨のあとの星屑夜の秋 残暑濃き畦に積みたる草ロール 棚経僧野球の話一頻り 駈け回る子が去に盆の終りけり 白秋や胸像遠き空を見る 合歓の花 (浜 松)織田 美智子 海鳴りのまぢかに旅の明易し 合歓の花風が絵本をめくりけり みみず不覚舗装道路に這ひ出せる 洗ひたる網戸に風の渡りけり 塩つけて山桃食ぶるふたつ三つ 炎昼のおのれ励ますひとりごと |
渡 り 鳥 (浜 松)上村 均 木洩れ日や蟬の死骸に土を盛り イベントに町の団扇が配らるる 谷底へ道は曲折草いきれ 自転車を下り秋耕の仲間入り 遠浜に白煙あがる芦の花 渡り鳥夕日に染まる波頭 天空の竹田城 (宇都宮)加茂 都紀女 天空に灼くる城垣劃然と 天空の城夏霧に奪はれし 御宿は蔵元なりし麻のれん 月光の涼し港の風見鶏 巨船来る海を離れし夏至の月 天空の城をめぐりし髪洗ふ 望 の 月 (群 馬)関口 都亦絵 菩提寺の夜明けの写経蓮の花 ゆく夏の湖きらきらと日照雨来る 千年の神杉望の月かかぐ 学校田の日の香風の香稲の花 真つ新のエプロン付けて初秋刀魚 初もみぢガイドの語る浅間悲話 英 霊 (松 江)梶川 裕子 英霊てふ兄は知らざり終戦日 迎火や佛を知らぬ子も混り 灯を入れて家紋のゆるる盆提灯 父母を闇にかへしぬ流灯会 香煙の行きどころなき残暑かな 鱗雲うろこ崩さず暮れにけり 水 引 草 (群 馬)金井 秀穂 夏痩せを引き摺つてゐる老躰かな 点ほどの朱を灯したり水引草 盛りとて密やかに咲く水引草 里に在り色まだ浅き秋あかね 稲雀決まつて降るる一と所 予後の妻に酷なる残暑つづきをり 流 燈 (牧之原)坂下 昇子 鳴きかけて翔つてしまひし法師蟬 爪先の運び軽やか阿波踊 灯籠の流れを正すカヌーかな 流燈の去りては闇の深まりぬ 花火果てどつと人波動きけり 遠花火淋しき音を残しけり |
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白光集 | ||
〔同人作品〕 巻頭句 | ||
村上尚子選 | ||
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溝西 澄恵(東広島) 西行の風待ちの浦蟬しぐれ 中野 宏子(磐 田) 丸刈りのねぢり鉢巻かき氷 |
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鈴虫の鳴く銀行のロビーかな 朝風を力に芙蓉開きけり 威勢良き隣の町の盆太鼓 玩具屋の三角くじや夏果つる 秋生るる縄文土器の欠片より 一粒の煮豆ころがる残暑かな 不器用な人のつく嘘草の花 をみならのさざめきてゆくをどりかな 冷房の効き過ぎてゐる検査室 片仮名の多き母の字昼寝覚 赤蜻蛉立つとき草をゆらしけり 秋なすび猿の両手の塞がりぬ 捨てられぬ物に卓袱台敗戦忌 梨出荷角兵衛獅子の村の納屋 鈴虫を鳴かせて昼の美容院 |
神田 弘子 横田 茂世 広瀬むつき 樋野久美子 高田 茂子 栂野 絹子 計田 美保 中山 雅史 大滝 久江 八下田善水 和田 洋子 荻原 富江 水出もとめ 高野 房子 江⻆トモ子 |
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白魚火集 |
〔同人・会員作品〕 巻頭句 |
白岩敏秀選 |
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牧之原 橋本 快枝
夏休み暇持て余す運動場 名 張 檜林 弘一 塩田の薪小屋より夏の月 |
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白魚火秀句 |
白岩敏秀 |
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蛍の出づる間の闇広きかな 橋本 快枝(牧之原) バッテラに浪速の暑気を払ひけり 檜林 弘一(名 張) 夏休み一升釜を取り出しぬ 増田 尚三
(守 谷) 家ひとつ虫籠となる山家かな 伊東美代子(飯 田) 握り返す手に力あり生身魂 中間 芙沙(出 雲) 揚花火瀑布のごとく落ちにけり 大河内ひろし(函 館) 新涼や馬のたてがみそよと揺れ 渡辺あき女(苫小牧) さはやかに祝ふ米寿の誕生日 剱持 妙子(群 馬) 作り手の手に合ふ形盆団子 森山 敏子(出 雲) |
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