秋晴の下、ホテル一畑にて全国大会開催。北海道より駆けつけた北見・札幌・旭川・苫小牧の総勢十二人の吟行と句会の様子を記します。
十月二十五日
ほぼ一日がかりで松江に到着。何とか宍道湖の夕日に間に合い、素晴しい夕焼けにみんなの顔がほころびました。
秋入日すとんと胸に染み渡る 好 恵
宍道湖の秋の入日の只ならず 美木子
宍道湖に西日ストーンと秋の夢 哲 子
宍道湖は暮しの中に鴨来る 琴 美
感動を胸に収めホテルに到着後期待の夕食ですが、花の金曜日。ことごとく断られ五軒目にして入店。注文をすれば出て来る食事。当たり前ですが、主婦にとって家事からの解放はとっておきの御褒美であり、有難い事です。ホテルに戻り明日の時間の確認を済ませ各々の部屋につきました。疲れていてもなかなか寝つけず、私はいつもの如く「深夜便」を聞いていました。俳句を作るために来た思いは、みんな一緒です。明日はどうなることやらと思いつついつしか眠りにつきました。
十 月二十六日
松江観光の一日です。堀川めぐり、松江城の急階段を登りきった天守閣からの眺め、北海道では感じる事のない古都の魅力。歴史ある建物に目が奪われます。塩見縄手の道を誰かが何かを見つけては立ち止まり、行きつ戻りつ進みます。一休みを兼ねお堀端の木のベンチに座り外で句会を行いました。
初鴨の湖底を覗いて来し眼 野歩女
小鳥来る水の都の石の橋 数 方
船の舵大きく切りて城は秋 やす美
色鳥の声の明るく松江城 節 子
天高し登つてのぼつて天守閣 悦 子
句会後はレイクラインバスで駅前に着き買物タイム。
夕食を取りながらの句会。予約して頂いた店は料理が美味しく大満足。元気な女性陣に圧倒されつつ黒一点の公春さん大奮闘。にぎやかに句会が行われました。
神在月あの子この子に土産買ふ 公 春
十月二十七日
午前中は月照寺見学。お寺の方が要所要所を解説して下さり大変勉強になりました。その後天倫寺に移動し、西本一都句碑にて記念撮影。
大会会場に着き三句提出するとほっとしました。眠気が襲いますが和田華凜氏の会員の高齢化と減少の話と若々しく可愛らしい声に聞き入ってしまいました。懇親会に入り隣の方とのおしゃべり少し。みなさん席を立って活発に過ごされていました。
十月二十八日
二回目の投稿後、竹内まりやさんの歌が流れる会場に入りました。昨日提出した句が手元に配付されてあります。
いよいよ句会が始まり緊張の時間です。仲間の句が読み上げられる度に笑顔の交換。たまたま私の句も選ばれました。すると昨日同じテーブルについた隣人の方がわざわざ来てくれたのです。さすが縁結びの神様出雲と実感致しました。
三泊四日の長いような短いような時間でしたが俳句に向きあう時間がしっかりとれた事は今後の俳句作りにも役立ちそうです。
光ること大事と師の句菊日和 津矢子
末筆になりましたが大会に当たり、地元のみな様、行事部のみな様のご苦労に感謝いたします。ありがとうございました。そしてみな様お疲れさまでした。また元気な顔でお会い出来る事を楽しみに筆をおきます。
祝七十白魚火永久に豊の秋 妙 子

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